OpenAIは5月30日(現地時間)、大学向けに設計された「ChatGPT Edu」を発表した。同社の最新LLM「GPT-4o」をベースにテキストと画像を処理、データ分析などの高度なツールも利用可能にも関わらず、教育機関にとって手頃な価格設定となっている。
オックスフォード大などの成果を元に構築
ChatGPT Eduは、オックスフォード大学、ペンシルベニア大学ウォートン校、テキサス大学オースティン校、アリゾナ州立大学、ニューヨーク市のコロンビア大学などの大学が企業向けの「ChatGPT Enterprise」を利用して実現した様々な成果を元に構築された。
GPT-4oを使ったテキスト解釈、コーディング、数学問題に優れ、データ分析、ウェブブラウジング、ドキュメント要約、GPTsの作成やワークスペース内での共有といった高度な機能を備えている。
また、50以上の言語に対応し、品質とスピードの両面で向上した言語機能をもつうえ、グループ権限、SSO、SCIM 1、GPT管理などの堅牢なセキュリティ管理機能も用意されている。もちろん会話やデータはOpenAIモデルのトレーニングには使用されない。
非営利団体向けプログラムも発表
OpenAIは同日、「OpenAI for Nonprofits」という新しいイニシアチブを発表している。
このプログラムは非営利団体向けに「ChatGPT Team」と「Enterprise」の割引料金を提供し、AIツールの利用を促進することが目的だ。
具体例として、ブラジルのSerenasやGLIDE Unconditional Legal Clinicといった団体がこのサービスを利用している事例が紹介されている。
今回の発表はOpenAIが教育や社会貢献といった公益的な分野にも力を入れ始めたことをアピールしているのだろう。これが、営利追求だけでなく当初の理念に立ち返った取り組みだとしたら歓迎すべきことだ。
「人工知能の研究を通じて人類に貢献すること」を理念とした非営利団体として発足したOpenAIだが、このような活動が本来の目的だったのかもしれない。