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ICT管理の負荷軽減をAIで実現 情報システム部を攻めのDXへ

AIで運用管理を自動化 NTTPCが「Prime ConnectONE」発表

2024年05月22日 18時30分更新

文● 大谷イビサ 編集●ASCII

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 2024年5月22日、NTTPCコミュニケーションズは、AIによる運用の自動化「AIOps」を実現する企業向けの統合ネットワークサービス「Prime ConnectONE」を発表した。通信キャリアの運用ノウハウと最新のAIを掛け合わせ、インフラ分野での顧客の稼働を軽減するという。

発表会に登壇したNTTPCコミュニケーションズ サービスクリエイション本部 本部長 三澤響氏

2025年までにAIOps機能を拡充 人手不足のユーザー企業を支援

 今回発表されたPrime ConnectONEは、社内環境やクラウドアクセス、拠点からインターネットへのブレイクアウト接続などを提供する統合型のネットワークサービス。危険なサイトへのアクセスを遮断したり、マルウェア感染端末の自動隔離など、セキュリティ機能も統合される。

NTTPCのPrime ConnectONEの概要

 最大の特徴は「AIOps」と言われるAIを用いた運用の自動化。故障時の原因特定や感染端末の隔離、LAN内の機器の監視、LAN/WAN機器の切り分け、複数のアクセス回線を利用するマルチアクセス、拠点から直接インターネットに接続する際のセキュリティ対策などでAIを活用し、運用の自動化を推進する。

 Prime ConnectONEには一元管理可能なダッシュボードも用意される。ネットワークやセキュリティサービスの申し込み状況やトラフィックレポート、請求情報のほか、前述したLAN/WANの切り分けや自動隔離などもダッシュボードから確認できるという。

 AIOpsを含め、Prime ConnectONEの機能はロードマップに従い、随時実装されることになる。

Prime ConnectONEのロードマップ

 第一弾として、2024年7月にはLAN/WANの切り分け、請求のまとめ、ダッシュボードへの一元管理などを提供。クラウド接続やインターネットへのアクセス遮断や不正なファイルの検知/駆除なども実現される。

 2024年12月に予定されている第二弾としては、インターネットSIM経由での自動拠点開通機能やパートナー向けの運用機能が実装。5Gや専用線など回線ラインナップも増え、クラウドとの閉域接続、端末の自動隔離なども実装されるという。

 そして2025年にはAIによる自動化は大幅に推進される。アプリケーションの利用状況の把握が可能になるほか、AIによる故障の自動検知、申し込みの進捗、故障復旧の自動手配、LAN配下の機器管理もダッシュボードから行なえる。また、AIによるネットワーク故障箇所の特定や通知、復旧手配、悪意のあるソフトウェアの検知や端末の自動切り離しなどのセキュリティ機能も提供される予定となっている。

ダッシュボード機能の拡充

ICT運用の負荷を軽減 情シスのリソースをDXへ

 NTTPCコミュニケーションズは、NTTコミュニケーションズの子会社として、ネットワークサービスを手がけている。2006年に企業向けの統合型ネットワークサービスとして「Master'sONE」を開始し、VPN、リモートアクセス、セキュリティ対策、クラウド接続、SD-WANなど時代のニーズにあわせ、さまざまなサービスを提供してきた。

 一方でサービス開始から18年が経ち、顧客の課題も大きく変化してきた。クラウドの利用拡大や働き方の多様化に伴うセキュリティ対策の複雑化などにより、情報システム部の負担は増加の一途をたどっている。NTTPCコミュニケーションズ サービスクリエイション本部 本部長 三澤響氏は「人手不足の影響もあり、今では限られた人数でネットワークを運用しなければならない。通信事業者の監視も今まではWANのみだったが、LANまで含めた監視や切り分けが必要となってきた」と語る。

 今回発表したPrime ConnectONEでは、AIを活用することでこうした課題を解決していく。「業務を止めない安定的な運用」や「迅速な障害復旧」などを実現するのみにとどまらず、ICT運用の負荷を軽減し、情報システム部の人的リソースを「攻めのDX」にシフトさせていくという。

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