ポルシェワンメイクレースで
ポルシェ公式痛車が走る日がやってきた
ASCII.jpでも以前紹介した、ポルシェ 911のワンメイクレース「ポルシェ・カレラカップ・ジャパン(PCCJ)」(究極のポルシェ体験「ポルシェ カレラカップ」とは何か? 参加者に聞くその魅力)。
そんな究極のポルシェレース「カレラカップ」で痛車が走っている! という話を聞いたので、取材に行ってきた。今回のPCCJは、SUPER GTのサポートレースとして5月3~4日に第2戦と第3戦が開催された。サーキットを見ると、豪快に走ってるじゃないか、ド派手な痛車が! デザインを見ると、現在ウェブコミックのリイドカフェにて連載中のポルシェマンガ「彼女のカレラ GT3」じゃないか!
これはどういうことなのか、さっそくポルシェジャパンの担当者に話を聞いた。
彼女のカレラ20周年を記念した
今年だけのスペシャルデザイン
「彼女のカレラが今年20周年なんですよ。だから何かやりたいと思いまして、ラッピングを提案しました」とのこと。ポルシェジャパン側からのオーダーだったというのが驚きなのだが、実はポルシェは非常に懐が広いメーカーであり、アイドルがタイカンでサーキットを走るなんて無茶な企画でも協力してくれたこともある(史上初づくし!? アイドルがポルシェ・タイカンで富士スピードウェイを爆走)。
そして彼女のカレラが20周年ということにも驚きだ。週刊プレイボーイにて2004年から連載が始まり、筆者も最初から読んでいたりする。作者はサイレントメビウスなどで有名な麻宮騎亜さん。作品としてはポルシェの「911(Type964)」のカレラRSを相続した主人公の轟 麗菜を巡る物語で、いわゆるカーレースものではなく、あくまでもオーナーの日常にスポットを当てた作品。バトルもあるにはあるが、修理したりオフ会に参加したり走行会に参加したりと、自動車オーナーあるあるな日常を描いた作品だ。
「昨年のポルシェフェスティバル'23で、3種類の彼女のカレラのラッピングカーを制作したのもあって、その流れもあってすんなり企画は通りました」だそうだ(祝75周年! 「ポルシェフェスティバル'23」でアイドルがすっかりポルシェ沼に)。
痛車化されたのはポルシェの若手育成枠のマシン
しかし、今回痛車化されているのはポルシェジャパンのエースカー、若手育成を務めるポルシェジャパン ジュニアプログラムの91号車だ。反対などはされなかったのだろうか。
「特になかったというか、面白いねって人は多かったです。日本人より海外の人の反応が良かったですね」さすが、マンガとアニメは世界に誇るコンテンツだ。この痛車のデビューは先日開催されたF1のサポートレースだったので、世界から熱い注目を浴びただろう。なお、このカップカーのステアリングを握る、現在20歳の平安山良馬(へんぜん りょうま)選手も「普通に受け入れている」そうだ。
ポルシェといえば、高級車、スーパーカー、伝統のブランドというイメージだが、このような遊び心も忘れていないところが、トップクラスのメーカーの余裕だろう。なお、今回の第2~3戦では、91号車はどちらも3位表彰台という結果に終わった。
今年のカレラカップは第4~5戦が6月29~30日に岡山国際サーキット、第6~7戦が7月20~21日に富士スピードウェイ、第8~9戦が8月2~4日に富士スピードウェイ(SUPER GTのサポート)、第10~11戦が11月9~10日にスポーツランドSUGOで開催される。
速い痛車はカッコイイ。ぜひいずれかのカレラカップで、彼女のカレラ号(91号車)の勇姿を見届けてほしい。写真はあえてリサイズせずに掲載しているので、リバリー作りの参考に!