定番ベンチマークでRyzen 7 8700Gの実力を探る
Radiant VX3500B650AGのポイントはなんと言っても、Ryzen 7 8700Gだ。そこで、まずはその性能をチェックしてみた。
ベンチマークソフトの「CINEBENCH R23」と「CINEBENCH 2024」を使用。どちらもCGレンダリングにかかる時間からCPU性能を計測し、結果は「pts」という独自スコアーで評価する。なお、同じ単位ではあるが、2つのベンチマークソフトの間では数値の統一はなく、単純比較できない点には注意したい。
標準の10分間負荷をかけたあとにスコアーを計測するモードで検証。テストは全コアを使うMulti Coreと、1つだけ使うSingle Coreを実行した。Multi Coreの結果はCPUの全体性能、Single Coreの結果はコアあたりの性能となる。
CINEBENCH R23のMulti Coreは17392pts。手持ちのデータと比べると、Core i7-14700F(20コア/28スレッド)+32GBメモリーを搭載した「G-Master Spear Z790/D5」のスコアーが18929ptsだったので、そこから9%ほど低い結果と善戦しているように見せる。
一方で、CINEBENCH 2024のMulti Coreは971pts。同じくCore i7-14700F搭載PCのスコアーは1116ptsと、その差は約15%ほどに広がっていた。これはCINEBENCH R23と比べてメモリーの使用量が大きく増えたほか、新しい命令セットに対応したことで、結果の傾向が変わったためと考えられる。
続いて、3D描画性能を「3DMark」でチェック。このベンチマークソフトには多くのテストがある。その中から、現在ゲームでよく使われているDirectX 12ベースのテスト「Time Spy」と、古いゲームで利用が多いDirectX 11世代の「Fire Strike」の結果を見てみよう。
Time Spyが2399スコアー、Fire Strikeが5747スコアー。既出のASCII.jp記事「環境によってはGTX 1650に匹敵!?Ryzen 7 8700G&Ryzen 5 8600Gの実力は脅威」内のデータと比べると、低めの値となる。これは後述するメモリークロックの事情によるものだ。