ひとくちに「パソコン」と言っても、どんな用途に使うかによって必要な性能は大きく違う。例えば、ネット通販やインターネットバンキングの利用、SNSなど、ブラウザーを使ったちょっとした操作だけでよければ、エントリークラスのCPUで十分だ。ビデオカードもいらない。それこそ5万円前後の激安ノートPCでもなんとかなる。
これが3Dゲームになってくると、必要スペックが大きく変化する。最低ラインで考えると、CPUは8スレッドを超えるミドルクラス以上、メモリーは8GB以上、エントリークラスでもいいのでビデオカードは必須……といった感じになるだろう。
そして、これは「HD(1280×720ドット)、低画質設定」で遊べるレベルだ。「フルHD(1920×1080ドット)以上、高画質設定」で遊びたいとなれば、さらに高性能なCPUやビデオカードが必要になる。最初から30万円以上するハイスペックなゲーミングPCが買えれば問題ないが、誰もが手を出せる価格ではない。
そこで提案したいプランが、必要最小限のスペックのPCを購入し、あとからアップグレードしていくという方法だ。ノートPCだと難しいが、デスクトップPCであれば、CPUやビデオカード、電源ユニットなどをアップグレードしやすい。
今回紹介するサイコムのBTO PC「Radiant VX3500B650AG」は、CPUに強力な内蔵GPUを採用するRyzen 8000Gシリーズが選べ、ビデオカードなしでもある程度ゲームが快適に遊べる。将来のアップグレードを見越して、必要最小限のスタートを切るPCとしてオススメしたいモデルだ。
Ryzen 8000Gシリーズは2024年2月に発売したばかりの最新APU。CPU内蔵GPUながら、メモリー構成やタイトルによってはGeForce GTX 1650に匹敵する性能を備える。このCPUを選んだ時点で、性能的にはエントリークラスのビデオカードが付属してきたと考えていい。
標準構成で13万円台と安価なので、なるべく予算を抑えたい人はもちろん、本格ゲーミングPCは躊躇してしまうという人にもオススメできる。今回はCPUを「Ryzen 7 8700G」、OSを「Windows 11 Home 64bit」に変更した試用機材で、その実力をチェックした。
Radiant VX3500B650AG | ||
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標準構成の主なスペック | 試用機の主なスペック | |
CPU | AMD「Ryzen 5 8600G」(6コア/12スレッド、最大5GHz) | AMD「Ryzen 7 8700G」(8コア/16スレッド、最大5.1GHz) |
CPU クーラー |
AMD純正 Wraith CPUクーラー(空冷、トップフロー) | |
マザーボード | ASRock「B650M Pro RS」(AMD B650、Micro-ATX) | |
メモリー | 8GB×2、DDR5-4800<メジャーチップ・JEDEC準拠品> | |
ストレージ | Crucial「BX500 CT500BX500SSD1」 (500GB 2.5インチSSD、SATA 3.0) |
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光学ドライブ | ASUS「DRW-24D5MT」(DVDスーパーマルチ) | |
ビデオカード | オンボードグラフィック (CPU内蔵GPU:Radeon 760M) |
オンボードグラフィック (CPU内蔵GPU:Radeon 780M) |
電源 ユニット |
SilverStone「SST-ET550-B」(550W、80 PLUS BRONZE) | |
PCケース | Fractal Design「CORE 1550S Black [サイコムオリジナル仕様]」(Micro-ATX、ミニタワー) | |
OS | Microsoft「Windows 10 Home 64bit」 | Microsoft「Windows 11 Home 64bit」 |
直販価格 | 13万5620円~ | 15万7530円 |