街がそのまま無料の美術館な「有楽町ウィンドウギャラリー」に行ってきた!
駅チカに静嘉堂文庫美術館や東京ステーションギャラリーなどの美術館があり、さらに丸の内仲通りを中心に街中にアート作品が点在する丸の内ストリートギャラリーがあるなど、アートな街・丸の内。そんな丸の内では今、ますますアートが楽しめちゃうんです。なぜなら、「有楽町ウィンドウギャラリー2024」が開催されているから!
期間中は丸の内仲通りの商業店舗にアートが飾られていて、買い物をしながらアート鑑賞ができるんです。そんな「有楽町ウィンドウギャラリー2024」のプレスツアーに参加してきましたので、早速ご紹介します!
サステナブルなシューズブランド店にアップサイクルアート登場
まずご紹介するのは、こちらの作品。
この作品、何からできているかわかりますか? 実は靴を裂いたものが素材の一部として使用されているのです。よく見ると、シューレースや、シューレースを通す穴など、靴の一部が見えてきます。
作品が展示されているのは、「Allbirds」というシューズブランドの店内。Allbirdsは可能な限り天然素材やリサイクル素材を使用したり、クリーンなエネルギーを使用したりといった取り組みを行うサステナブルなシューズブランド。しかし、サンプル品や返品などで、どうしても廃棄予定のシューズが出てしまうため、今回はそういったシューズが作品として生まれ変わっているのです。
ツアーには、この作品の作者である、河本蓮大朗さんも登場。河本さんは日頃から古布や古着などを素材として使用し、織機を使って新たな布へ再構築しているとのこと。Allbirdsの理念にも共感し、今回の作品が生まれたそうです。
大理石と木を使った、心が落ち着く静かな彫刻
続いてご紹介するのは、杉山功さんの彫刻作品。今回のツアーで、私が特に好き!と思った作品です。
杉山さんの作品は、大理石と木を使用した彫刻。大理石は静かで冷たい印象も受けますが、一緒に木が使用されていることで温かみも感じられる作品になっています。また、シンプルに形作られた家のモチーフには可愛らしさも感じました。自然の素材の質感が活かされた作品でもあります。
こちらの作品が展示されているのは、「Gente di Mare」。イタリアのブランドを主に扱うセレクトショップで、杉山さんはイタリア・ミラノで作品制作を行っているという共通点もあります。お店の雰囲気ともナチュラルに調和していました。
心が温まる色鮮やかな絵画
続いてご紹介するのは、キャラメルの専門店「NUMBER SUGAR」に展示されている、山本万菜さんの作品。
鮮やかな色合いは、見ているだけで心がうきうきと高まって来るような雰囲気を持っています。作者の山本さんは、「NUMBER SUGAR」のパッケージのアートワークなども手掛けているので、もちろんお店の雰囲気にもぴったりの作品です。
山本さんはツアーにも参加。この作品の制作を始めたのは、年が明けてからだそう。「今年は災害や心を痛める出来事なども多く、どんな作品にするか悩みましたが、このウィンドウギャラリーに来て、心が晴れるようにという想いを込めて、華やかで鮮やかな作品を作りました」と話しました。
また、上の写真の下半分に写っている商品台の上には、お花の形のオブジェが飾られていますが、こちらも絵画と連動するように、今回制作されたもの。お店全体が山本さんの作品の世界観に包まれています。
まだまだ見どころ満載の有楽町ウィンドウギャラリー
いくつか作品をご紹介してきましたが、有楽町ウィンドウギャラリーの参加店舗は全部で8店舗。まだまだ素敵な作品が展示されています。
フラワーショップ「bois de gui」では、浅野友理子さんの作品が展示されています。
ツアーには浅野さんも参加。浅野さんは土地の食文化や植物の利用方法を学ぶために様々な土地を訪ねていて、そこで得た知識や経験をもとに作品を生み出しているそうです。
「一保堂茶舗」に展示されているのはステファニー・クエールさんの作品。クエールさんはイギリスのマン島に生まれ育ち、現在もマン島の農場で働きながら作品制作をしています。粘土で作られた等身大の動物たちは、今にも動き出しそうな存在感を放っています。
「Paraboot」に展示されているのは、佐藤翠さんの鮮やかな色彩の作品。店内を華やかに彩る作品は、新生活に向けて靴を買いに来た人達の心を躍らせてくれそうです。
シューズをはじめとする革製品を扱う「THE LAKOTA HOUSE」には、篠崎裕美子さんの陶器とガラスを使った立体作品が展示されています。リサイクルショップで購入した壺に、既製品のおもちゃを型取りしたものと色を付けたガラスを組み合わせたユニークな作品です。観れば観るほど発見があって、飽きさせない作品になっています。
ツアーでは見ることができませんでしたが、レストラン「TexturA(テクストゥーラ)」には、玉山拓郎さんの作品が展示されています。こちらの鑑賞には飲食の利用が必要なので、今度ぜひ食事とともに玉山さんの作品を楽しんでみようと思います。
集めたくなる可愛い作品カードも配布中!
作品が展示されている各ショップには、作品がプリントされたカードも置かれています。裏面には、作品や作家の詳細が書かれたページにとべるQRコードもついていますので、お見逃しなく!
有楽町ウィンドウギャラリーの開催は3月24日まで。また観たくなる作品ばかりだったので、期間中、何度も訪れてしまいそうです!
有楽町ウィンドウギャラリー2024
会期:2024年3月1日(金)~3月24日(日)
会場:丸の内仲通り沿いの商業店舗8軒
入場料:無料
ただし「TexturA」での作品鑑賞には店内飲食の利用が必要
参加店舗×アーティスト:
Shop No.1 Gente di Mare(ライフスタイルショップ)×杉山功
Shop No.2 bois de gui(フラワーショップ)×浅野友理子
Shop No.3 一保堂茶舗(日本茶専門店)×Stephanie Quayle<ステファニー・クエール>
Shop No.4 allbirds(シューズショップ)×河本蓮大朗
Shop No.5 NUMBER SUGAR(キャラメル専門店)×山本万菜
Shop No.6 Paraboot(シューズショップ)×佐藤翠
Shop No.7 THE LAKOTA HOUSE(シューズショップ)×篠崎裕美子
Shop No.8 TextulA(中華・スペイン料理レストラン)×玉山拓郎
文 / オシミリン(LoveWalker編集部)
大阪生まれ。
趣味は読書と写真を撮ること、おいしいものを食べておいしいお酒を飲むこと。
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