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最前線で活動を行うサイボウズの災害支援チーム

能登半島地震におけるkintoneによる支援 被災事業者に対しても無償提供 

2024年02月14日 10時00分更新

文● 福澤陽介/TECH.ASCII.jp

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 サイボウズは、2024年2月13日、過去の災害支援や今回の能登半島地震の対応についてメディアへの情報提供を行なった。能登半島地震については「災害支援チーム」を中心としたメンバーを派遣、ノーコード・ローコードのITツール「kintone」などを利用した支援を展開している。

 サイボウズは、2016年に発生した熊本地震の支援で初めてkintoneを投入し、ボランティアの参加予約システムや問い合わせ管理システムを構築。2020年には、国内外で災害が発生した際に、被災地におけるIT支援を行なう「災害支援チーム」を結成。複数の社協とは災害支援協定も締結しており、2021年の静岡県熱海市の土砂災害における、迅速な情報発信サイトの立ち上げに繋がっている(関連記事:kintoneはなぜ災害現場で役立つのか? サイボウズが語る災害支援の10年史)。

 そして、能登半島地震後、2024年1月3日には、同社、災害支援チームリーダー宛に、内閣府特命担当大臣よりIT支援要請が入った。以降、同チームは、自衛隊と連携しながら、災害関連情報の集約や整理、発信などを支援している。たとえば、自衛隊と連携した避難所把握システムや介護職員の派遣調整システムなど構築しているという。

 また、サイボウズは、同社の各サービスを期間限定で無償利用できる「災害支援ライセンス」を提供している。被災地の各自治体や地場の企業からは、同ライセンスを導入して、情報集約やマッチング、進捗管理などを行いたいという要請が増えているといい、同社は、パートナー企業を含む13を超える企業・団体の協力を得ながら、順次、構築支援などの対応を実施している。

 現場で災害支援活動を行なう、災害支援チームの発起人でリーダーを務めるサイボウズの柴田哲史氏は、「今回の災害では、県や各支援団体が収集した情報の連携がとても重要であるものの、避難所や被災者の状況把握においてもそれが十分にできていないということが明らかになりました。これを教訓に、行政や各支援団体は、災害時の情報フローを再確認し、データ連携の仕組みや関係づくりを日頃から想定し準備しておくことがとても大切です」とコメントする。

 また、被災者でありながら、災害支援の最前線に立つ、同社の野水克也氏は、「被災地の諸問題を解決し、復興の道筋をつくるには支援者と被災者をさまざまな形で結ぶチームワークが不可欠です。現地に入ることができる人数が制限される状況でも、ぜひ多くの方々にこの復興に関心を持って、見守っていただきたいと思います」と述べている。

サイボウズ 柴田哲史氏(写真左)、野水克也氏(写真右)

 サイボウズ災害支援の活動の詳細については、公式ページで公開している。同ページでは、現在制作中の災害ボランティアセンター向けのkintone研修テキスト(2024年度版)の試し読みも可能で、事前アンケートも実施している。

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