Premium-Line B760FD-Mini/T/D5をレビュー
i7-14700&RTX 4070の静音グラボを内蔵する10.4Lの小型PCはWQHDでもゲームが快適
2024年01月28日 10時00分更新
サーマルスロットリングに入るものの……
Premium-Line B760FD-Mini/T/D5のCPUクーラーはNoctuaの「NH-L9i-17xx」。低背ながら冷却性能に定評があるものの、前世代から物理コアが増えたCore i7-14700を冷やしきれるのかは未知数だ。
そこで、まずは定番の「CINEBENCH R23」を試してみた。このベンチマークソフトは、CGレンダリング時間から性能を測るもの。全コアをフルに動かす高負荷テストがあり、熱検証にも向いている。
結果は全コアを使用するMulti Coreテストが26507pts、1スレッドだけ使用するSingle Coreテストが2083ptsだった。しかし、モニタリングツール「HWiNFO64 Pro」を使ってCPU温度を見てみると、実行直後から100度に到達し、サーマルスロットリングで動作クロックが下がっていた。
それもそのはず。電力制限設定となるPL1、PL2を確認してみると、ともに253Wだった。Core i7-14700のインテル推奨設定はPL1が65W、PL2が219Wなので、だいぶ盛られていることになる。
無論、サーマルスロットリングは入らないに越したことはない。静音PCであれば、PL1やPL2の値を適切に設定して熱をコントロールすべきだ。しかし、今回の試用機材では性能を重視して、サーマルスロットリングのペナルティーをくらってでも、なるべく高性能になるような設定に踏み切ったのだろう。
その根拠は「CPU Package Power」の値にある。観察してみると、最大で約230W、平均で120W台後半を維持していた。これはCore i7-14700の推奨設定値を大きく上回っていることになる。とはいえ、それでも温度が気になる人は、性能は下がることになるが、BIOSから推奨設定に戻してもいいかもしれない。
もっとも、CINEBENCHのように全コアに負荷がかかるソフトウェアばかりではない。ゲームをはじめ、数コアに負荷がかかる程度のソフトなら問題ないはずだ。なお、性能比較の参考に「CINEBENCH 2024」の結果も掲載しておく。スコアーの単位はR23版と同じく「pts」だが、テスト内容が異なるので比較できない点に注意してほしい。
ちなみに、CINEBENCH中の動作音は最大で40.2dBだった。暗騒音33.4dB、PC正面約60cmの位置で計測したわりに、だいぶ静かな印象。家電で例えると、冷蔵庫くらいの大きさで、日中昼間であればまず気にならないレベルだ。