Classiq Technologies Ltd.
量子ソフトウェアの開発企業であるClassiq Technologies(本社:イスラエル・テルアビブ、以下「Classiq」、URL: https://ja.classiq.io/ )は、2024年の年頭にあたり、日本担当ゼネラルマネージャーの田中晃より、以下に謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
明けましておめでとうございます。このたびの令和6年能登半島地震により被災された方々、そのご家族の方々に心よりお見舞い申し上げます。皆さまの生活の安全と、被災地の一日も早い復興を心よりお祈り申し上げます。
【2023年の振り返り】
2023年は、国際的にも国内的にも、量子技術業界が注目を集めた一年でした。日本政府は、AIや量子技術などの先端技術に関する国家戦略を策定し、諸外国との量子技術研究開発の新たな枠組みを発表しました。これにより、量子技術は国家的に重要な技術の一つとして確立しました。
量子ハードウェア分野は大きく進展しました。既存の量子コンピュータは100量子ビットを超え、2024年内には1,000量子ビットを超えるハードウェアも開発される見通しです。日本では3機の国産超電導量子コンピュータが稼働し、先駆的な企業や教育機関、研究所が量子コンピュータの開発に力を入れています。量子アルゴリズムや測定技術も、最適化を超えた応用分野での研究が進んでいます。しかし、量子コンピューティングの実用化にはまだ課題が多くあり、業界は実用的な用途の開発を模索しています。
Classiqにとって、2023年はグローバル市場でのプロダクト成長が続き、パートナーや顧客が増加しました。これに伴い、Go to Market戦略の強化とパートナー・顧客向けの組織体制を構築しました。日本では、東京オフィスを開設し、私が日本担当ゼネラルマネージャーに昨年11月に就任しました。Classiqは日本市場を戦略的に重視しており、昨年のQ2B23 Tokyoに、当社CEOのニール・ミネルビが来日、参加し、パートナー企業との連携を深め、日本の量子業界関係者との関係強化に努めました。
【2024年の見通しと当社の目標:量子技術の実現に向けた多様な取り組みの活性化】
2024年は、量子技術の発展が加速すると予想しています。特に、以下の分野で重要な進展を期待しています。
量子技術人材の育成と新産業の活性化:
2023年のChat GPTの普及を受けて、AIと量子技術の関連性が強調されました。2024年以降、量子技術はAIに匹敵する注目分野となることが予想されます。新たな資金と競争が業界に流入し、新産業やスタートアップの登場により量子技術人材の需要が高まると見込まれます。また、そうしたことを背景に、コンピュータサイエンス学部や情報工学科に量子コンピューティング関連のコースや学位を導入する大学が増えるでしょう。この機会を活かし、当社プラットフォームを駆使して市場での存在感を強化します。
QX(Quantum Transformation)への貢献:
ハードウェアの進化に伴い、量子コンピュータの実用化が現実味を帯びています。量子能力の開発に着手することは、企業にとって重要なステップです。当社は、量子変革(QX)に先行投資する企業やパートナーと協力し、様々なPoCと商的パートナーシップを通じて市場シェアの拡大を図ります。
量子技術の実用化に向けた取り組みの活性化:
本年度も、積極的にPoCをパートナー様と継続してまいりますが、ハードウェアの進歩により、量子アプリケーションの開発が進み、「ハイブリッド型」テクノロジーも登場しています。従来の技術システムとの融合により、新たな可能性が期待されるため、ハイブリッドアルゴリズムの開発と導入が大幅に増加することが予想されます。政府の支援と量子コンピュータの利用環境整備、ソフトウェア研究開発の進展により、量子ソフトウェアの重要性が再認識され、当社に新たな商機が生まれると考えています。また、当社とOxford Quantum Circuitsの提携のような量子ソフトウェアと量子ハードウェアを提供する企業間のパートナーシップは、量子エコシステムの発展にとって一層不可欠なものとなるでしょう。
量子分野の特許出願・出願公開が増加:
量子コンピューティングに関する特許出願の件数の増加が顕著であり、これは量子技術に対する商業的関心と投資が高まっていることを示しているといえます。出願件数の増加に比例して、特許の出願から1年半後にその内容が公開される特許が現れることで、量子ハードウェア分野の主要な事業者の戦略的方向性とイノベーションの優先順位についての洞察が得られるようになるでしょう。
多くの方が量子アプリ開発ソフトウェアを、研究者や専門家限定の複雑な分野と捉えがちですが、当社の目標は、量子ソフトウェアをよりハイレベルで使いやすくすることです。これにより、量子技術の潜在的可能性への理解を深め、技術へのアクセス障壁を下げることを目指しています。
また、Classiqおよび量子コンピュータが社会にどのように貢献できるか、その存在意義と価値を広めることにも注力いたします。本年も、皆様からの更なるご指導とご支援を心よりお待ちしております。今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。
2024年1月
Classiq Technologies
日本担当ゼネラルマネージャー 田中 晃
■Classiqについて
量子ソフトウェアのリーディングカンパニーであるClassiq Technologiesは、アルゴリズム設計から実行に至るまで、量子コンピューティングへのシングルエントリーポイントを持つ包括的なソフトウェアプラットフォーム(IDE、コンパイラ、OS)を提供しています。あらゆるレベルの開発者に対応し、顧客が量子コンピューティング革命を最大限に活用できるようなソフトウェアを提供することで、量子コンピューティングへのアクセスを民主化することを目指しています。量子プログラミングを自動化するローコード開発環境は、人口知能(AI)、機械学習(ML)、線形代数のバックグラウンドを持つ人々を含む幅広い人材が、量子コンピュータ・ハードウェアのプログラミングに関する深い専門知識が無くとも、量子コンピューティングの活用を可能とします。また、量子コンピュータ、ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)、量子シミュレータで使用するソフトウェアを提供する先進的な計算ハードウェアプロバイダーとも緊密に連携しています。ヒューレット・パッカード エンタープライズ(HPE)、HSBC、Samsung、インテーザ・サンパオロ、NTTといった強力な投資家に支えられ、Classiqの世界クラスの科学者・エンジニアチームの数十年の量子専門知識が、画期的なソフトウェア開発プラットフォームに活用されています。詳細は、LinkedIn( https://www.linkedin.com/company/classiq-technologies/ )、X(旧Twitter https://twitter.com/classiqtech )、YouTube( https://www.youtube.com/c/ClassiqTechnologies )でClassiqをフォローするか、ウェブサイト( https://ja.classiq.io/ )をご覧ください。