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末岡洋子の海外モバイルビジネス最新情勢 第331回

2023年は世界で5Gが主役になった年 世界の5G契約数は16億に

2023年12月30日 12時00分更新

文● 末岡洋子 編集● ASCII

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モバイルデータトラフィックの25%が5G

 予想に難くないが、世界のモバイルデータトラフィックは増加傾向にある。レポートによると、2023年第3四半期の世界のモバイルネットワークのデータトラフィック(月間)の合計は143EB(エクサバイト)。前年同期から33%増、前四半期(2023年第2四半期)からは7%の増加だ。

 増加の長期的要因は、スマートフォンの契約数の増加、動画などコンテンツの視聴増加という。

 FWA(Fixed Wireless Access)を除くモバイルデータトラフィックの合計は、2023年末に130EB、2029年には約3倍の403EBを見込む(ともに月間)。FWAを含んだ場合は、2023年末に160EBとなり、2029年には563EBを見込んでいる。2023年末時点で、動画トラフィックが73%を占めると推定している。

 通信方式別で見ると、5Gは2023年末に25%と予想する。これは2022年の15%から10ポイントの増加となる。この比率は2029年には76%に増えるという予想も出している。

 スマートフォン1台あたりの月間平均モバイルデータ使用量は21GB(2023年末)、2029年には56GBに達する予想だ。こちらも、前回(2023年6月版)の予想である20GBを上回っている。

 地域別に見ると、伸びが急激なのはインド/ネパール/ブータンで2023年31GBから2029年には75GBと2.4倍。日本が含まれる北東アジアは2023年末の21GBから2029年に64GBと予想している。なお、MM総研は日本の調査としてスマホ利用者の月間データ通信量の平均を10.33GBと発表している(https://www.m2ri.jp/release/detail.html?id=592)。

Ericsson Mobility Report

固定網の発達の前にスマホが一般化したせいか、インドでのトラフィックが一番高い

 5Gが主役になりつつある。2023年はその方向に向けてきちんと進んだ年と言える。

筆者紹介──末岡洋子

HarmonyOS 4

フリーランスライター。アットマーク・アイティの記者を経てフリーに。欧州のICT事情に明るく、モバイルのほかオープンソースやデジタル規制動向などもウォッチしている

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