名店の味は、カップ麺にしても、まぜそばにしても、やっぱりすごかった:
創業70年の老舗「大砲ラーメン」看板メニューの味を「まぜそば」にアレンジ! ラーメン好きも納得のバリ濃厚なカップ麺だった
2023年12月20日 16時00分更新
創業70年! 大砲ラーメンの看板メニューが「まぜそば」になった
「歴史」や「伝統」という言葉に、我々はつい惹かれてしまいます。なぜなら、それらは決して軽いものではないからです。多くの人たちが関わり、愛され、続いてきたからこそ、歴史や伝統は生まれるもの。
福岡県久留米市にある豚骨ラーメンの老舗店、「大砲ラーメン」をご存知でしょうか。1953年創業ですから、2023年に創業70周年。まさしく、歴史や伝統を積み上げてきたラーメン店なのです。
そして、同店と数多くのコラボカップ麺を発売しているのが明星食品。看板メニュー「昔ラーメン」を忠実に再現した「明星 大砲ラーメン 昔ラーメン こってりとんこつ味(旧 明星 大砲ラーメン 昔ラーメン)」は、2006年から販売している人気商品。こちらも、17年の歴史があります。
そんな歴史と伝統のあるタッグが、12月18日から全国で期間限定発売しているのが「明星 大砲ラーメン監修 昔ラーメン風まぜそば こってりとんこつ味」なのです。価格は339円(税別)。
大砲ラーメンの看板メニューである「昔ラーメン」の味を、まぜそばに初めてアレンジしたというのですから、ラーメン好きならずとも気になるところでしょう。
今回は、大砲ラーメンの歴史を振り返るとともに、「明星 大砲ラーメン監修 昔ラーメン風まぜそば こってりとんこつ味」を食べてみようというわけです。
大砲ラーメンが“名店”である理由
さて、「歴史を振り返る」と軽々しく言いましたが、筆者はラーメン業界についてはまだまだ知識の浅い人間です。やはり、詳しい人が語るほうが説得力があるというもの。
そこで、ラーメンの楽しみを知り尽くしたラーメンWalker編集部の松本に、「大砲ラーメンはなぜ名店なのか」を教えてもらいました。いったい、どのような魅力があるのでしょうか。
ラーメンWalker編集部員が語る! 「大砲ラーメンはなぜ名店なのか」
松本「3年続けば名店と呼ばれるほど競争が熾烈なラーメン界で、創業70周年を迎えた豚骨ラーメンの老舗、大砲ラーメン。福岡県で地元のソウルフードとして3世代に渡って愛され続けると同時に、全国のラーメンファンやラーメン店主からも熱烈な支持を集めています」
「代名詞は、なんといっても自慢の豚骨スープ。豚骨のみを使用し、強火で炊くことで骨の髄から旨味を濃縮。それを『呼び戻し』と呼ばれる製法で絶やすことなく70年継ぎ足し続けながら、自家製麺にも独自のアプローチで早くから取り組むなど、豚骨ラーメンの可能性を真摯に探求しているんです」
「そんなこだわりから生まれた豚骨ラーメンは、名実ともにラーメン史に刻まれる歴史的名作。大砲ラーメンは、今なおラーメン界を牽引し続けるバリバリ現役のトップランナーでもあり、まさに日本屈指のラーメン界のレジェンドとして、確固たる地位を築いているんですよ」
有名ラーメン店主の皆さんも創業70周年をお祝い!
そんな歴史のある大砲ラーメン。創業70周年ということで、なんと有名ラーメン店主からのお祝いコメントも届いています。有名ラーメン店の店主4人が、「大砲ラーメンのすごいところ」を語ってくれました。
同じ業界で活躍されているラーメン店主の皆さんのコメントから、大砲ラーメンが多くの人たちに愛され、リスペクトされている理由が見えてくるはずです。
■大久保茂雄/ラーメン海鳴
「私が初めて大砲ラーメンを食べたのは幼少期。当時、豚骨ラーメンなのに“複雑”な印象を受けました」
「その理由は、私が調理人になってわかった『呼び戻し』のスープ。開店当初から絶やさず空にしないスープ釜があり、毎日その釜に、別の釜でとった新しいスープを少しずつ継ぎ足しながら作る独自の技法、呼び戻し。その技法から生み出される豚骨の鮮度と、主張し過ぎない醤油感の秀逸すぎるバランスが、当時いい意味で“複雑”と感じたのだと、ラーメンを手掛けるプロとなり改めて認識した次第です」
「“久留米愛”が強く、熱い情熱を持った香月さんだから成し得た大砲ラーメンの歴史に驚き、尊敬しております。70周年、誠におめでとうございます!」
■宮田朋幸/百麺
「30年近く豚骨ラーメンをやらせてもらってきて、百麺は『臭い、旨い』と言われ、創業当時は近隣住民から匂いに対してのクレームが多く苦労していました」
「しかし、福岡に遊びに行った時、大砲ラーメンの匂いの強烈さに『これが本場か!』と衝撃を受けたことをよく覚えています」
「また、あの匂いが普通に街に溶け込んでいるという、豚骨の本場ならではの懐の大きさを羨ましく思っています」
「これからもパンチのある匂いと美味しいラーメンで末長く愛されるお店であり続けてください! 70周年本当におめでとうございます!」
■蓮沼司/我武者羅
「皆さんは、ソウルフードになるために要するとてつもない努力と時間を想像したことがありますか? 新潟ラーメンを東京で根付かせようと20年走り続けてきた自身の経験として、その大変さは骨の髄まで染みている。断言するが、“ソウルフードになる”なんて、ほぼ不可能だ。大砲ラーメンは、そんなソウルフードになっている」
「最大限のリスペクトを。70周年、本当におめでとうございます」
■佐野しおり/支那そばや
「私が久留米で運営していた美容サロンを通じ、香月社長と出会ってから早や20年。亡き主人、佐野実との仲人を務めていただくなど、家族ぐるみでお付き合いをさせてもらっています」
「当時うどん派だった私が唯一食べるラーメンが大砲ラーメンであり、スープの深み、味わいが他とは違う店主の想いがこもった、まさに珠玉の一杯。先代のラーメンを振る舞う背中に憧れ、お店に通い続けたことを思い出します」
「屋台からはじまり、今や九州を代表する豚骨ラーメンの老舗となった歩みが映画化されるほど、地元で愛され続ける大砲ラーメンはやっぱりすごい!」
「代々続くお店に心より敬意を表し、お祝い申し上げます」
伝統の味をまぜそばで再現
食べごたえのある濃厚感がやみつきになる!
ラーメンWalker編集部員も熱を込めて語る店舗の歴史。多くの有名ラーメン店主が語る「すごさ」。これまでの流れで、大砲ラーメンがいかに歴史のあるラーメン店なのか、業界からどれほどリスペクトを集めているのか、ご理解いただけたかと思います。
それではさっそく、「明星 大砲ラーメン監修 昔ラーメン風まぜそば こってりとんこつ味」を賞味しましょう。
作り方は通常のカップ麺のまぜそばとそれほど変わりません。かやくを入れて、熱湯を注ぎ4分待ったらお湯を切り、液体ソース、あとのせかやく、ふりかけを入れて完成です。
まず、香りです。大砲ラーメンの店舗では強烈な豚骨の香りが有名ですが、こちらもかなり「豚骨」の香りがします。さすがは大砲ラーメンの名を冠するだけあり、プライドを感じますね。
そう、ポイントは豚骨。昔ラーメン特有のこってりしたとんこつスープを、豚骨と豚頭をじっくり炊き上げて作ったスープに、ローストした香ばしいラードを加えたタレを合わせたソースで再現しているのです。
それでいて、塩辛すぎない、「しょっぱすぎない」点が肝心だと思いました。豚骨のコクがあるので、ガツンとくるインパクトがありながら、食べ飽きない。この味の作り込みは、簡単なことではないですよ。
麺にも注目ですね。適度な弾力があり、食べごたえのある中太麺。そう、中太麺なんですよ。豚骨ラーメンといえば細麺という印象がありますが、ここではソースの濃厚さに負けないように、歯ごたえが楽しめる太さになっているんです。
大砲ラーメン監修ということで、単純にお店で出しているラーメンをそのまま、まぜそばにした……という感じではないのですね。さすがは大砲ラーメンと明星食品のタッグ。細かくアレンジを効かせつつ、店舗で出すラーメンの方向性からブレているわけではない。
あとのせかやくとして、昔ラーメンには欠かせない具材「カリカリ背脂(豚脂を揚げたもの)」があるのもうれしいですね。まぜそばの形になっても、伝統の味わいがしっかり息づいています。
そうそう、地味に、ふりかけもよくできている。地味なところかもしれないんですけど、ごま、紅生姜、きざみのり、赤唐辛子がちゃんと風味付けになっているんですよ。細かいところにも配慮されていると感じました。
というわけで、「明星 大砲ラーメン監修 昔ラーメン風まぜそば こってりとんこつ味」は、食べごたえのある濃厚感がやみつきになる一杯。筆者はかなりハマったわけですが……ここで、先ほど大砲ラーメンの歴史を説明してくれた、ラーメンWalker編集部・松本が再び登場します。
なんでも、大砲ラーメンの看板メニューを「まぜそば」としてアレンジしたカップ麺についても、ラーメン好きとして黙っていられなかったそうで……。店舗だけでなく、多くのカップ麺も食している松本から、「明星 大砲ラーメン監修 昔ラーメン風まぜそば こってりとんこつ味」の評価を聞いてみましょう。
せっかくだからカップ麺のことも語らせてくれ!
ラーメンWalker編集部員の魂のレビュー
松本「熱湯を注ぎ4分後、湯切りをして、見るからにおいしそうなツヤツヤした中太麺に液体ソースをかけて絡めた瞬間、部屋中に立ち込める強烈な豚骨の香り! 九州出身(熊本)の私は『これだよ、これ』と高まるテンションを抑えきれませんでした。あとのせかやくと、ふりかけを急いでかけて、まずは一口」
「ファーストインパクトは、こってりとした豚骨の旨味とラードの風味! 香りでハードルが上がっていたにも関わらず、本場へトリップしたような錯覚を呼び起こすほど濃厚な仕上がり!」
「まぜそば仕様の中太麺は大砲ラーメンのパツパツした細麺とは異なり、モッチモチな食感で食べ応え満点! 液体ソースと絡み合って箸が止まりません(比喩ではなく、本当に止まらなかった!)」
「大砲ラーメンならではの具材『カリカリ背脂』などにも、職人の熱い想いが投影されているように感じました。大砲ラーメンイズムとも呼ぶべきものが凝縮された一杯でしょう!」
「あっという間に完食。しみじみと思ったのは、ぜひ一度食べていただきたいということ。70年続く名店の味は、カップ麺にしても、まぜそばにしても、やっぱりすごかったです!」
ラーメン愛好家から新しもの好きまで
見逃せないカップ麺がここに登場した!
「明星 大砲ラーメン監修 昔ラーメン風まぜそば こってりとんこつ味」を、お店の歴史を踏まえながら紹介してきました。「お店の看板メニューのラーメンじゃなくて、まぜそばなの?」と思った人もいるかもしれません。しかし、食べてみれば、随所にこだわりが感じられます。
九州の出身ではない筆者も、「バリ濃厚!」と言いたくなるような味わい。濃厚なコクを感じさせながら、まぜそばであることを考慮した中太麺、しっかりした風味付けをしているふりかけなど、細部まで妥協のない完成度に惚れ込んでしまいました。
大砲ラーメンの伝統の味をまぜそばに落とし込んだ、実に魅力的なカップ麺。ラーメン愛好家ならチェックして損のない商品になっています。また、コンビニやスーパーの新商品などが気になるユーザーにとっても、新しいカップ麺として高いクオリティーを持っている本商品は見逃せないでしょう。
多くの人たちに愛されている大砲ラーメン監修の新商品、ダテじゃない仕上がりでした。ぜひ、味わってください。現場からは以上です。