G-Master Velox II Intel Editionレビュー
鉄板ゲーミングPCをRTX 4060 Tiの超静音グラボ&14600Kのちょいカスタムで超鉄板化
2023年11月30日 10時00分更新
Silent Master Graphicsの恐るべき静音性
ここからは静音性の検証に移ろう。深夜の室内という環境だが、騒音計を使って測ってみた。PCの電源を入れていない時の暗騒音は約32.8dB。電源を入れ、5分以上経ったときのアイドル時は約34.9dBだった。なお、動作音はPCの正面、約40cmの距離から測っている。
CPUクーラーの動作音はベンチマークソフト「CINEBENCH R23」実行時に計測。CPUの全コアに負荷をかけた時は最大約39.7dBで、体感的には冷蔵庫と同程度くらい。そこまでうるさくはないが、PCに高負荷がかかっているなと音で判断できるくらいの大きさだった。
次は、ビデオカードの動作音をチェック。負荷は「MSI Kombustor」でかけた。デフォルト設定(フルHD)のストレステスト中(開始から約10分後)に測ってみた。こちらはあまりCPUに負荷がかからないため、ビデオカード単体動作時に近い動作音となる。
結果は36dBと予想外に低く、アイドル時よりも多少音が聞こえるといった程度。CPUクーラーと比べればかなり静かで、これならゲーム中の動作音はかなり抑えられそうだという感触だ。
とはいえ、いくら動作音が小さくてもGPUの温度が高くなって性能が落ちたら意味がない。確認してみると、負荷をかけている約10分間のGPU温度は最大でも69.4度。これなら性能が落ちる心配はない。Silent Master Graphicsの実力は本物だ。
実際のゲーム寄りのベンチマークソフトも試してみよう。定番の「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク」(以下、FF15ベンチマーク)を使い、画質はプリセットの最大、解像度はフルHDで実行した時の最大値を測ってみた。
こちらは約37.9dBと、CPU負荷が高めのベンチマークのためか、MSI Kombustor実行時よりも大きくなった。とはいえ、音楽を鳴らしていればまず気にならないレベルだ。
さすがに静音PCと比べれば全体の動作音は大きくなる。しかし、コスパ重視のG-Master Velox II Intel Editionでも、ビデオカードをSilent Master Graphicsにするだけで、ここまで静かになることに驚いた。
定番ベンチマークで性能をチェック
ここからは定番ベンチマークソフトを用い、性能をチェックしていこう。まずはCINEBENCH R23でCPU性能を調べてみた。このベンチマークソフトは、CGレンダリング速度からCPU性能を測ってくれるもの。
結果は「pts」という単位のスコアーで表示され、このスコアーが高ければ高いほど高性能となる。なお、テストは全コアを使用するMulti Coreと、1コアだけ使うSingle Coreの2種類となる。
結果はMulti Coreが21903ptsで、Single Coreが2089pts。Core i5-14600Kの性能としては、電力設定がインテル標準の値(PL1:125W、PL2:181W)なので妥当なところ。
ちなみに、CPU温度は75度前後とまだ余裕があるため、PL1の値を140~150Wくらいに上げても十分耐えられるだろう。ただし、温度が上がれば動作音が大きくなってしまう。個人的には、静音性もG-Master Velox II Intel Editionの魅力だと感じているので、125W設定のまま使うことをオススメしたい。
新しいバージョンの「CINEBENCH 2024」の結果も載せておこう。テストの結果はGPUが11894pts、Multi Coreが1083pts、Single Coreが122pts。こちらは比較対象となるデータがまだ少ないので、別のPCと性能を比べたい時の参考にしてほしい。
続いて、「PCMark 10」も試してみよう。このベンチマークソフトは、ブラウザーやオフィスソフトの利用といった複数の作業を行ってスコアー化してくれるもの。幅広い用途をテストしてくれるため、PCの総合的な性能がわかる。
また、結果は総合スコアーだけではなく、ブラウザーやビデオ会議などの「Essentials」、主にオフィスソフトを扱う「Productivity」、動画や写真編集の「Digital Content Creation」というサブスコアーもチェックできる。
総合スコアーは8073と、ミドルクラスのゲーミングPCらしい成績だ。3つのサブスコアーはバランスが良く、オールマイティーに使えるPCと言える。