Silent-Master NEO Z790 Mini/D4をレビュー
超静音仕様のRTX 4060 Ti搭載グラボ&14700KFのゲーミングPCは夜中でも気兼ねなし
2023年11月23日 11時00分更新
WQHDゲーミングが余裕の3D描画性能
ゲームで需要になる3D描画性能は「3DMark」でチェック。同ベンチマークソフトには、軽量なものからレイトレーシングなどを使った重量級まで、多くのテストがある。まずは最も重たい「Speed Way」から見ていこう。
これはリアルタイムのグローバルイルミネーションやレイトレーシングなどを使用する、DirectX 12 Ultimateに対応するテスト。GPUの負荷が非常に高いため、CPUよりもビデオカードの性能がスコアーに大きく反映される。
結果は3181スコアー。過去のデータと見比べてみると、GeForce RTX 4060 Ti搭載機では3100台前半が多く、平均よりもわずかだが上となっていた。GPUへ高負荷がかかるテストでも、しっかりスコアーが出せているあたり、Silent Master Graphicsの素性の良さがわかる。
Speed Way以外のテストの結果もまとめておいたので、性能比較時の参考にしてほしい。
もう少し実際のゲームに近いベンチマークテストで、「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク」(以下、FF14ベンチマーク)と、「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク」(以下、FF15ベンチマーク)も試してみよう。前者はMMORPGで軽量級のゲーム、後者はアクションRPGで重量級のゲームの公式ベンチマークだ。
GeForce RTX 4060 TiはWQHD(2560×1440ドット)がターゲットのミドルクラスGPUとなる。そのため、どちらも解像度をWQHDに設定し、画質はプリセットの最大、フルスクリーン表示で試してみた。
FF14ベンチマークのスコアーは20110。評価は「非常に快適」と最高の結果だ。レポート出力機能でフレームレートをチェックしてみると、平均フレームレートが約136fps、最低フレームレートは83fps。かなり余裕があることがわかる。
では、4K(3840×2160ドット)でも快適に遊べるかというと、そこは微妙なライン。スコアーは9186で評価は「快適」だったが、平均フレームレートが約63fpsで、最低フレームレートは43fps。シーンによっては物足りないこともあるだろう。
といっても、プレイに大きく影響するほどではないので、画質を優先したい人は4Kでもいいかもしれない。続いて、FF15ベンチマークの結果を見てみよう。
スコアーは9100で、評価は「とても快適」。WQHDであれば、重量級のゲームでも困らずに遊べるレベルにあると言って良さそうだ。ちなみに、4K設定時のスコアーは5252で評価は「やや快適」。
プレイはできるものの、素直にWQHDに落としたほうが安心して遊べるはずだ。ちなみに、フルHDまで落とすとスコアーは12628まで上昇し、評価は「非常に快適」と最高評価になった。
まとめ:深夜でも安心して稼働できる秀逸な静音ゲーミングPC
Silent Master Graphicsのおかげで、Silent-Master NEO Z790 Mini/D4は従来以上の静音性を手に入れた。電源ユニット以外のファンはすべてNoctuaになり、同社を支持するユーザーからも趣深い1台となっている。
もちろん、PL2動作時はサーマルスロットリングに引っかかる用途もある。しかし、PL1はインテル標準設定から引き上げられており、ことゲーミングにおいては何の不安もない。そして、その設定はサイコム特有の絶妙なバランス感で成り立っている。
アイドル時はもちろんだが、ゲームプレイ中でも動作音が小さく、夜中でも家族に気兼ねなく使える点が、本機の真骨頂。性能と静音性を両立したい人なら、きっと気に入ってくれるだろう。