ブース内の映像/音声をすべて「M4350シリーズ」スイッチに収容、AV over IPのメリットをアピール
サッカーの“あの”映像ゴール判定システムを再現!? Inter BEEネットギアブース
2023年11月16日 07時00分更新
千葉市の幕張メッセで開催されている放送/映像の総合展示イベント「Inter BEE 2023」(会期:2023年11月15~17日、主催:JEITA 電子情報技術産業協会)。ネットギアブースに用意されたサッカーフィールド風のスペースでは、4台のカメラ映像をリアルタイムに映像解析して“ゴール判定”を行うライブデモが披露され、来場者の注目を集めていた。
これは、映像と音声をIPネットワークで伝送するAV over IPのデモ展示だ。フィールドを多方向から映す4台のPTZカメラ映像、さらにデモンストレーターのマイク音声やPCからの演出音声(ホイッスル、歓声など)は、IPネットワーク経由で映像解析用PCやディスプレイ、パワードスピーカーに伝送されている。
ちなみに本物のサッカー国際大会でも、近年では映像解析による高精度なVAR(Video Assistant Referee)システムが採用されている。そこにもAV over IP技術が活用されており、このデモ展示はそれを簡易的に模したものだ。
これらすべてをつなぐシステムの中核となっていたのが、ネットギアProAVスイッチ「M4350シリーズ」の10Gポート搭載モデル「XSM4328CV」だ。ProAVスイッチシリーズは、映像/音声/照明などさまざまな種類のデータ伝送に対応する設定プロファイルを内蔵しており、グラフィカルなインタフェース(GUI)からポートごとにそれを選択するだけで、誰でも簡単に最適な設定ができるようになっている。
またPoE+給電にも対応しており、今回のデモではPTZカメラ、4Kエンコーダー/デコーダー、パワードスピーカーへの電源供給をLANケーブルで行っていた。
フィールド映像からのゴール判定システムは、イベントやエンターテインメント施設などでのテクノロジーを活用したインタラクティブなビジュアル表現に強みを持つメディアフロント・ジャパン、UNLIT INC.(アンリット)の2社が開発したものだ。
両社に話をうかがったところ、リアルタイムの映像解析処理は、ゲーミングPCクラスのPC 1台で行っているという。AV over IP(SDVoE)による映像伝送は遅延が少なく、解析処理でも扱いやすいとのこと。また、PoE給電によりカメラの設置も簡単で、AIによる映像解析技術も急速に進化していることから、「現在はセンサーを使っているようなケースでも、将来的にはカメラ+映像解析に切り替わるのでは」(UNLIT 土肥さん)と話した。
ネットギアブースのそのほかのコーナーも、Inter BEEに合わせて放送/映像関連の来場者向けに特化した内容となっている。
ProAVスイッチのM4350シリーズでは、SMPTE ST2110対応/アップリンク100G対応の最新上位モデルや、複数台のProAVスイッチをまとめて管理できるソフト「NETGEAR ENGAGE」が展示されている。
NETGEAR ENGAGEからは、ブース内に設置された複数のProAVスイッチの情報だけでなく、その各スイッチに接続されているデバイス群(PTZカメラ、4Kエンコーダー/デコーダー、ミキサーなど)の情報まで見える。ネットギアのProAVスイッチでネットワークを構成すると、ENGAGEで全体の情報を可視化することができ、さらに設定変更もまとめてできるようになるという。
また、5G SA/ミリ波対応の高速モバイルルーター「NIGHTHAWK M6 Pro」も展示されていた。クライアントデバイスの接続手段として、WiFi 6EだけでなくUSB Type-C(最大5Gbps)、マルチギガLAN(最大2.5Gbps)も備える同製品。たとえばPTZカメラに直接USB接続して、有線ネットワークが敷設されていない場所からでも高画質な映像伝送が可能になるとアピールしていた。