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山本 敦の「新選! オーディオレポート」 第18回

イヤホンで楽しむ360度立体音楽再生 アップルとボーズの最新モデルで聴き比べ

2023年11月10日 19時00分更新

文● 山本 敦 編集●飯島恵里子/ASCII

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Apple Musicの場合、ドルビーアトモスによる空間オーディオに対応する楽曲を再生するとプレーヤー画面に「Dolby Atmos」のロゴが表示されます

ふたつのイヤホンが採用する立体音楽再生技術とは

 一般的なステレオ(2チャンネル)録音の音源も、良質なハードウェアを組み合わせて聴けば立体的な音場感が得られます。

 一方、最近は「イマーシブオーディオ」や「空間オーディオ」「3Dオーディオ」など様々な呼ばれ方で話題を振りまく、没入型のオーディオエンターテインメントが台頭してきました。天井から、背後からサウンドが迫ってくるような、臨場感あふれる立体音楽再生を楽しむためには、スマホやイヤホンなどのハードウェアが立体音楽再生の技術に対応している必要があります。

 アップルのAirPods Proは米ドルビーラボラトリーズの立体音響技術であるドルビーアトモスによる「空間オーディオ」に対応しています。現在は多くのアップルのデバイスと、Beatsブランドのワイヤレスイヤホン・ヘッドホンで空間オーディオが楽しめます。

 ボーズには「Boseイマーシブオーディオ」という、独自の新しい立体音楽再生の技術があります。これに最も早く対応したワイヤレスイヤホンがQuietComfort Ultra Earbudsです。

立体サウンドにも違いが表れた

 AirPods Proで空間オーディオが楽しめるコンテンツはApple MusicやApple TV+などの配信サービスに揃っています。AirPods Proは様々なBluetoothオーディオに対応する機器と接続できますが、今のところiPhoneにiPad、Macなどアップルのデバイスと接続した時にだけ空間オーディオによる立体音楽再生が可能です。Android版のApple Musicアプリは、AirPods Proによる空間オーディオ再生をサポートしていません。

 対してボーズのQuietComfort Ultra Earbudsは、iPhoneにAndroidスマホ、パソコンなど様々なBluetoothオーディオに対応する機器に接続して立体音楽再生が楽しめます。「Boseイマーシブオーディオ」がイヤホン側の信号処理によってあらゆる音源を「立体化」する技術だからです。

Bose Musicアプリから「イマーシブオーディオ」を選択。「静止」がヘッドトラッキング機能がオンの状態。「移動」にすると音源の定位が固定されたまま立体音楽再生が楽しめます

 Apple Musicで配信されているOfficial髭男dismのアルバム「Editorial」から『I LOVE...』をiPhoneで再生してみます。AirPods Proの空間オーディオはサウンドのバランスに偏りがなく、音場がクリアに見晴らせます。まるでミュージシャンが歌い、演奏するステージに飛び込んでしまったような自然な没入感が味わえます。

 QuietComfort Ultra Earbudsの方はサウンドがより鮮やかで、音の輪郭線が太く描かれる印象を受けます。ボーカルや楽器の音像が前に力強く張り出してくるので、通常のステレオ再生の場合との「違い」は明らかに感じられると思います。

 それぞれのイヤホンによる立体音楽再生は聴き比べてみると違いが見えてきます。どちらの方が心地よく感じられるかは好みが分かれるところかもしれません。

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