ポートフォリオ・マネージャーのダニエル・セヴシック氏にインタビュー
紙巻きたばこからIQOSへ、PMJはどのように“煙のない社会”を作るのか
2023年10月30日 20時00分更新
フィリップ モリス インターナショナルは、2025年までに煙の出ない製品の売り上げを純売上高の50%以上にすることを目標に掲げている。2023年第3四半期の時点で36.2%を達成しているほか、フィリップ モリス ジャパンではすでに純売上高の75%を超え、日本のIQOSユーザーは2022年12月31日時点で約750万人を超えているという。
そして、「煙のない社会」を目指す同社のポートフォリオ・マネージャーに、新たにダニエル・セヴシック氏が就任した。ダニエル氏は来日後、マーケットリサーチを行なうグローバル企業に入社。調査の設計や実施、分析、レポート作りなどを経験したのちに、同社に入社。リサーチチームやブランドチームを経て、今のポートフォリオ・マネージャーに就任したという。
リサーチやデータ収集という業務を経験してきたダニエル氏は、ポートフォリオ・マネージャとしても20歳以上の喫煙者の気持ちを理解するということを大切だと考えているという。加えて、紙巻きたばこからIQOSへの切り替えを促進するために、今後も取り組みを実施していくという。
私自信もIQOSユーザーなので、同社の今後の動向は気になるところ。そこで今回は、ダニエル氏に直接色々と伺ってみることにした。
ベストなタイミングでの製品の投入を目指す
紙巻きたばこからの移行にも注力
──本日はよろしくお願いします。さっそくですが、ダニエルさんが就任された、ポートフォリオ・マネージャーというのは、どういったことをされる役職なのでしょうか。
ダニエル・セヴシック氏(以下、ダニエル氏):ポートフォリオ・マネージャーは、IQOSユーザーや、紙巻きたばこを継続的に使用する意思がある20歳以上の喫煙者の方にIQOSに切り替えていただくために、どのようなラインアップ・ポートフォリオをどのタイミングで投入していくかの戦略を考えるというのがメインとなります。IQOSユーザーや紙巻きたばこを吸っている方が、どのようなタイミング、どのような施策でIQOS、TEREA(テリア)、SENTIA(センティア)を市場に投入すれば興味を持っていただけるかを考えています。
──世界に比べて日本では加熱式たばこからIQOSに変えるユーザーが多いとのことですが、どういった理由があると思いますか
ダニエル氏:日本では、世界に比べて匂いや煙で周りの人に迷惑をかけたくないと思っている方が多いという印象です。IQOSは燃やすわけではなく加熱する製品のため、煙も灰も出ません。そのため、紙巻きたばこと比べた場合、周りに迷惑がかかりにくいというのは、理由の1つかもしれません。また、IQOSに移行したユーザーの方にお話しを伺うと、満足度の高い味わいを評価いただいている方が多いので、それも理由の1つかなと自負しています。
──ユーザーの満足度の高さは、やはり味わいが理由なんでしょうか
ダニエル氏:味わいもそうなのですが、デザインについても形や色合い、限定色の展開などにおいて高評価をいただいております。紙巻きたばこから切り替えた方ですと、「IQOS ILUMA PRIME」「IQOS ILUMA」のホルダーは持つところが細いので、持ち方は異なりますがあまり紙巻きと変わらない感覚でお使いいただけるという点もあるようです。また、「IQOS ILUMA ONE」は一体型のデバイスですが、こちらも連続でお使いいただけるのと、価格が比較的お手頃という点で、人気があります。
紙巻きたばこから移行を検討する人向けに「IQOS 14日間無料レンタルプログラム」も用意
──さきほど、日本では加熱式たばこへの移行が進んでいるという話題を取り上げましたが、それでもまだまだ紙巻きを吸っている方も多いです。そういった方にどうやって加熱式たばこに切り替えてもらおうとお考えですか?
ダニエル氏:おっしゃるとおり、2014年にIQOSが発売されてから切り替えていただける方はとても増えてきたのですが、まだまだ紙巻きたばこを継続して吸っている方もいらっしゃいます。やはり、そういった方々がどうしたら満足できる味わいを提供できるかというのを重視して、ポートフォリオを拡充していこうと考えています。また、最近では加熱式たばこしか使用できない加熱式たばこ専用室というのも増えてきています。そういった環境整備も含めて、切り替えを促進していければなと思います。
──紙巻きたばこを吸っている方は、IQOSがどんな味わいかを知らない人や、ILUMA以前のIQOSは試したけど以降に至らなかった方も少なくないと思います。そういった方向けの施策はありますか?
ダニエル氏:難しい課題だと考えています。全国のIQOSストアにてお試しいただけます。また、「IQOS 14日間無料レンタルプログラム」も実施しています。モニター用のたばこスティックのセットが選べるほか、返却時も送料無料ですので、ぜひお試しいただきたいです。また、レンタルしてそのままご購入いただくことも可能です。
──たばこスティックのセットが選べるのはうれしいですね。
ダニエル氏:それぞれ5箱入りのレギュラー、メンソール、フレーバー系メンソールの3種類のセットからお選びいただけます。普段吸われている紙巻きたばこの傾向に合わせてお選びいただければと思います。
──私含む、すでにIQOSユーザーにとってうれしい施策もありますか?
ダニエル氏:IQOSユーザーの方向けに、引き続き満足いただけたり、盛り上がったりする会員製品は継続して出していきますが、もう1つはIQOSデバイスを登録するとIQOSPHEREという会員特典プログラムをご利用いただけます。IQOSPHERE会員向けに特別なコンテンツを楽しめるように用意してありますし、IQOSPHERE会員限定のイベントも実施しています。こちらを利用いただければ、引き続きIQOSを使いながら満足いただけるコンテンツも楽しんでもらえると考えています。
──ユーザーさんの意見って、どうやって取り入れているのでしょうか
ダニエル氏:IQOSユーザーの方がオンラインでポストしたものを確認したり、直接お話を伺いに行くこともあります。加えて、フォーカスグループインタビューや調査も行なっているほか、IQOSの販売店やIQOSのイベント会場で直接お話を伺うこともあります。
──改善点が上がってきた場合、どのような対処をされるのでしょうか。
ダニエル氏:複数同じようなご意見をいただいた場合は、正式な調査をしたうえで、本当に問題ありそうだったら改善点として調べたり、改善策を練ったりします。
従来モデルで移行を諦めた人にも、IQOS ILUMAシリーズの技術の進化を知ってほしい
──今後IQOSに切り替えを検討している方に、お伝えしたいIQOSの魅力を教えてください。
ダニエル氏:やはり、紙巻きたばこと比べると、約95%の有害性成分を低減していることです。タバコだとニコチンが有毒と思ってらっしゃる方もまだまだ少なくないと思っています。そういった方に、喫煙関連疾患の主な原因は、燃焼した際に多く発生する有害性成分ということを、引き続きお伝えしていきたいです。
※実験用標準紙巻たばこ(3R4F)の煙と比較した場合における、種々の有害性成分(ニコチンは除く)の平均的な量の低減であって、リスクが95%低減されたことを意味するものではありません。
──ちなみに、IQOSに移行するとしたら、TEREAとSENTIAどちらがオススメですか?
ダニエル氏:まずは加熱式たばこと、IQOSの一番進化した体験を味わっていただきたいので、ぜひTEREAをオススメしたいです。SENTIAも満足感のあるシリーズという自負はあるんですけど、新しい味わいや、今まで体験したことがないであろう味わいはTEREAで先に発売しますので。
──確かに、何となく紙巻きたばこはなんとなく有害で、IQOSはそれがなんとなく低減されているというくらいしかご存知でない方も多いと思います。
ダニエル氏:加えて、ブレードを備えていた従来のIQOSから、現在のIQOS ILUMAシリーズは味わいや掃除がいらないという点やも含めて、格段に技術が向上しています。従来のIQOSから進化した点をご存じない方にも、ぜひ試していただきたいです。
──最後に、今後の展望を教えてください。
ダニエル氏:引き続き、煙のない社会という企業ビジョンを実現させるために、引き続きIQOSのポートフォリオの拡充や、紙巻きたばこから移行を検討している方も満足できる製品体験、IQOSユーザーが引き続き満足していただけるような体験と製品、サービスの提供を務めてまいります。
──ありがとうございました。
20歳未満の者の喫煙は、法律で禁じられています。加熱式たばこの煙(蒸気)は、発がん性物質や、依存性のあるニコチンが含まれるなど、あなたの健康への悪影響が否定できません。
望まない受動喫煙が生じないよう、野外や家庭でも周囲の状況に配慮することが、健康増進法上、義務付けられています。