TGS2023 GALLERIAブースステージイベントをレポート【前編】
「サクラ大戦」の広井王子氏が語る、eスポーツ青春映画『PLAY!~勝つとか負けるとかは、どーでもよくて~』誕生秘話
2023年10月27日 11時00分更新
ゲーミングパソコンブランド「GALLERIA(ガレリア)」は、9月21日から24日まで開催された「東京ゲームショウ2023」に、同社のゲーミングパソコンをズラリと展示したブース「GALLERIA BASE TOKYO GAME SHOW 2023」を出展。
GALLERIA BASE TOKYO GAME SHOW 2023では、GALLERIAのさまざまなゲーミングパソコンのラインアップで、多くのゲームタイトルが試遊できたほか(関連記事)、豪華ゲストを招いてのステージイベントも実施した。今回は、そのステージイベントについて、2回にわたってレポートする。
eスポーツを題材にした青春映画『PLAY!』トークショー実施
「サクラ大戦」シリーズの広井 王子氏が裏話を語る
9月21日に開催されたのが、GALLERIA(ガレリア)を企画製造販売するサードウェーブが制作した、eスポーツを題材にした青春映画『PLAY! ~勝つとか負けるとかは、どーでもよくて~』(以下、『PLAY!』)の完成記念スペシャルトークショーだ。
『PLAY!』は、徳島県の高専(高等専門学校)を舞台に、実在の男子学生をモデルに描いた青春映画。接点のなかった同じ学校の男子生徒3人が、eスポーツを通じて出会い、全国大会に挑む様子が描かれる。
また、実際に劇中でeスポーツタイトルロケットリーグが採用されているのも特徴。モチーフとなった全国高校eスポーツ選手権でも競技タイトルとして採用されているゲームだ。
キャストは、奥平大兼さん、鈴鹿央士さんがW主演を務める。監督は、「ロボコン」や「ホームレス中学生」などを手掛けた古厩智之氏が担当している。
トークショーには、『PLAY!』の企画/プロデュース 広井 王子氏、チーフプロデューサー 古賀 俊輔氏、MCにOooDa氏が登壇した。
広井氏は、『天外魔境シリーズ』「サクラ大戦シリーズ』『魔神英雄伝ワタルシリーズ』などを手掛けたマルチクリエイター。「10年ぶりぐらいの東京ゲームショウが、まさかゲームではなく映画の発表で来ることになるとは思いもよらなかったです」と挨拶した。
古賀氏は、Netflixドラマ『火花』『ナラタージュ』や、劇場版『火花』などを手掛けた映画プロデューサー。「インベーダーゲームにハマっていた時期があって、喫茶店でお茶飲みながら遊んでいましたので、ゲームショウは一般ユーザーに混ざって来ていました」と挨拶した。
『PLAY!』の発端は、サードウェーブ尾崎社長の青春時代の夢から始まる
ロケットリーグというゲームと映画の親和性とは?
まずは、MCのOooDa氏が「『PLAY!』はどんな映画ですか?」とシンプルに質問。
これに対し古賀氏は「目指したのは青春映画ですが、やっぱり新しいトライアルをしないと面白くない。eスポーツを題材にし、実話を基に映画的な脚色をすることで、“いかにeスポーツをモチーフとした青春映画にするか”というチャレンジさせていただきました。その入り口を、広井さんに手掛けていただきました」と説明。
広井氏は、「尾崎さん(サードウェーブ社長)と直接お話したんです」とコメント。
尾崎氏は広井氏に対して、高校生の時に仲間とコンビニの前で「いつか映画作ろうな」と約束したというエピソードを話したのだという。広井氏は「高校生の時の夢を、社長になってから叶えるって、ドラマがあるじゃないですか。こういったドラマがあるときは、何か作れるんですよ。僕も高校生のときに映画作りたいってなって思ったことがあります。その熱い情熱みたいなのを実現してみたいなと思ったのが発端です」と語った。
ただ、尾崎氏から「eスポーツを映画でやりたい」と聞いた広井氏は、悩んだという。それは、ゲームを映画の中で表現しても、絶対面白くないという予想があったからとのこと。「ゲームは、プレイしたほうが絶対に面白い」と思っており、最初はゲーム画面を出さずに、青春映画として手掛けようとしていたそうだ。
しかし、ロケットリーグというゲームを知り、広井氏は、「これはいける!」と思ったとのこと。理由は、自身でプレイしたときの操作の難しさと、3対3かつサッカーのようなルールで勝ち負けがはっきりしているため、eスポーツを知らない人でもわかりやすいからだという。
さらに、モデルとなった生徒さんたちのエピソードを聞いて、さらに「イケる!」となったそうだ。全国高校eスポーツ選手権に出るために、学校にチームメンバー募集のポスターを貼ったという。
この話を聞いた広井氏は「要は、ゲームには力がある、何か傷ついたり人とうまくいかなかったりという、色々なトラブルを心に抱えていても、ゲームを通じて外に出ることができるじゃない。それは勝つとか負けるとかじゃないのよ! 仲間と一緒に何かに夢中になることはすごく大事なのよ。これは映画になる! と思って、プロットを書きました」と熱く語った。