さいたま市は何の街? “スイーツ”の街でしょうッ!! 「さいたまスイーツビュッフェ 2023」に行ってきた
提供: さいたま市 経済局 商工観光部 商業振興課
さいたま市の人気スイーツが勢ぞろいするイベント
埼玉県・さいたま市。ケーキ、プリン、ようかん……さまざまなスイーツの消費額が多い、日本有数のスイーツ大好きな街。洋菓子・和菓子を問わず、スイーツの名店も多いのです。
さいたま市に多いのはパティスリーや和菓子店だけではありません。東北自動車道、東京外郭環状自動車道、首都高速道路などが都心と直結しています。また、新幹線の6路線が集結することもあり、東日本における交通の重要なポイントでもあります。そのため、全国的に有名な菓子を製造する工場などが多いのも特徴。
それもあってか、さいたま市は、菓子類の消費額が高い街でもあります。旧浦和市の時代には、総務省統計局による家計調査で1世帯あたりの年間ケーキ消費額が全国都道府県庁所在地で1位。2017年から2019年の平均ではプリンの消費額でも1位になっています。
国内屈指のスイーツ好きが集まる街、さいたま市。そんなさいたま市内のスイーツ店が協力して、1つのブランドとして「大好き」を詰め込んだのが“さいたまスイーツ”なのです。
いったい、どんなスイーツがあるのでしょうか? どんなおいしさがあるのでしょうか? 百聞は“一食”にしかず。さいたまスイーツが味わえるイベント、「さいたまスイーツビュッフェ 2023」が、10月8日(日)に大宮ソニックシティで開催されました。
12種類のスイーツの中から、6つを選んで食べくらべるというビュッフェスタイルのイベントで、集まったスイーツ好きはおよそ100人。開催にあたっては、さいたま市の清水勇人市長もあいさつに訪れ、「さいたま市はパティスリーはもちろん、銘菓を作っている工場や会社などもたくさんある。そんな“さいたまスイーツ”をぜひ堪能してほしい」とコメントしました。
また、さいたま市立高等学校の生徒がスイーツの企画を行う事業「さいたまスイーツ応援プロジェクト」において企画し、スイーツ店の協力のもとで完成したスイーツも本イベントにおいて提供されました。
参加店舗一覧
「さいたまスイーツ応援プロジェクト」連携店舗
・パティスリーアプラノス
・パティスリーアンフィーユ2016
・パティスリーポルトボヌール
・ケルクショーズ洋菓子店
スイーツ提供店舗
・CAFE BISTRO LE VANT
・氷川の杜 YAKUMO
・GAKU BAKERY
・パウンドケーキ専門店 くみぱうんど
・ぷりん工房 檸檬堂。 / 檸檬堂 f
・善収庵 大こくや
・pâtisserie undétour
・七越製菓 本社売店
・Pâtisserie f(パティスリー エフ)
・手作りチーズケーキの店 ダンテ
学生の夢を形にした
「さいたまスイーツ応援プロジェクト」連携店舗
本イベントに参加するスイーツ店の中でも、「さいたまスイーツ応援プロジェクト」と連携し、学生が企画したスイーツを提供したのは 「パティスリーアプラノス」「パティスリーアンフィーユ2016」「パティスリーポルトボヌール」「ケルクショーズ洋菓子店」の4店舗。
「市立高校生創・さいたまスイーツ応援プロジェクト」として学生が企画したスイーツを、実際にシェフが作成し、イベントの参加者に提供されました。つまり、店舗で通常提供している商品ではなく、ここだけでしか食べられないオリジナルスイーツが、このビュッフェのために用意されたのです。
浦和南高等学校×パティスリーアプラノス
パティスリーアプラノスは、地元の卵やフルーツ、こだわりの産地のチョコレートなどを使ったスイーツを取り揃えるパティスリー。テレビ番組で紹介されたことから知った人も多く、さいたま市民だけでなく、都内からスイーツを買いに来る人も見られる人気店です。
浦和南高等学校の学生が企画して作られた提供スイーツは「秋の宝箱」。秋に食べるスイーツをコンセプトに作られた一品。中にはマスカットを使用。見た目も楽しいドーム状の飴細工は食感のコントラストにもなっています。フォークやスプーンを作って、飴をコツコツと割るおもしろさもありました。
ホテルのシェフパティシエなどの経験を持つパティスリーアプラノスの朝田晋平オーナーシェフは、学生が企画したスイーツに関して「なるべく学生のみなさんの考えを入れる。スタートは、自由な発想ですから。いかにその発想を現実的にするかがプロです」と語っていました。
参加した学生たちは、「イベントに参加したみなさんが『おいしそう』『おもしろかった』と言ってくださって、とても光栄でした」とコメントしていました。プロフェッショナルの技が、高校生の夢を叶えたスイーツになったといえますね。
大宮北高等学校×パティスリーアンフィーユ2016
パティスリーアンフィーユ2016は、多数のケーキや焼き菓子を取り揃えた、さいたま市見沼区のケーキ店。地元・さいたま市の食材はもちろん、厳選した素材の産地も明確にした安心・安全なスイーツにこだわっています。
大宮北高等学校の学生が企画して作られた提供スイーツは「アンブル・オ・ガトー」。「働いている人へのご褒美」をコンセプトに作られた一品です。キャラメルのソースやアーモンドなど、ほどよい甘さが疲れを癒やしてくれます。
「センチュリーハイアット 東京」(ハイアットリージェンシー東京)でアシスタントシェフ、「ホテル西洋銀座」でシェフパティシエを務めるなどの経験を持つパティスリーアンフィーユ2016の浦野義也シェフも、学生のアイデアには驚かされたと言います。
浦野シェフによれば、「学生からは、プロから見ると『えっ』と思う発想が出てくるんです。でも、それが彼らにとってはワクワクする想像なのでしょうね。それを実現することにはおもしろみがあります」とのこと。
スイーツ作りにあたって、「キャラメルの苦味、チョコレートの甘味を意識しました」と語っていた学生のみなさん。老舗で修行してきたシェフが、学生の“ワクワク”する想像力を形にした……そんなスイーツに仕上がっていました。
大宮国際中等教育学校×パティスリーポルトボヌール
パティスリーポルトボヌールは、フランスで修業を積んだ渡邉泰史シェフが北浦和にオープンしたケーキ店。フランス語で「幸せを運ぶ」を意味する店名にちなみ、幸せを運んでくるとされるてんとう虫がお店のシンボルです。
大宮国際中等教育学校の学生が企画して作られた提供スイーツは「BON」。さいたま市の伝統産業である盆栽をイメージした一品。見た目のすばらしさはもちろんのこと、オレンジや抹茶の風味を活かしたさわやかな味の仕上がりです。
スイーツ作りに情熱を燃やし続ける渡邉シェフは、学生と協力するプロジェクトに関しても、「学生たちのアイデアを具現化したい」と意気込んでしました。「今回提供するスイーツは、『うち(パティスリーポルトボヌール)の味』ではありません。どういうイメージがあるのかを聞いて、バランスを構成しながら作っていく。大変ですが、おもしろいアイデアがありますからね」と語ってくれました。
「盆栽美術館に行った経験があり、さいたま市は盆栽が有名なので、スイーツとして企画したらおもしろいと考えました」と話した学生の発想を、渡邉シェフが見事に形にしていました。
大宮国際中等教育学校×ケルクショーズ洋菓子店
さいたま市は浦和の老舗スイーツ店、ケルクショーズ洋菓子店。甘さ控えめで、素材の持ち味を生かしたスイーツは、世代を超えて多くの人に愛されています。Quelque Choseとはフランス語で「ちょっと価値のあるもの」という意味。その名の通り、日常をちょっと楽しくしてくれるスイーツが揃ったパティスリーです。
大宮国際中等教育学校の学生が企画して作られた提供スイーツは「トレジャープリン」。アレルギーを持つ人にも味わってほしいという思いを形にした一品です。食べ進めると宝探しのようにさまざまな味わいが現れる、味覚と視覚で楽しめるスイーツ。
ケルクショーズ洋菓子店の田中邦哉シェフは、「たとえば誕生日に、お子さんにケーキを出すとします。そこで『あのとき、ケルクショーズのケーキを食べたよね』と。そういう具合に、作ったスイーツが誰かの思い出になったら嬉しいです」とスイーツへの情熱を語ります。
今回は、学生が考えたスイーツを形にする立場となった田中シェフ。「若い人の発想を尊重したいです。自分がサンプルを作りすぎてしまうと、学生が気を使って『これでいいです』と遠慮してしまうかもしれない。そうではなくて、“手助け”として職人が携わるかたちにしたい」と目標を話していました。
学生との企画を「若い人たちに“食”に興味を持つきっかけになってくれれば」と語っていた田中シェフ。「アレルギーフリーというところにこだわりながら、バラエティのあるもの、個性のあるものを作りたいと思いました」という学生の若いアイデアを、4層を一度に食べる楽しさを持つスイーツとしてみごとに実現させていました。
まさにスイーツ天国! さいたま市の魅力的な味がここに……
提供されたスイーツを一挙に紹介
ここからは、「さいたまスイーツビュッフェ 2023」に参加した店舗、および提供されたスイーツを一挙にご紹介します。なお、「Pâtisserie f」と「手作りチーズケーキの店 ダンテ」は、おみやげスイーツの提供となりました。
CAFE BISTRO LE VANT
■提供スイーツ:チーズケーキ
武蔵浦和のレストラン、CAFE BISTRO LE VANT(カフェ ビストロ ル ヴァン)。「埼玉建産連研修センター」の中にお店を構えています。ジビエ料理やカレーなどの本格的な料理が、幅広い客層に支持されています。
提供したスイーツはチーズケーキ。濃厚な味のチーズケーキに、サクッとした食感の土台がアクセント。「ビュッフェスタイルだから、他のスイーツもたくさん食べられるように」という心遣いで、お店で出しているケーキをハーフサイズにカット。甘さと香りが調和した奥深い味わいは、多くの人を虜にしていました。
氷川の杜 YAKUMO
■提供スイーツ:ショートケーキ
氷川の杜 YAKUMOは、1979年に大宮でカフェとして創業し、現在は業務用のケーキ卸としてスイーツの製造・販売に携わる斎藤商事が運営している洋菓子店。
提供したスイーツはショートケーキ。手作り・手切りで仕立てられ、北海道産の小麦によるしっとりとしたスポンジも特徴。定番だからこそ、老舗の実力がよくわかる一品として、人気を博していました。
GAKU BAKERY
■提供スイーツ:アップルパイ
GAKU BAKERY(ガクベーカリー)は、東大宮にあるパン屋さん。北海道産の小麦やオーガニックフルーツ、旬の有機野菜などを使った安心・安全なパンにこだわったお店です。
提供したスイーツはアップルパイ。旬のリンゴを使った甘ずっぱい風味と、サクサクで軽やかなパイ生地は、素朴でありながら飽きのこない味わい。提供されていたコーヒーや紅茶と合わせて楽しんでいた人たちが目立ちました。
パウンドケーキ専門店 くみぱうんど
■提供スイーツ:国産レモンのパウンドケーキ
浦和にあるパウンドケーキ専門店、くみぱうんど。旬の素材を使った季節限定商品や、イベントに合わせたギフト商品も展開しています。
提供したスイーツは国産レモンのパウンドケーキ。噛みしめるごとに、レモンの香りが口いっぱいに広がるさわやかさが魅力。個包装されていたので、家での楽しみとして持ち帰る人もいたようです。
ぷりん工房 檸檬堂。 / 檸檬堂 f
■提供スイーツ:氷川参道の檸檬堂プリン
ぷりん工房 檸檬堂。は、大宮駅の東口にあるプチカフェ付きのプリン専門店。現在は改装中ですが、もうすぐ営業を再開するとのこと。同じく大宮駅の東口に、テイクアウト専門の「檸檬堂 f」が営業しています。
提供したスイーツは氷川参道の檸檬堂プリン。こだわりの素材だけで作られた味や香りもさることながら、なめらかな舌触りも特徴的。早い時間帯で無くなってしまい、「食べられなかったので、お店に行きたい」と話す人もいました。
善収庵 大こくや
■提供スイーツ:くずバー
与野本町駅東口高架下にある「善収庵 大こくや」は、創業から50年以上営業してきた老舗。開業は与野本町通りで、現在は駅高架下に移転しています。
提供したスイーツはくずバー。くず餅をアイスキャンディーにした、不思議なスイーツ。時間が経っても溶けず、食感の変化も楽しめます。最後のデザートとして食べる人も多く、家族連れの人からも好評でした。
pâtisserie undétour
■提供スイーツ:モンブラン
pâtisserie undétour(パティスリーアンデトゥール)は、埼玉の岩槻にあるケーキ店。岩槻の愛宕神社踏切そばにあり、駅からほど近い立地で気軽に入りやすい雰囲気です。
提供したスイーツはモンブラン。濃厚なマロンクリームと軽やかな生クリーム、底のサクサクとしたメレンゲの食感が、口の中で絶妙な甘さを伝えてくれます。定番でありながら、「これが一番好き!」という人も少なくありませんでした。
七越製菓 本社売店
■提供菓子:手揚げもち しお味/しょうゆ味
七越製菓はさいたま市中央区に本社を置く製菓会社。手作りの心を大切に、味と製法にこだわった米菓を作り続けています。
提供したお菓子は手揚げもち。ついつい止まらなくなる絶妙な塩加減から、手土産としても人気の商品。今回提供されたのは定番の「しょうゆ味」「しお味」の2種類。甘いスイーツの間に食べたくなるのか、お店の方も驚くほどの人気ぶりでした。
Pâtisserie f
■提供スイーツ:シトロンマドレーヌ/クマさんのキャラメルマドレーヌ
Pâtisserie f(パティスリー エフ)は、さいたま市見沼区にあるパティスリー。近くにある市民の森・見沼グリーンセンターでは、およそ300匹のシマリスが自然に近い形で放し飼いにされている「りすの家」があります。それにちなみ、店内はリスの人形やイラストなどで飾られ、トレードマークになっています。
提供したスイーツはシトロンマドレーヌとクマさんのキャラメルマドレーヌ。素材や製法にこだわった、シンプルながら飽きのこない味わいの焼き菓子。人に見せたくなるかわいらしい見た目にもシェフの技工が光ります。家族や友人へのプレゼントに渡したいと話す人もいました。
手作りチーズケーキの店 ダンテ
■提供スイーツ(おみやげ):チーズケーキのラスク
手作りチーズケーキの店 ダンテは、ノンホモジナイズド牛乳(生乳に含まれる脂肪球を小さくする工程を経ていない牛乳)を使った自然の味が特徴のチーズケーキで知られる老舗。
提供したスイーツはチーズケーキのラスク、お店の看板メニュー、ベイクドダンテを12時間かけて近赤外線ドライ製法で丸ごと乾燥させて作った、ほろっとした食感が人気。日持ちすることもあり、家族だけではなく職場に持っていく予定の人もいたようです。
さいたまスイーツをきっかけに
さいたま市、埼玉県そのものが発展していくかも
これまで見てきたように、さいたま市にはさまざまなお店、そしてスイーツがあります。その種類は豊富で、実店舗をたくさん回ろうとすると時間がかかるかもしれません。
それだけに、幅広い種類のスイーツを一度に楽しめるこの機会は、貴重なものと言えるでしょう。多くのお店の個性を知り、自分のお気に入りのスイーツを見つけられます。また、お腹がいっぱいになって今回は食べられなかったお店に、あらためて訪れるのもきっかけにもなったのではないでしょうか。
イベントに訪れた人からは、「いろいろな種類が食べられておもしろかった。おいしかったし、実店舗にもぜひ行ってみたい」「こういった機会があれば、多くの人に見てもらえると思うので、今後もやってほしい」と、さいたまスイーツに対する見識を深められたという感想が多く聞けました。
また、「自分はさいたま市に住んでいないので、知らないお店をたくさん知った。ゆくゆくはさいたま市だけでなく、埼玉県全体で盛り上がっていってほしい」「さいたまスイーツには、日本一をめざしてほしい」と、さいたま市、さらには埼玉県に対する応援の気持ちを語ってくれる人も。
参加した学生たちも、「自分たちが企画したスイーツを食べてもらうときは緊張しました。だけど、いろいろな人に選んでもらえてうれしかった」と話してくれました。スイーツ作りを通じて自分たちの想像が形になり、それが誰かの手に届くことの喜びを感じられたようです。
最後に、学生にさいたまスイーツに期待することを尋ねてみたところ、「さいたま市の魅力をもっとアピールできるようなスイーツを開発していけば、興味を持って盛り上げようと積極的に参加してくれる人が増えて、さいたま市も発展していくと思います」という、熱いメッセージを伝えていました。
さいたま市の奥深いスイーツの世界をぎゅっと集め、多くの人たちが楽しんだ今回のイベント。このような催しを契機に、さいたま市が全国へ“スイーツ”の街としてますます躍進していけば、日本中にスイーツ好きの輪が広がっていくことになりそうですね。