アマゾン独自の生成AIによる新機能「アレクサ、チャットしよう」
アマゾンは独自開発による生成AIを、Alexaに結び付けた新しいサービスもお披露目しています。米国先行で2024年から、Amazon Echoシリーズのすべてのスマートスピーカー、スマートディスプレイで使えるようになります。
サービスの特徴がイメージしやすいように簡略化して言うと「OpenAIのChatGPTみたいなチャット機能」です。名称はずばり「Alexa, let's chat」(アレクサ、チャットしよう)。Alexaを搭載するスマートデバイスと、音声で会話を交わしながら使えるところがアマゾン流です。
発表会ではアマゾン デバイス&サービス事業部 シニア・バイスプレジデントのデイブ・リンプ氏がステージに立ち「Alexa, let's chat」の実演を、大勢のジャーナリストの眼前で披露しました。その模様はAmazon Newsの公式YouTubeチャンネルに動画が公開されています。タイムラインの15分15秒前後です。
Amazon Alexaの新機能「Alexa, let's chat」を責任者が実演
Alexaが事前に覚えたリンプ氏が「応援するNFL(アメフト)のチーム」の成績や最近の調子について、まるでリンプ氏と旧知の仲のように会話を交わしています。
リンプ氏の方がアレクサに対するリクエストに詰まることなく、リズム良く話しかけられているからでもありますが、通常は必要になる「アレクサ」や「エコー」など、Alexaを呼び出すためのウェイクワードを都度リンプ氏が発声していません。AIによるチャット生成のほかに、Echoデバイスが内蔵するマイクやカメラなど複数のセンサーを駆使して集めた情報を解析して、ウェイクワードのいらないスムーズな会話を実現しているそうです。
リンプ氏は同じNFLのチームを応援する友だちを自宅に招いて、次の試合の日にバーベキュー大会を開くことを思いつきました。バーベキューに最適なサイドメニューをAlexaに聞き、試合の日のシアトルの天気を確認。Alexaが生成した「招待状メールの下書き」を自身のメールアドレスに送ってもらい(18分30秒前後)、無事にデモンストレーションが終了しました。
アマゾンは外部デベロッパのため、生成AIをベースにしたスキル開発のためのAPIも公開しています。発表会では米国のスタートアップ「splash(スプラッシュ)」による、生成AIで作曲が楽しめるアプリがAmazon Echo Showシリーズで楽しめるイメージを紹介しました。
アマゾンのリンプ氏は壇上で「いま話題を振りまくジェネレーティブAIを活用したサービスの中で、既にローンチしているものはビジネスユースやクリエイター向けのものが多い。アマゾンはユーザーのスマートホーム体験を豊かにするために、ジェネレーティブAIやLLM(大規模言語モデル)を含む様々なAIに関わるテクノロジーを育ててきた。2014年に誕生したAlexaは時間をかけて、ここまで成長を続けてきた。今後も最先端のAIテクノロジーを取り込みながら、Alexaをユーザーにとってスマートホームの最良のパートナーにしていきたい」と宣言しました。
私たちはまずひたすらに、サービスの日本語対応の時期が気になるばかりです。アマゾンがフルスロットルで頑張ってくれることを期待しましょう。