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業務を変えるkintoneユーザー事例 第201回

転記だらけだった事務処理の作業効率は20倍へ、さらに220倍へ

kintoneは最高の知育玩具! ちどり保育園のkintone導入を成功させた秘訣とは

2023年09月28日 09時00分更新

文● 柳谷智宣 編集●MOVIEW 清水

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20倍になった作業効率をさらに220倍へ そこにあの連携アプリ

 kintoneアカウントを園児数分契約して配布するのはコスト面で現実的ではなかった。そこで、ライトコースをスタンダードコースにアップグレードして、外部連携アプリを活用しようと考えた。そこで、サイボウズデイズ2022年に参加。「Chobiit for kintone」(ノベルワークス)に出会い、導入することとなった。決め手は使った分だけ請求される従量課金制だったそう。

 各家庭にログインIDとパスワードを発行し、ブラウザ上で園児情報を確認、修正できるようにした。ベースとなるデータも、すでに持っているCSVを読み込ませるだけなので、手間がかからない。

「Chobiit for kintone」で保護者が自分で園児情報を確認できるようにした

「園児情報システムで、正職員20名にお願いしていた作業を保護者220名以上に解放しました。元々私一人でやっていた作業を、保育士20名に頼むことで20倍の効率になって、今では効率220倍を達成しました」(吉岡氏)

 同時に、3つの悩みも解消した。保護者が毎年同じ書類を手書きで提出していたのが、いまはChobiitのデータを確認するだけで済む。保育士が提出された書類を見て違いをチェックする作業は、保護者が入力してくれるためゼロに。吉岡氏が書類を転記する作業も、ゼロになった。また、毎年園児のリストを作成するのに1ヵ月間くらいかけていたが、kintoneを導入することでいつでも出力できるようになった。

 アナログ業務だったところにITシステムを導入すると軋轢が生じることもあるが、特に保護者からは不満が出ていないという。「Chobiitで簡単に修正できるからいいですね」といった声が寄せられているそう。

「誰がどこを修正したのかがわかるので、作業者の見える化できて、属人化も解消しました。連絡作業も簡素化し、ペーパーレス化も実現できました」(吉岡氏)

kintone×Chobiitで三つの課題を解消できた

今後はAIの活用も視野に

 今後は3つの展開を考えているという。1つ目が給料・人事情報システムとの連携。2つ目がメールワイズと連携した緊急時のメール配信システムの構築。そして、3つ目がChatGPTをはじめとしたAIとkintoneの連携だ。kintoneに溜めた情報をChatGPTにまとめさせ、記録する仕組みを検討しているそう。

今後はkintoneとAIを組み合わせていくという

 kintoneが広まった現在は、みんながアプリに対して意見を出し、何気ない会話の中からいろんな機能が追加されるようになった。保育士から「こういうのkintoneでできませんかね」といった要望も寄せられるようになったそう。「今では、kintoneなしの保育園業務は考えられません」と吉岡氏。

「kintoneは何でもできますが、まずは慣れてもらうことが重要です。うちの保育園にもPCに不慣れな方がいらっしゃいますが、そういった方でも気軽に使えるアプリを作ることが重要だと思います。本当にkintoneって、パズルとかゲーム感覚でいろいろなアプリを作れます。kintoneは、論理的思考を高めてくれる最高の知育玩具だと思います」と吉岡氏は語ってくれた。

kintoneは最高の知育玩具だと吉岡氏

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