Xeon W-3400/W-2400対応マザーボード「Pro WS W790E-SAGE SE」をレビュー
メモリー2TB搭載可能のXeon向けモンスターマザーをXeon自作erと見ていく
2023年09月30日 11時00分更新
上品なデザインにXeon向けならではのスロット数
ワークステーション向けの製品というと、武骨で機能重視、意匠は最低限といったようなイメージもあるが、ASUSのPro WS W790E-SAGE SEは上品さを感じるデザインが印象的だ。
各ヒートシンクの形状、チップセットヒートシンク部分に施されたロゴなどシンプルでまとまりのあるデザインに、リアインターフェース部分のクリアカバーを配したデザインは、同社のクリエイター向けマザーボード「ProArt」シリーズに通じるところもある。
フォームファクターはSSI EEB。フットプリントが33(W)×30.5(D)cmで、当然ともいえるが一般的なATXのマザーボードなどと比べても大型になる。重量も2.8kgとかなり重い。背面も基板むき出しでなく、金属製のプレートで覆ってロゴまで配している。
Xeon プロセッサーならではの大型のLGA4677ソケットを挟むように配置されているメモリースロットは8基。一般的なマザーボードでは4基までがほとんどのため、これだけでも特殊性がわかる。
メモリーはデータバッファ用のレジスタを搭載するRDIMMメモリーに対応している。一般的な自作PC向けに使用されるUDIMMメモリーと比べて高価だが、より大量のメモリーを扱うことができる。そのため、本製品では最大2TBもの容量を搭載可能だ。
メモリークロックについては、DDR5-6800をサポートする。データエラーを検出して訂正するECCもサポートしており、メモリーエラーによるマシンダウンなどを防止できるため、24時間稼働するサーバーなどの用途としても有用だ。また、XMPによるメモリーオーバークロックも可能となっている。
続いて目を引くのは、一般向けのマザーボードでは見られない多数のPCI Expressスロットだろう。Pro WS W790E-SAGE SEには、全部で7基のPCI Express 5.0 x16スロットが搭載されている。
PCI Express 5.0のレーン数はXeon W-3400で最大112 レーン、W-2400でも最大64レーンサポートしている。一般向けのCore i9-13900Kが20レーンなので、ワークステーション向けはやはり一線を画す。
高性能のビデオカードを複数枚搭載することができるため、モデリングやレンダリングなど、専門性の高いデザイン業務などでも活躍できるというわけだ。
なお、複数のビデオカードを使用する場合は電力が足りなくなる場合もありうるが、Pro WS W790E-SAGE SEはそれを見越して、8ピン/6ピンの電源コネクター余剰に配備しているのがありがたい。
ストレージについては、PCI Express 5.0 x4を2つ、PCI Express 4.0 x4を1つで最大3つのM.2スロットを搭載している。すべてのスロットがType 22110に対応しているのは、ワークステーション向けSSDの特性を考えてのものだろう。同社のマザーボードで多く採用される「M.2 Q-Latch」も備えているので、ツールレスでM.2 SSDを固定できるのもうれしい。
ただ、Xeon W-3400はM.2のPCI Express 5.0 x4×2の接続に対応しているものの、Xeon W-2400は対応していないため、チップセットのPCI Express 4.0 x4のみになってしまう点は注意が必要だ。
その他のストレージ用としては、SATA3のコネクターを8基搭載しているのに加えて、PCI Express 4.0 x4のNVMe接続に対応したSlimSASスロットも2基搭載している。