いざ!炎天下の屋外へ
テストを実施したのは8月下旬の某日。場所は関東近郊の公園で時刻は12〜13時、気温31℃。天気はほぼ快晴で風は微風といったところ。絶好のテスト日和だ。
ピタファン Cityは「扇風機単体モード」と「扇風機+冷却プレートモード」の2モード仕様となっているため、テストもモードごとに実施する。
扇風機単体モードのテストでは、ピタファン City本体を筆者の顔から20〜30cm離して、弱・中・強の各段階の風量をテスト。扇風機+冷却プレートモードについては、熱中症の際に冷やすと良いとされている首筋に冷却プレートを当て使用感をチェックした。
あれ? 思ったほど風が来ないぞ(扇風機単体モード編)
●風量弱モードの場合
早速、扇風機単体モードのテストに入ろう。電源をオンにして、風量弱の状態からチェックを開始。結論はすぐに出た。弱モードでは顔まで風がほぼ届かないのだ。事前に室内でチェックした際はファンからの風を感じたのだが、屋外だと肌で感じられないレベルの僅かな自然風でもファンの風を遮ってしまうらしい。
結論(1)屋外では風量弱モードはあまり使えない
●風量中モード・強モードの場合
つづいて風量を中モードまで上げてみた。すると弱モードよりは少し風量が増えたのだが、ギリギリ肌まで届くという感じで、扇風機としては使えるかというと微妙なところだ。
結局、出力最大の強モードにしてやっと風が肌に当たる感覚をはっきり得ることができたが、こちらも強い風が肌にガンガン当たるというよりは、ふんわりとやさしい風が届くという感じだ。
強い風を望まないユーザーには良いかもしれないが、筆者としてはもう少し風量があっても良いと思う。
結論(2)強モードの風はやさしいが、風量に物足りなさを感じることもある。
冷却プレートはすぐにぬるくなってしまう(扇風機+冷却プレートモード編)
次はいよいよ扇風機+冷却プレートモードのテストだ。
本製品を扇風機単体モードで起動した後、グリップ上部にある星印の入ったスイッチを押すと冷却プレートが起動する。冷却完了までの所要時間は長くても10秒程度。最大で外気温に対して約17℃低い温度まで下がるため、今回のテスト環境(外気温31℃)の場合、プレート表面は推定14℃前後ということになる。
冷却が完了したことを確認して、プレート部を肌に当ててみた。当たった瞬間は確かに冷たさを感じる。だが「これは行ける!」と思った次の瞬間、そこにあったのはぬるくなった金属板だった。ここまで時間にして10秒弱。一瞬とは言わないが、かなり短く感じることは確かだ。
原因を推測してみたが、どうやら冷却プレートが小さすぎて、体温ですぐに暖まってしまうらしい。冷たさを取り戻すには一旦本体を肌から離して1〜2秒待つ必要があるため、結局、数秒間隔で肌に当てたり離したりを繰り返すことになる。
もう少し冷却プレートが大きければ結果は違ったかもしれないが、現状ではペルチェ素子の部分はオマケ程度と考えておいた方が良いだろう。残念ながら体温を下げるという点においては、力不足と言わざるを得なかった。
結論:冷却プレート機能はオマケ程度
風量が少ない理由は本体の形状にあった
扇風機+冷却プレートモードの実験中、扇風機単体モードで風量が少なく感じた原因にも気付いた。
ピタファン Cityを横から見ると、ファンを取り囲むメッシュ部が冷却プレートを頂点に台形(山形)に盛り上がる造りとなっている。実際に使ってみるとよくわかるが、台形になっているおかげで、冷却プレートを肌に当てた際もメッシュ部は肌に触れることなく、ファンが起こした風も体表をスムーズに流れていく。
一方、本体を肌から離して使う扇風機単体モードでは、台形構造のせいでファンの風が周囲へ分散してしまい、肌まで届きづらくなるというわけだ。