米国ニューヨーク市が8月16日(現地時間)、SNSサービス「TikTok」のアプリについて、市職員の業務用端末から30日以内に削除するよう全職員に求めたと、複数の海外メディアが報じている。
8月18日(日本時間)現在、ニューヨーク市は本件について正式な発表をしていないが、海外メディア「The Verge」はニューヨーク広報担当者から寄せられた声明とされる内容を紹介。今回の措置はTikTokのセキュリティリスクを理由としたもので、米国の連邦法や同国行政管理予算局のガイドラインを根拠として挙げている。
同サービスを巡ってはこれまでも、米国政府が運営企業のバイトダンスに対し、TikTokの売却を求めたり、EUが職員に対しスマートフォンでのTikTok利用を禁止したりといった動きがあった。日本でも2月に松野博一官房長官が「政府端末で要機密情報を取り扱う場合には、基準によりTikTokをはじめとするSNSなど外部サービスを利用することはできない」と記者の質問に答えている。
バイトダンスが本社を置く中国には、国家情報法という法律が存在し、政府から協力要請があった場合、企業は従う義務がある。そのため、仮に中国政府がバイトダンスに対してTikTokユーザーの情報を提供するよう求めた場合、同社は拒否することができないことから、米国などが規制を強める原因になっているとみられる。