日本電気は8月14日、「NEC軽井沢72ゴルフトーナメント」において、ローカル5Gを活用したワイヤレスカメラによるリアルタイム映像配信を実施したことを発表した。
カバーエリアが広いゴルフ場などの屋外スポーツ会場は有線カメラのケーブル配線や電源の確保が課題となり、中継カメラの安定したワイヤレス化が望まれるほか、多くの人が集まるライブイベントなどでのワイヤレス中継においてはWi-Fiの混信や公衆回線の混雑により、通信速度の低下や遅延が発生し、リアルタイムストリーミングが不安定になることがある。
この点では、ローカル5Gは個別ニーズに応じて柔軟に専用の自営ネットワークを構築でき、低遅延/大容量/多数同時接続といった5Gの特長に加え、公衆網が圏外であるエリアや群衆により混雑する場所においても安定した通信を提供できる。
同社では、日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)の協力により8月11~13日に長野県にて開催されたNEC軽井沢72ゴルフトーナメントに、軽井沢72ゴルフ 北コースに基地局装置を搭載した車両(可搬基地局車)でローカル5Gネットワークエリアを構築。公衆回線が入りにくい環境でもローカル5Gの低遅延かつ大容量通信の特長を活かし、9番、15番および18番ホールから映像を伝送し、高精細かつリアルタイムのインターネット映像配信(DAZN、U-NEXTおよび海外への伝送)を実施。
機動性の高いワイヤレスカメラを利用することで、有線カメラより少人数でコース内をスムーズに撮影し、魅力的なカメラアングルから臨場感あふれる映像配信も実現したほか、会場内のイベント顔認証システムでもローカル5Gのネットワークを活用したという。
同社では今後、ワイヤレスでの高精細映像の制作・配信、自由視点映像のリアルタイム配信といった新たな観戦体験をスポーツや各種ライブイベントなど様々な利用シーンへ拡大するとしている。