業務を変えるkintoneユーザー事例 第194回
kintone開発は「プロジェクト化しない」ことが大事?
2人の「ラクしたい」がみんなに アナログだったIT企業のkintone活用
2023年08月22日 09時00分更新
業務改善で大切なのは直感的であることと、少ない労力で使えること
業務改善を進める中で、いくつか大事なことがある、と服部氏は語った。まずは「直感的」であること。ミライネットでは操作マニュアルを作っても誰も読まないので、直感的な操作ができるアプリを作ることを重視したという。
2つ目が「省入力」。パターン化されている作業は、自動入力・自動計算を組み、誰がやっても同じ結果を出せるようにしている。3つ目が「共感」。ミライネットでは、アプリを正式運用する前に、必ずレビュー会を実施している。kintone担当が自分勝手に作ったアプリは誰にも使われないからだという。先に見せて、便利だという共感を得ることが重要なのだ。
4つ目のポイントが、プロジェクト化しないということ。「プロジェクト化すると上司への報告やノルマが生まれます。せっかく楽しんでkintoneを使っているのに、仕事にされるとちょっと楽しくなくなってしまいまうからです」(服部氏)
業務改善効果も大きいものだった。5年前の有給消化率は9日程度だったが、今では13日まで増えたそう。サポートの時間も今まで30分かかっていたところが、13分に短縮できた。そして、データセンターとして重要な消費電力という指標でも、3割近い削減を実現できた。元々は22時くらいまでは社員が残っていた会社だったが、今では19時くらいには誰もいなくなるという。
以前は、ミスがあっても「気を付けます」「二重チェックします」というだけだったが、今は仕組みで解決していこう、という社内文化が醸成されてきたという。これもkintoneの導入効果と言っていいだろう。
「こうしたらもっと便利だよね?とか、これってkintoneでできる?といったことを自発的に聞いてくれるようになりました。これもプロジェクトにしなかったからこそ生まれたkintoneの輪だと思っています。今後も、まだまだ業務改善は続け、システム化できるものはすべてシステム化していきたいと思っています。そして、みんなでラクをして、空いた時間を人がやるべき、考える仕事に当てていきたいと思っています」と服部氏は締めた。

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