長いことトヨタのハイブリッド車をマイカーとして乗ってきた私が、この度、初めて充電機能を持つクルマとして「プリウスPHEV」を手に入れた。
振り返ればRAV4 PHVに試乗して電動車のトルクフルな走りに改めて感銘を受けてから2年。実はここに至るまでには様々な紆余曲折があったわけだが、納車されて半月ほどが経ち、今は「PHEVにして良かった」ことを実感している。今回はそのあたりの理由をレポートしたい。
■新型プリウスまでに決めるまでのドタバタはこちらの記事!
詳細を教えてもらえないまま契約したうえで抽選という新型プリウスPHEVを購入するまでの顛末です。
使い勝手と航続距離を加味してPHEVを選択
今回の購入に当たっては様々な候補が挙がった。その中にはバッテリーEV(BEV)も含まれたが、早々と候補から落ちた。理由はファーストカーとして使うにはあまりに使い勝手が悪いと感じたからだ。よくある話だが、一日走行してバッテリーを使い切って自宅に戻ってきたところで、再び出掛ける必要に迫られた時、BEVはどうにも対応ができない。
自宅には主として妻が使っている軽自動車があるが、私の場合はこれで出掛けることは可能だ。しかし、せっかく買ったクルマが使えず、その代用で別のクルマを使うというのは本末転倒。内燃機関車(ICE)ならスタンドで燃料を入れればすぐにスタートできるわけで、これが私にとって「使い勝手が悪い」と認識している理由だ。
だからといって、BEVを否定するわけでは決してない。むしろ、電動車としてのパフォーマンスを踏まえれば、ICEよりもトルクフルで走りやすいと考えている。構造的にもシンプルで、メンテナンス費用がICEよりも安く収まるのもメリットと言っていい。排出ガスを出さないで走れることに対する、気分的な良さもある。
ただ、使い勝手を考慮して航続距離が長いEVを選ぶとバッテリー容量が大きくなり、その分だけ車両代も高くなる。航続距離が長いクルマは、ほとんどが私には購入が難しい500万円を超える高級車となっているのもそれが理由だ。こうした理由も加わり、EVへの後ろ髪を引かれつつも早々と候補から落としたというわけだ。
そのプリウスPHEVのバッテリーパフォーマンスは51.0Ah/13.6kWh。前モデルではこれが25.0Ah/8.8kWhだったから、それと比較するとバッテリー容量としては204%、総電力量としては155%の増強がされた計算になる。この結果、モーターでの走行距離は前モデルの60kmに対して、19インチホイール車であれば87km、17インチホイール車だと105kmにまで伸びることとなった。これなら近所の移動はBEVと同等の使い方ができる。
プリウスPHEVを乗る前に
スマホアプリでユーザー登録
さて、プリウスPHEV引き渡しはディーラーで行なわれた。車両に傷がないかを一回り確認した後、車両のスイッチをONすると、ウィーンという軽い起動音が響き、メーター類などに現在の状態が映し出された。そこにはバッテリーが満充電になっていることや、ディーラーの好意でガソリンも満タンになっていることがわかった。
ここでスマホにアプリ「My TOYOTA+」をインストールしてユーザー登録を行なう。今までのハイブリッド車ではそんな作業は一切なかったが、電動車ともなると遠隔で様々な操作ができる。それを実現するためにも必要な最初の儀式とも言える。
登録を終えるとスマホにはプリウスPHEVの現在の状況が表示されていた。ガソリンを含めた航続可能距離や、ガソリン、バッテリーの残量もここで確認できる。ドアロックや窓、ヘッドランプ、ボンネットなどの状態を確認できるほか、遠隔でのエアコンの起動も可能となっていた。
プリウスPHEVでは様々なデジタル機能に対応しており、それを体験するのも大きな楽しみだが、まずはスマホでドアのLock/Unlockを可能にする「Digital Key」と、車両をスマホを介して遠隔で動かせる「Remote Park」の2つをインストールした。ただ、トヨタはプラグインハイブリッド車を「PHEV」と呼ぶようになったのに、なぜか登録した車両名は「プリウスPHV」となっていた。これはいずれ修正されるんだろうか。