このページの本文へ

えきねっと&ETC利用照会サービスを騙るニセモノに注意

夏休み旅行が台無しになる列車とクルマの詐欺と対策をチェック

2023年07月27日 17時00分更新

文● せきゅラボ

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

長期休暇前は、移動手段に関係するフィッシング詐欺に注意

お盆休みに旅行を計画中のみなさん

 5類移行後、初めての夏休みということもあり、国内は大変な人出が予想されています。すでに2023年1~3月期の国内旅行消費額はコロナ禍前の2019年を超えていますから、この夏は3年ぶりに「いつものお盆休み」を過ごせそうです。

 ただし油断は禁物。楽しい夏旅行を台無しにするフィッシング詐欺があなたを狙っています。

 まず列車では、切符予約サービス「えきねっと」を名乗ってアカウント情報やクレジットカード情報などを盗み取ろうとするメールが増えています。また、モバイルSuicaでも同じようにアカウント情報を入力させて盗もうとする詐欺メールが存在します。

 一方、クルマでお出掛けする人たちは高速道路でお世話になるETCに絡んだフィッシング詐欺に注意が必要です。ETCの利用状況を確認できる「ETC利用照会サービス」を装い、保証金を納めないとETCが利用できなくなると偽ってプリペイドカード番号を送らせようとする手口が確認されています。

 万が一、これらのフィッシング詐欺に引っ掛かってしまうと、クレジットカードが乗っ取られてしまうなど、せっかくの旅行計画が台無しになる恐れがあります。

 そこで今回は、こうした移動手段にまつわる団体・組織を装ったフィッシング詐欺の事例とその対策を紹介しましょう。

※以下は「【詐欺】「えきねっと」が自動退会処理されたからクレカ情報を再入力せよ?」からの抜粋です。

自動退会を事前告知するメールはすべて偽物!

 このフィッシング詐欺は、「えきねっと」からのメールを騙り、「このままだとアカウントが自動退会処理される」「アカウントを自動退会処理した」「セキュリティ向上のため再ログインが必要」などと偽り、偽のWebサイトにクレジットカード情報をはじめとする個人情報を入力させるという手口です。

 事態をややこしくしているのは、本物の「えきねっと」も2年間利用していない(未ログイン)場合は、個人情報保護の観点から自動的に退会手続きを取っていること。つまり、頻繁に使っている人以外は真偽を判断しづらいのです。

「えきねっと」を騙るフィッシングメール(フィッシング対策協議会公式サイトより)

 ただし、「えきねっと」公式からのアナウンスによれば、すでに自動退会を事前告知するメールは廃止されており、また自動退会手続きされたことを伝えるメールにはURLは記載されていないとのことですので参考にしましょう。

 どちらにせよ、この手のメールが届いた際は本文中のURLや番号をタップしてはいけません。自分でブラウザ検索して公式サイトにアクセスする癖を付けましょう。また、事前に主要サービスの公式サイトをブックマークしておくのも良いでしょう。

※以下は「GW直前に「ETC利用照会サービスを使うなら保証金を納めよ」との詐欺メールが拡散中」からの抜粋です。

ETC利用照会サービスは無料で使えます

 もはや高速道路の利用には欠かせないと言っても過言ではないETC。その利用明細をネットで確認できる仕組みがETC利用照会サービスです。このサービスを騙って「利用するためには保証金が必要」と偽Webサイトに誘導し、Vプリカの発行コード番号を送るよう誘導する詐欺の手口が報告されているのです。

 ETC利用照会サービスの利用は無料です。金銭を要求するメールやSMS、電話はすべて偽物と考えて良いでしょう。

「ETC利用照会サービス」を騙るフィッシングメール(フィッシング対策協議会公式サイトより)

 なお、クレジットカード会社が発行した「ETCクレジットカード」を所持している方が多いかと思いますが、クレジットカードを持たない方のために「ETCパーソナルカード」という種類のETCカードも存在します。これは、高速道路の運営会社に保証金を預託することで、銀行口座からの引き落としというかたちでETCを利用するためのETCカードです。

 今回のフィッシング詐欺は、このETCパーソナルカードの仕組みと、ETC利用照会サービスを(おそらく)意図的に混同した文面となっています。ETCパーソナルカードの利用に必要な保証金は、基本的にETC利用照会サービスと無関係ですので、勘違いしないよう気を付けましょう。

 このETC利用照会サービスを騙るフィッシング詐欺は、2022年末にも発生しましたが、その際は偽Webサイトへの誘導にQRコードを使っていることが注目されました。悪意ある人たちは新しい手口を常に考えていますから、今後はVプリカを送金手段として指定するフィッシング詐欺が増えるでしょう。こちらも要注意です。

カテゴリートップへ