7月21日に東京・よみうり大手町ホールで「第13回衛星放送協会オリジナル番組アワード」授賞式が開催され、番組部門6ジャンルの最優秀賞の中から選出される「グランプリ」に、WOWOWプライムで放送された「ドキュメンタリーシリーズ WHO I AM LIFE ヴィクトリア・モデスタ」(バイオニック・ポップ・アーティスト)が輝いた。
同アワードは、2011年に衛星放送協会に加盟するBS・CS局のオリジナル番組の制作促進と、優れた番組の認知度向上を目的に創設されたもの。今回は、2022年度にBS、CSで放送されたオリジナル番組の中から、作家や新聞記者などの有識者で構成された審査員が、作品のオリジナリティーなどを基準に各部門の最優秀賞とグランプリを選出し、表彰を行なった。
グランプリを受賞した「ドキュメンタリーシリーズ WHO I AM LIFE ヴィクトリア・モデスタ」(バイオニック・ポップ・アーティスト)は、自身の義足をアートに変えて表現活動をするヴィクトリア・モデスタに密着した作品で、文化・教養部門の最優秀賞を受賞。審査員長の吉岡忍氏(ノンフィクション作家)は「彼女自身が新しいアイデンティティをどうやって獲得していったのかということを、感動的に描いていたと思います。また、これを見る私たちが『今いる場所から飛び出せ』というメッセージを受け取ることができる。そういう見事な作品だったと思います」と講評した。
登壇した受賞者の株式会社WOWOWの畑希亜良プロデューサーは「『ドキュメンタリーシリーズ WHO I AM』は東京パラリンピックを目指して作ってきた番組だったのですが、『大会終了後に終わる番組でいいのか?』ということでアスリート以外にも広げて継続を決定しました。今回、これが最初の作品になります。東京大会後にスタートしたシリーズを評価していただけたことは、東京大会を経た私たちのダイバーシティの意識という意味でも大変意義のあることだと思っております」と思いを述べた。
また、サプライズでヴィクトリア・モデスタがオンラインで登場し、「私の作品に光を当てていただき、そしてこの受賞のニュースを聞いた時は本当に感動しました。WOWOWのドキュメンタリーシリーズに出演できたことは、私にとって大変特別な経験になりました。私が創造してきた作品に光を当て、そして未来へのメッセージを希望と想像力と共に世に放つことができました」とコメント。さらに、撮影中の思い出について「大阪芸術大学で渋谷慶一郎さんとセッションしたことです。あの中から、自分の中では未来を見ることができました。特別な経験ができたので、自分のこれからのプロジェクトに深みをもたらすことができたと思いますし、これから日本との関わりを作っていく上での第一歩になっていけばいいなと思っております」と語った。
ほか、授賞式では番組部門計6ジャンル、編成企画部門、番宣部門の最優秀賞に加え、審査員奨励賞、CAB-J賞も表彰。番組部門バラエティで最優秀賞を受賞した「【小椋佳、時代劇の仕事】特別番組『小椋佳の旅日記』前編/後編」からは、日本映画放送株式会社の海川知里氏が登壇し、小椋から届いた受賞を祝う手紙を代読した。小椋は手紙で「主題歌とその作家に着目してセレクトされた時代劇を紹介するという番組作りは、これまでになかったアプローチといえるでしょう。これからも新たな視点で時代劇を紹介していただくのと併せて、専門チャンネルならではの時代劇の創造に取り組んでいただくことを期待しております」とコメント。
番組部門ドラマでは、NHK BS4K・BSプレミアムの「特集ドラマ『ガラパゴス』」が最優秀賞を受賞。同ドラマで主演を務めた織田裕二のVTRメッセージが公開され、織田は「非常に重たい話をどうやってエンターテインメントに昇華させるかというのがテーマでもあって、『できる限り見やすく。でも、問題はしっかりと』というようなスタンスでできたと思います。いろいろな先輩やスタッフに『良かったよ』って声を掛けていただいて、本当に嬉しく思っております。これからもジャンルにとらわれず『良かったよ』と言ってもらえる仕事をしたいなと思っております」と笑顔で語った。
なお、今回開催された授賞式の模様は9月1日(金) 25:00よりスカパーch801「スカチャン1」、1日(金) 19:00よりJ:COMプレミアチャンネルなどにて放送される。
<放送情報>
「オリジナル番組アワード!受賞作品はこれだ!」
スカパーch801「スカチャン1」 9月1日(金)26:00~26:30ほか
J:テレ 9月1日(金)15:45-16:00
J:COMプレミアチャンネル 9月1日(金)19:00-19:30ほか(9月30日まで毎週金・土・日19:00~再放送)
他、全国のケーブルテレビ11局でも9月に放送予定
※放送スケジュールは変更になる場合があります