エリアLOVEWalker総合研究所リポート Twitterトレンド解析 Vol.5

3位はあの人気アニメの「聖地」!?  Twitterトレンド解析月次リポート第五弾、2022年「神社仏閣」TOP100を発表!!

文●エリアLOVEWalker総合研究所

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 Twitterトレンド解析システムによる解析リポートを公表していく、エリアLOVEWalker総合研究所リポート。第五弾のテーマは御朱印集めがブームになるなど、近年熱い注目を集めつつある「神社仏閣」。今回は2022年4月1日から2023年3月31日までにTwitter上で言及されたベスト100を発表する。

「神社仏閣」ツイート数ランキング、TOP10の表。右端の「共起語」とは、神社仏閣名とともにつぶやかれたキーワード。共起語が複数つぶやかれることもある。ポジ/ネガ判定は、Twitterトレンド解析システムで独自にツイートの感情を分析した結果だ。

 上位10位までにランクインした神社仏閣の所在地は東京都と京都府が各3ヵ所と最多。次いで三重県、奈良県、島根県、長野県の各1ヵ所という結果になっており、地方別では近畿地方が最多となっている。なお、ランキング上位の神社仏閣の多くが「観光」とともにツイートされていることから、人気観光地でかつ修学旅行の定番でもある京都と奈良を擁する近畿地方の神社仏閣に対する言及が多かったものと思われる。

 また、上位100位までのうち、32社が「御朱印」とともにツイートされており、特に切り紙による御朱印が話題の「仁和寺」「八坂神社」、刺しゅうを施した御朱印で知られる「長谷寺」などが注目を集めていた。

Twitterデータで選んだ神社仏閣TOP5を分析、修学旅行でおなじみのあのスポットは何位?

 では、ツイートされた数でTOP5に入った神社仏閣を見ていこう。

 Twitterはリアルタイムでツイートされていくので、話題となったイベントやコンテンツによってバズを起こすことが、ランキングに大きく影響する。今回のランキングでは、上位にランクインしたスポットの多くが期間限定のイベントや事件とともに言及されている。

 Twitterトレンド解析の月次リポート第五回の1位を制したのは、「靖国神社」。ツイート数は20万3188件。明治以降の日本の戦争・内戦における政府側の戦没者を祀った神社として知られている。なお、桜の名所として広く知られているほか、毎年夏に開催される「みたままつり」は東京の夏の風物詩として人気を博しており、コロナ前は期間中30万人以上が足を運んでいた。しかし、Twitter上ではこれらの行事とともに言及されることは比較的少なく、政治問題とともに言及される頻度が高かった。

●靖国神社
https://www.yasukuni.or.jp/

2018年に撮影された靖国神社の拝殿。
(写真: Kakidai CC-BY 4.0) 

 2位は「伊勢神宮」。ツイート数は19万3437件。なお、三重県の神社仏閣の中では唯一上位100位までにランクインしている。

 伊勢神宮はおよそ2000年以上の長い歴史を持ち、古来より日本の神社の中で最も高い格式を誇っている。また、「お伊勢参り」という言葉があるように、江戸時代の昔から参拝が観光の一大コンテンツとなっており、今でも年間約800万人が参拝するといわれている。

 なお、Twitter上では多くの飲食店や土産物屋が立ち並ぶ、伊勢神宮・内宮前のショッピングスポット「おかげ横丁」や、伊勢神宮外宮・内宮の門前街にある、餅菓子の名店「赤福」などがよく共に言及されている。

●伊勢神宮
https://www.isejingu.or.jp/

 3位は「神田明神」。ツイート数は15万9104件。730年に創建された神田明神は江戸総鎮守として尊崇され、神田祭を執り行うことでも知られる。近年では“オタクの聖地”秋葉原にほど近い立地にあることから、『ラブライブ! シリーズ』、『シュタインズ・ゲート』、『東京レイヴンズ』などのアニメやライトノベルの聖地として広く知られており、様々なコンテンツとのコラボを積極的に行っている。なお、集計期間中最も注目を集めたトピックは人気VTuber集団「ぶいすぽっ!」と神田明神で行われた、神田明神納涼祭りのコラボ。境内にコラボ屋台を設置、さらに期間限定のオリジナルグッズの販売を行って大きな注目を集めた。

●神田明神
https://www.kandamyoujin.or.jp/

●ぶいすぽっ!神田明神納涼祭り
https://vspo-kanda-summerfestival.com/

2012年に撮影された、神田明神の御社殿。
(写真: Kakidai CC-BY 3.0)

VTuber集団「ぶいすぽっ!」と「神田明神納涼祭り」コラボレーションのメインビジュアル。
(写真: 株式会社 Brave group「ぶいすぽっ!」×「神田明神納涼祭り」のコラボレーション情報プレスリリースより)

 4位は世界遺産にも登録されている、名刹「清水寺」。ツイート数は15万7714件。京都を訪れる観光客の多くが足を運ぶ人気観光地として広く知られており、特に桜や紅葉が眼下に広がる「清水の舞台」の絶景が多数投稿されている。また、修学旅行の目的地として学生時代に足を運んだユーザーも多く、同じく修学旅行の目的地として知られる奈良県の「東大寺」とともに言及される例が目立っている。

●清水寺
https://www.kiyomizudera.or.jp/

2015年に撮影された、紅葉シーズンの清水の舞台。
(写真: Haibo Lu CC-BY 4.0)

 5位は「法隆寺」。ツイート数は15万2263件。607年に創建、現存する世界最古の木造建築物群として世界遺産にも登録されている。近隣にある企業がTwitter上でAmazonギフト券が当たるプレゼントキャンペーンを行ったことでツイート数が伸びたほか、昨年6月に参拝者の大幅な減少で境内の整備費用を十分に捻出できないとして、クラウドファンディングを実施したことが話題に。およそ1ヵ月半で目標額の7倍にあたる1億4600万円が集まったが、世界遺産にも登録されている名刹ですらクラウドファンディングで資金集めをしなくてはならない現状に驚きと嘆きの声が上がっていた。

●法隆寺
http://www.horyuji.or.jp/

法隆寺金堂と五重塔。
(写真:Nekosuki CC BY-SA 4.0)

気になるTwitter全量データが選んだ神社仏閣TOP100

 11位以下は表を参照。

【Twitterトレンド解析】神社仏閣ランキング11位~100位。19位の「車折神社」は境内にある「芸能神社」が芸事にご利益があることで知られており、多くの芸能人が玉垣(神社の周囲に巡らせる垣)を奉納している。自分の推しが奉納した玉垣の写真を投稿する事例が多く、ツイート数が伸びている。また、38位の「東京大神宮」は都内屈指の縁結びスポットとして知られており、20代・30代女性によるツイートが圧倒的に多い。

 角川アスキー総合研究所は2015年に、東京大学生産技術研究所喜連川・豊田研究室と、アジア圏で唯一ツイートデータの全量を取り扱うことができるNTTデータ、そしてTwitter Japanと共同で「Twitterトレンド解析システム」を開発した。それ依頼、当社が持つエンターテインメント用語辞書(200万語以上)に収録されたワードをもとに、日本国内でのエンターテインメント分野に関するツイートを対象に解析している。

 解析内容としてはツイート内でのワード出現傾向の分析に加えて、ツイートテキストを対象にした投稿者の推定属性情報(NTTデータ提供)や、各種統計データなどを組み合わせた分析をしており、報道機関や、企業・自治体等に幅広く活用されている。なお、「Twitterトレンド解析システム」によるTwitterのリアルタイムな集計結果は、「ついラン」(https://tsuiran.jp/)でも見ることができる。

 今回の集計の詳細は以下のとおり。

集計期間:2022年4月1日~2023年3月31日
解析対象:神社仏閣名を含むツイート 
抽出件数:407万2794件(上位100位までの総ツイート数)
※上記集計期間中、「Twitterトレンド解析システム」にて取得したツイート59億7232万2751件の中から、上記調査対象ワードを含むツイート407万2794件を抽出し、ツイート数順にて100位までのランキングを作成した。

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