ESET社のCEOは元●●、アンドロイドの前にいたマスコットキャラ、ESETの名前の由来など

全部知ってたらスゴイ!「ESET」国内販売20周年の今だから言える話&トリビア

文●宮里圭介 編集●村野晃一(ASCII)

提供: キヤノンマーケティングジャパン

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

ESETが生まれたスロバキアってどんな国? ESET本社ってどんなところ?

 続いては、ESETの故郷スロバキアという国や、ESETの会社、製品にまつわるちょっとした疑問にいろいろと答えてもらったので紹介しよう。

スロバキアってどんな国?


出典:「Google Map」より

 スロバキアは、ポーランド、ウクライナ、ハンガリー、オーストリア、チェコといった国に囲まれたヨーロッパの内陸国。昔はチェコスロバキアと呼ばれた連邦国家で、1993年に、チェコとスロバキアに分離。チェコは工業国、スロバキアは農業国といった特徴がある。そのためか、素朴で、おだやか、落ち着いた雰囲気がある。

 輿水氏の話によれば、国民性はまじめで勤勉な印象で、ある意味日本人の感覚に近いところがあるそうだ。

 輿水氏にスロバキアのESET社についても聞いてみた。

輿水「ESET本社があるのは、スロバキアの首都ブラチスラバというところです。スロバキアにはあまり高層ビルはないんですが、ドナウ川のほとりにある一等地の高層ビルにESET社が入居しています。屋上にESETロゴの看板があるので、近くを通るとすぐにわかります」

ESET社の入るビルにあるロゴ看板

ESETの名前の由来は神話の神様から取った

 「ESET」という名前は、エジプトの女神「イシス」から。古代エジプト語では「アセト」、スロバキア語では「Eset」となるため、ここから付けられたそうだ。ちなみにイシスを選んだのは、保護と癒しの力を持っている神様だからとのこと。

ESET社設立30周年を記念してつくられた「ESETの30年─サイバーセキュリティの知られざる歩み」と題したメニューの1991年には、社名の由来が記載されている

各国の言語ローカライズはすべてスロバキアで行われている

 各国語へのローカライズはESET本社で担当。ただし、表示するメッセージの細かい言い回しについては各国のディストリビューターとやりとりして修正していくといった作業を行っているそうだ。

 ちなみに、スロバキアのESET本社には日本の大学に通い、日本語が話せる社員がいるとのこと。ただし、製品担当者ではないので、キヤノンマーケティングジャパンと接点はまったくないらしい。

 また、「言語と同じように機能を国によってローカライズされることがあるのか?」との質問には、「機能はグローバルで共通になっており、各国に合わせた個別カスタマイズはしていない」とのことだった。

年1回開催しているカンファレンスでは何をするの?

 ESET社では、各国のディストリビューターを集めたカンファレンスを年1回開催。今後のリリースに関するプランやビジョンといった話をするのがメインの内容。

 開催場所は、基本的にヨーロッパ。スロバキアが海なし国のためか、海のあるリゾートで開催されることが多いとのこと。昨年はイタリアの南、マルタ島で開催され、約300人ほどが集まった。

 ちなみに、このカンファレンスにはマスコミが招待されることもあるそう(期待)。「キヤノンマーケティングジャパンから出席する方はどう決められているのか」との質問には苦笑で答えてくれた(笑)。

個性派揃いのESET社キーパーソンたちの知られざる顔

 続いては、ESET社のキーパーソンたちについて紹介しよう。ここでは「LinkedIn」にあるような堅苦しい肩書きではなく、ちょっとプライベートが垣間見えるようなパーソナルな話に限ってご紹介しよう。

CEOのリチャード・マルコは「アルバイトからのし上がった」

2018年来日時の発表会でのリチャード・マルコCEO

 現在ESET社のCEOを努めるリチャード・マルコ氏は、実は大学生時代からESET社で働くアルバイトだった。ヒューリスティックエンジンの設計・開発を行っていた技術畑の人で、CEOの前はCTO(Chief Technical Officer)も務めている。

 そんなマルコ氏、大のロック好きで、自宅に防音設備のあるスタジオがあるのだとか。

 輿水氏によれば、数年前にイベントで来日した際、記者発表会の後に「カラオケに行きたい」と言い出し、浜松町のカラオケ店へとみんなで行ったのがいい思い出とのこと。なお、いきなりディープ・パープルの曲をシャウトしたらしい。なんでもスロバキアには日本のような個室のあるカラオケ店が1店しかないのだとか(真偽は不明)。

 輿水氏がマルコ氏に初めて会ったのは、2009年に京都で開催されたサイバーセキュリティカンファレンスのAVAR。食事の際に和食を1品ずつじっくり観察しつつ、解体しながら食べていたのが印象深かったそうだ。

 ちなみに、マルコ氏にお箸の使い方を教えたのが輿水氏だそうで、これは輿水氏のプチ自慢。記事冒頭にある写真は、輿水氏がマルコCEOにお箸の使い方をレクチャーしたときの様子を再現してもらったもの。

ユライ・マルホCTOは「ミュージシャンに間違えられるほどのロック好き」

2019年に来日した際のユライ・マルホCTO

 長髪でロック好き。ドラムなどが得意で、カンファレンスのアフターパーティーで楽器があると、演奏していることが多い。来日時、輿水氏が一緒にタクシーに乗ってホテルに移動したところ、運転手から「彼は有名なミュージシャンですか?」と聞かれたらしい。

 彼もまた技術畑の人間で、日本食ではわさび好きとのこと。

 CEO、CTO共にロック好きで、ESET社のキーマンにはロック好きが多い、ということが分かっていただけたと思うが、ESET社は今もプライベートカンパニーで、ESET社の立ち上げメンバー6人がボードメンバーとなっている持ち株会社。現在の社員は海外の拠点を含め2,000人規模になるが、そのリソースのほとんどは技術系のメンバーで、販売に関しては、ヨーロッパ、アジアパシフィックなどの地域にマーケティングを統括する支社があり、各国のディストリビューターに任せているのだそうだ。