スパイスの刺激はやや控えめ、むしろ酸味がポイント:
今のうちに食べておきたい!ココイチ「チキンと夏ベジのスパイスカレー」
2023年06月08日 16時00分更新

「チキンと夏ベジのスパイスカレー」
CoCo壱番屋
980円
https://www.ichibanya.co.jp/menu/detail.html?id=1163
夏の人気メニュー
梅雨の時期になるたびに感じているのですが、どうしてこんなに暑いのでしょうか。そして、湿度が高いのでしょうか。こういう嘆きに対して、「太平洋高気圧の影響下に入って高温多湿な気団に覆われるからだよ」と返されると涙も出ません。そういう話をしているのではありません。
とにかく、日本の高温多湿な時期はしんどいもの。こういうときにはピリッと辛く、スパイシーな食べ物で元気をつけたいですよね。そんな時期にサッと食べられるスパイスカレーがあります。
カレーハウスCoCo壱番屋(以下、ココイチ)から、期間限定メニューとして「チキンと夏ベジのスパイスカレー」が登場しています。
チキンは蒸し鶏なのです
スパイスカレーシリーズは、2018年にデビュー。ココイチの夏の定番になりつつあります。2022年は「スパイスカレーチキン夏ベジ」だったのですが、微妙に名前が変わりました。
彩り豊かですね
ベースのカレーソースに、トマトソース、青唐辛子、さらに隠し味としてワインビネガーの酸味を加えることで、トマトの旨みと酸味とともにさわやかな後味に仕上げたとのこと。ちなみに、甘口にはできません。
具材には、なす、オクラ、アスパラ、ミニトマトと、蒸し鶏を使用しています。カレーに添えた甘ずっぱいタマネギのピクルスも存在感があります。カレーソース、具材、ライスをよく混ぜ、味をなじませるとよりおいしく食べられるとうたいます。
スパイスの適度な刺激とほどよい辛味+酸味
スパイスがいっぱいですが、口の中がスーッとするほど多いわけではない
夏野菜の具材が多めなこともあって、マイルドとはいわないまでも、とても辛い! ということもありません。トマトソースが入っているからでしょう、酸味もほどよく際立つ仕上がりになっています。
ワインビネガーも使われているそうですが、「すっぱい」というほどではなく、あくまで「ほどよく辛味、ほどよく酸味」というバランスを取ろうとしている印象です。トマトやワインビネガーの酸味がこのカレーを個性付けているポイントですね。ちょっとサルサソースのような雰囲気もあります。
逆に言えば、スパイスカレーとはいっても、際立つような刺激がある……とまでは言い切れません。専門店のような「一口食べれば、スパイスがバシッと来る」快感を求めていると、「あれ?」となるかも。ややカドを丸めたスパイスカレー、とでもいいましょうか。
オクラなどの夏野菜が豊富
なんといっても、具だくさんなのがいいですよね。それぞれの野菜の味や香りは強くないので、カレーソースの味わいを邪魔せず、サラッとしたカレーに食べごたえをプラスしています。
こういった野菜と一緒に食べるからこその、蒸し鶏なのでしょう。さっぱりした味わいがカレーに合うのはもちろん、ごろごろした大きい肉だと、食感で他の具材と差がついてしまいますから。まとまり重視ということです。
カレー自体にトマトの風味があるので、具材にそのままトマトが使われていても違和感はない
具材のチョイスなどを見ても、このカレーが「ガッツリ」目的ではなく、あくまでスパイスの適度な刺激とほどよい辛味+酸味でサラリと食べさせるコンセプトなのがわかります。こってりとした脂のある食材が排除されているのですね。
甘ずっぱいピクルスも、味変にもってこい。カレーと混ぜ合わせることで、より独特の風味が際立ちます。2022年と構成が変わった(以前はハラペーニョのピクルスもあった)のですが、ワインビネガーを使ったことと関係があるのかもしれません。
ピクルスは「添える」というより「混ぜる」ためにある感じです
スパイスカレーとして、超本格派、他の追随を許さない……というものではないかもしれません。それでも、ほどほどの酸味とそれなりのスパイス感、多めの具材できちんとした完成度になっています。
「サッと食べられる」と前述しましたが、単に味付けだけの話ではなく、チェーン店ですぐに注文できる気軽さも忘れてはなりません。全国で展開しているココイチで、これが食べられるのが強みでしょう。
ココイチといえばトッピング……という人にも、悪くない選択肢といえます。具が多めであってもさっぱりと食べられるため、トッピングを受け入れる土台としても優秀でしょう。「ハーフイカ」「エビにこみ」など、魚介類を入れてもおもしろいと思います。
暑くなってくる時期、手軽に楽しめるオススメのスパイスカレーといえます。期間限定メニューで、2023年7月以降なくなり次第終了なのでお早めに。
モーダル小嶋

1986年生まれ。「アスキーグルメ」担当だが、それ以外も担当することがそれなりにある。編集部では若手ともベテランともいえない微妙な位置。よろしくお願い申し上げます。

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