個人情報保護委員会は6月2日、生成AI「ChatGPT」などを提供するOpenAIに対し、個人情報の扱いに関して注意喚起を実施したと発表した。
今回の注意喚起は個人情報保護法に基づくもの。今回は、主に要配慮個人情報(本人の人種、信条、病歴、犯罪の経歴等、本人に対する不当な差別、偏見その他の不利益が生じないよう取り扱いに配慮を要する個人情報)の適切な扱いと、日本語を用いた個人情報の利用目的通知の実施を求める内容だ。詳細は以下の通り。
要配慮個人情報の取得について
要配慮個人情報については、機械学習用にデータを収集する際、ユーザーの同意なく同情報を取得しないことに加え、以下の4点について実施を求めている。
- 収集する情報に要配慮個人情報が含まれないよう必要な取組みをすること。
- 情報の収集後できる限り即時に、収集した情報に含まれ得る要配慮個人情報をできる限り減少させるための措置を講ずること。
- 上記①及び②の措置を講じてもなお収集した情報に要配慮個人情報が含まれていることが発覚した場合には、できる限り即時に、かつ、学習用データセットに加工する前に、当該要配慮個人情報を削除する又は特定の個人を識別できないようにするための措置を講ずること。
- 本人又は個人情報保護委員会等が、特定のサイト又は第三者から要配慮個人情報を収集しないよう要請又は指示した場合には、拒否する正当な理由がない限り、当該要請又は指示に従うこと。
利用目的の通知について
利用者及び利用者以外の者を本人とする個人情報の利用目的については、日本語を用いて、利用者及び利用者以外の個人の双方に対して通知し又は公表することを求めている。
OpenAIが個人情報の扱いについて指摘を受けるのは、今回が初めてではない。
3月にもイタリア当局から個人情報に関連する不備などを指摘され、同国内で約1ヵ月間サービス提供が停止されている。