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【レビュー】M2 Pro搭載MacBook Pro 14インチは真の「プロ向けノートブック」の正常進化だ

2023年06月04日 12時00分更新

文● 柴田文彦 編集●飯島恵里子/ASCII

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M2 Pro、M2 Maxを搭載するモデルは今回登場したMacBook Proの14、16インチモデルと、M2 Proに限るもののMac miniのみだ

デスクトップ機としても使いたいパフォーマンスと拡張性

 今のところ、アップルの製品ラインナップの中で、M2 Pro、M2 Maxを搭載するモデルは今回登場したMacBook Proの14、16インチモデルと、M2 Proに限るもののMac miniのみとなっている。もちろん、M1 Ultraチップを搭載したMac Studioには劣るだろうが、それを除けば現行のMacの中でApple Siliconの最高のパフォーマンスを発揮できるのが、この新しいMacBook Proシリーズということになる。上で示したバッテリーテスト結果を見れば、モバイルマシンとして優れた特性を持っていることは明らかだし、デスクトップ環境で使っても十分に実力を発揮することが期待できる。

 その場合に効力を発揮するのが、上で確認した外部ディスプレーのサポートの強化だ。内蔵ディスプレーと外付けの組み合わせでマルチディスプレーとして使うのが一般的だが、外付けだけでも最大3台まで接続できるので、内蔵ディスプレーを除いても容易にマルチディスプレー環境が構成できる。

 もうしばらく待てば、おそらくM2 MaxやM2 Ultraを搭載したMac Studioが登場するだろうし、さらには新たな世代のApple Siliconチップを搭載したMac Proも製品化されるかもしれない。少なくともそれまでの間は、MacBook Proがパフォーマンス面でもMacシリーズを牽引する存在となる。もちろん、ノートブックとして最高レベルのディスプレーを内蔵し、外部ディスプレーも含めたフレキシブルな構成に対応可能な機動性については、MacBook Proだけの独壇場であることは間違いない。

 MacBook Airや、13インチのMacBook Proなど、他のエントリーレベルのノートブックと比べると、かなり高い価格帯の製品であることは否めないが、内蔵ディスプレーの表示品質、本体のパフォーマンス、拡張性などを総合的に考えると、むしろプライスパフォーマンスに優れた製品だということが分かる。使用環境の室温にもよるが、高いCPU負荷で処理を続けても、空冷ファンの音が気になる段階まで回転数が上がることはめったにない。アプリケーションや周辺機器も含め、「プロ」領域でノートブックを使いたいMacユーザーなら、これしかないという製品だ。

 悩むべきは、このM2 ProかM2 Maxかという選択だけだろう。M2 Max搭載モデルについては、また別記事でパフォーマンスを中心にレビューする。

 

筆者紹介――柴田文彦
 自称エンジニアリングライター。大学時代にApple IIに感化され、パソコンに目覚める。在学中から月刊ASCII誌などに自作プログラムの解説記事を書き始める。就職後は、カラーレーザープリンターなどの研究、技術開発に従事。退社後は、Macを中心としたパソコンの技術解説記事や書籍を執筆するライターとして活動。近著に『6502とApple II システムROMの秘密』(ラトルズ)などがある。時折、テレビ番組「開運!なんでも鑑定団」の鑑定士として、コンピューターや電子機器関連品の鑑定、解説を担当している。

 

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