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仕事用としても違和感のないデザインが特徴の本格ゲーミングノート<Legion Slim 5i Gen 8>

2023年06月26日 11時00分更新

文● 勝田有一朗/編集●村野晃一(ASCII)

提供: レノボ・ジャパン

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提供(PR):レノボ・ジャパン

 レノボのゲーミングPC<Legion>に、新モデル「<Legion Slim 5i Gen 8>」が加わった。レノボのLegion Slimシリーズは本格ゲーミングノートPCでありながら薄型のスリムデザインが特徴。<Legion Slim 5i Gen 8>もそのコンセプトを踏襲しており、スリムで落ち着いたデザインは様々な生活空間へ違和感なく溶け込むだろう。

 このように<Legion Slim 5i Gen 8>は普段使いを重視したデザインではあるものの、その中身は「第13世代 インテル® Core™ プロセッサー」と「NVIDIA GeForce RTX 40シリーズ」という最新世代CPU&GPUのバリバリゲーミング仕様。まさに“羊の皮を被った狼”という喩えがピッタリ。書斎に置いて普段は仕事や作業に用いながら、空いた時間には本格ゲーミングを楽しめる、<Legion Slim 5i Gen 8>は、そんないいとこどりなゲーミングノートPCだ。

 今回、発売されたばかりの<Legion Slim 5i Gen 8>より「インテル® Core™ i5-13500H プロセッサー」&「GeForce RTX 4050 Laptop」搭載のモデルをお借りする機会が得られたので、各部の特徴やパフォーマンスについて詳しく見ていくことにしよう。

 なお、上位モデルとして「インテル® Core™ i7-13700H プロセッサー」&「GeForce RTX 4060 Laptop」を搭載したモデルもラインアップされている。より高性能なゲーミングノートPCを求める場合はそちらも注目していただきたい。

いい意味で“ゲーミングらしくない”スリムでシンプルなデザイン

 <Legion Slim 5i Gen 8>の大きな特徴と言えるのが、スリムでシンプルな筐体デザインだ。

 ゲーミングノートPCと聞くと派手なイルミネーションLEDや遊び心満載な意匠、強力冷却システムを搭載するためのゴツい筐体というイメージを持つ人も多いかもしれないが、本機にそのような印象は全くなく、筐体カラーのストームグレーも落ち着いた雰囲気を演出している。書斎や居間、あるいはオフィスで使っていたとしても、違和感のないデザインの筐体にバリバリのゲーミング性能を備えるというのが、<Legion Slim 5i Gen 8>の一番重要なコンセプトと言えるだろう。

筐体カラーはストームグレーでシンプルなデザイン。天板端のLEGIONロゴは鏡面加工となっている

 筐体サイズは約359.7(W)×260.3(D)×19.9~21.9mm(H)で重量は約2.4kg。16型ディスプレイ搭載のいわゆる据え置き型ノートPCと呼ばれるサイズ。外出先などへ持ち運んで使用するのに向いた機種ではないが、シンプルで堅牢性の高いデザインなので屋内でのちょっとした持ち運びで苦労や不安を感じることはほぼないだろう。またその薄さから不使用時の収納性にも優れている。

 なお筐体にはリサイクルメタルが採用されており、環境に配慮されている点も見逃せない。

USBポートは全てGen2対応! 充実したインターフェース

 筐体に備わる各種インターフェースについても追っていこう。<Legion Slim 5i Gen 8>は筐体の左右側面と背面に充実したインターフェースが備わっている。

 まず正面向かって左側面には、マイク/ヘッドホンコンボジャック、USB 3.2 Gen2 Type-C×2を搭載。Type-Cポートは両方とも映像出力対応で、筐体手前側のType-CはUSB-PDにも対応する。なお、手持ちのモバイルモニターを接続してみたところ、どちらのType-Cポートもケーブル1本での映像出力と電力供給が可能であることを確認した。マルチディスプレイの快適な作業環境を簡単に構築可能だ。

左側面。マイク/ヘッドホンコンボジャック、USB 3.2 Gen2 Type-C×2を搭載

 反対側の右側面にはSD、SDHC、SDXC、MMCに対応する4-in-1メディアカードリーダーと、Webカメラのプライバシーシャッタースイッチを搭載する。

右側面。4-in-1メディアカードリーダーを搭載。その隣の小さいスイッチはWebカメラのプライバシーシャッタースイッチ

 背面にはUSB 3.2 Gen2 Type-A×2、1000BASE-T有線LANポート、HDMI 2.1、電源コネクターを搭載。ネット対戦の遅延を抑えるために不可欠とされる有線LANポートを搭載する点は大きいプラスポイントと言えるだろう。

 ただ、<Legion Slim 5i Gen 8>は最新のWi-Fi 6E対応の無線LANも備えているので、対応する無線LANルーターを用意すれば、無線LAN環境であっても十分に快適なネット対戦が行えるだろう。

背面。USB 3.2 Gen2 Type-A×2、1000BASE-T有線LANポート、HDMI 2.1、電源コネクタ―を搭載

 以上のように、<Legion Slim 5i Gen 8>にはUSBポートがType-A×2、Type-C×2の計4ポート用意されており、なおかつ全ポートGen2の高速転送対応となっている。ノートPCの拡張性としては十分なもので、高速外付けストレージの接続などにも活用できるはずだ。

効率的な冷却システムで高パフォーマンスと静音性を実現

 さて、上では筐体の側面まわりについて触れてきたが、筐体側面にはインターフェースの他に冷却システムの排気口(ベント)も備わっている。このように大きめのベントが備わっているのはゲーミングノートPC特有の設計で、全体的にシンプルなデザインの筐体であってもベントの有無からゲーミングノートPCと推し量れる点でもある。

 <Legion Slim 5i Gen 8>では独自の冷却システム「Lenovo Legion ColdFront 5.0」を搭載しており、強力な冷却システムとAIによる電力制御との相乗効果で効率的な冷却性を発揮。サーマルスロットリングを抑制して騒音も抑えることができるとのこと。

 ベントデザインも前モデルから改善されていて、筐体底面の大きな吸気口からの効率的なエアフローで排熱を行っている。

普段使いも快適な16型WQXGAディスプレイは
リフレッシュレート165Hz対応の超ゲーミング仕様

 <Legion Slim 5i Gen 8>の“カオ”とも言える液晶ディスプレイに迫っていこう。搭載されるのは16型の液晶ディスプレイで解像度は2560×1600ドットと高精細。縦横比16:10のWQXGAと呼ばれる解像度だ。この解像度は一般的な縦横比16:9のディスプレイとくらべて縦の情報量がちょっと増えたものだが、このちょっとの差でWebサイトの閲覧をはじめ表計算ほか様々なアプリの作業がとても快適になるとして近年採用例が増えてきている。普段使いも重視する<Legion Slim 5i Gen 8>で採用されるのは当然の流れと言えるかもしれない。

 液晶パネルの表面処理は反射を抑えるノングレア方式。液晶駆動方式は視野角の広いIPS方式なので上下左右広い角度から覗き込んでも全く問題ない。天板における液晶パネルの専有面積は92.38%の狭額縁仕様で、筐体サイズ一杯の迫力ある映像を楽しめる。なお<Legion Slim 5i Gen 8>はディスプレイ部分を大きく180度まで展開できるので、机上にディスプレイを広げて複数人で覗き込むといった使い方も可能だ。

 また色域はsRGB100%をカバーしており、クリエイティブな作業にも十分対応できる液晶ディスプレイと言えるだろう。

縦横比16:10の狭額縁仕様で迫力ある映像を楽しめる、かなり高性能なゲーミングディスプレイを搭載

 このように普段使いにおいてもかなり快適性の高い液晶ディスプレイだが、加えて165Hzの高リフレッシュレート対応、「Display HDR 400」対応、「Dolby Vision」対応、「NVIDIA G-SYNC」対応と、ゲーミングディスプレイとしても一線級の機能を有している点も見逃せない。おおよそゲーミングノートPC向けの液晶ディスプレイとしては申し分のないもので、レノボでは「PURESIGHT GAMING」として格付けされた仕様のようだ。

 また、液晶ディスプレイ上辺には1080pのWebカメラが仕込まれており、Web会議や仲間の顔を見ながらの共闘などで活用できる。筐体側面の電子式プライバシーシャッターでWebカメラのオンオフを切り替えられるので、プライバシーやセキュリティの面でも安心仕様だ。

普段使いもゲームプレイ時も快適なキーボード

 続いて、普段使いやゲームプレイ時の快適性を大きく左右するキーボードについても詳しく見ていこう。

 <Legion Slim 5i Gen 8>には全84キーのテンキー付きキーボードが搭載されている。キートップ同士に隙間の空いたアイソレーション設計で、メインキー部のキーピッチは実測で約19mmのフルサイズが確保されている。テンキー部のキーピッチが少し狭く、使い始めは少し違和感を覚えるかもしれないが、それよりもテンキーを標準搭載していることに恩恵を感じる人も多いはずだ。大きく確保されたカーソルキーも同様にキーボード作業時の使いやすさに直結する部分と言えるだろう。

 キーストロークは約1.5mmとノートPCとして一般的な深さが確保されていて、打鍵感もしっかりしており快適なタイピングを行えた。打鍵音は静かな部類だと感じたので、Web会議などでキーボードを使用してもそれほど大きなノイズにはならないだろうと思われる。

84キーのテンキー付きキーボード。キーボード上部中央が電源ボタン、その両脇にステレオスピーカーが配置されている

 またキーボードには白色LEDバックライトも備わっており、暗い場所でのタイピングを補助してくれる。白色単色で“切→暗→明”の明るさ調整のみに対応した実用第一のシンプルバックライトで、このあたりはLegion Slimシリーズのコンセプトに準じたものと言えるだろう。

 その他、FPS/TPSゲームで多用されるWASDキーのSキーのキートップにはホームポジションと同様の突起を備えるといったゲーミング向けの小さい工夫も見られ、細かい部分にまで気を配られた製品であることが伺えた。

キーボードには白色バックライトを備える

 ポインティングデバイスとしてはパームレスト部に大型のマルチタッチパッドを備えており、マウス無しでもWindowsの操作自体は快適に行える。なお、<Legion Slim 5i Gen 8>には「Legion M300 RGB ゲーミングマウス」という単体販売もされている8ボタン有線ゲーミングマウスが付属しており、買ってすぐにPCゲームをバリバリ楽しむことができる。

付属のゲーミングマウス。プログラム可能な8ボタンを備え、DPIは100~8000まで、ポーリングレートは125/250/500/1000Hzで調整可能な本格的なゲーミングマウスだ。お尻の部分にはRGBで光るLEGIONロゴがあしらわれている

独自のAIエンジンによる電力制御と管理ツール「Lenovo Vantage」

 <Legion Slim 5i Gen 8>には「静音モード」「バランスモード」「パフォーマンスモード」という3つの動作モードが搭載されており、使用シーンに合わせて適宜切り替えることができる。最も広い用途に適したモードがバランスモードだが、このモードと併せて独自のAI技術「Lenovo AI Engine+」を実行することで、より効率的な電力制御と高パフォーマンスを提供可能だとしている。パソコンの使用状況をAIが学習することで、ゲーム実行を検知すれば自動的により高パフォーマンス設定へ寄せていくといった感じだろうか。

 これらの設定は付属の管理ツール「Lenovo Vantage」から行う。LenovoのPCではお馴染みとなっているツールで、PC動作に関する様々な設定および動作状況をモニタリングできるツールだ。

 なお、今回の各種検証では基本的に、最も性能の出るパフォーマンスモード上で行っている。

各種設定やモニタリングを行う「Lenovo Vantage」

「Lenovo Vantage」から動作モードを切り替える。バランスモードでAI運用にチェックを入れればLenovo AI Engine+が有効となる。なお、動作モードはFn+Qキーのワンタッチでも切り替え可能。動作モードに応じて電源ボタンのLEDが青色(静音)、白色(バランス)、赤色(パフォーマンス)と切り替わるので現在の動作モードは一目で把握できる

 Lenovo Vantageからは、他にもマクロ作成やGPU動作モード設定などを行えるが、中でもぜひチェックしておきたい項目がバッテリー周りの設定だ。バッテリーの充電量を最大75~80%に抑える「保全モード」の設定が可能で、バッテリーの長寿命化を狙える。常にACアダプター接続で使用するような場合は保全モードでの運用がオススメだ。

 ちなみに、<Legion Slim 5i Gen 8>に搭載されるバッテリー容量は最大80Whr、JEITA2.0によるバッテリー駆動時間は約8時間となっている。

バッテリーに関する様々な設定

 その他の付属ツールとしては、オーディオエフェクトを付加する「Nahimic」も要チェック項目。ゲーム中は基本的にヘッドホンを使用するのが一般的かもしれないが、軽く動画を流し見したいときなど、頭に何も装着したくないことは多々あるはず。<Legion Slim 5i Gen 8>はキーボード上部にステレオスピーカーを備えてはいるものの、そのサイズから音質は推して知るべしといったところで、素の音声出力は少々物足りないと言わざるを得ない。

 そんな時に役立つのがオーディオエフェクトツールだ。<Legion Slim 5i Gen 8>に標準搭載されるNahimicで音声出力にエフェクトをかけることで音に広がりなどが加わり、本体スピーカーでも迫力のある音声を楽しめるようになる。

音声出力にエフェクトを付加するNahimic。特に映画モードでは大きな音の広がりを感じられた

高いパフォーマンスを発揮する
第13世代CoreプロセッサーとRTX 40シリーズの組み合わせ

 ではいよいよ、<Legion Slim 5i Gen 8>のパフォーマンス面を検証していこう。

 今回テストしたモデルはCPUにインテル® Core™ i5-13500H プロセッサーを搭載。モバイル向け第13世代Coreプロセッサーのミドルレンジモデルで、性能重視のPコアを4基、効率重視のEコアを8基搭載する合計12コア/16スレッドのハイブリッド・アーキテクチャCPUだ。ブースト時の動作クロックは最大4.7GHzに到達する。

 システムメモリーは16GBを搭載。メモリー構成は8GB DDR5-5200 SDRAM S.O.DIMM×2で、最新のDDR5をしっかりとデュアルチャネルで組んでいる。容量も16GBあれば大抵のビジネス用途やゲーム用途で当面問題はないはずだが、メモリー交換で最大32GBまで搭載可能なので将来的にも安心できるポイントだ。

 GPUにはRTX 40シリーズのエントリークラスにあたるNVIDIA GeForce RTX 4050 Laptopを搭載する。2560基のCUDAコアとGDDR6 6GBのビデオメモリーを備えるGPUで、RTX 40シリーズ最大のウリとも言える新フィーチャーDLSS 3も注目ポイントだ。大幅なブーストクロック上昇を果たしたRTX 40シリーズは、エントリークラスでもAAAタイトルを余裕で動かせるパフォーマンスが期待できる。

 ただ、RTX 4050 Laptopはエントリークラスということもあって画面解像度はフルHD(1920×1080ドット)を想定したGPUだ。それが今回はWQXGA(2560×1600ドット)との組み合わせになっているので、そのことがどの程度の影響を及ぼすのか。そういった面を重点的に探っていきたい。

 なお、<Legion Slim 5i Gen 8>はグラフィックス描写の負荷に応じてCPU内蔵GPUと外部GPUを切り替えて消費電力の最適化を図る「NVIDIA Optimus テクノロジ」で動作している。基本的に自動切り替えで問題はないが、もし上手く外部GPUに動作が切り替わらない場合は、管理ツールの「Lenovo Vantage」から動作モードを外部GPU固定にする設定が可能だ。

Lenovo VantageからGPU動作モードを変更可能。dGPUモード(外部GPUモード)にすると内蔵GPUはオフになるがUSB Type-Cの映像出力が1ポート減るといった変化も生じる

 その他、今回テストしたモデルのスペックは次の通り。このスペックがどれくらいのパフォーマンスを発揮するのか、各種ベンチマークで確認していくこととする。

テスト機の主なスペック
製品名 Legion Slim 5 16IRH8
OS Windows 11 Home
プロセッサー インテル® Core™ i5-13500H プロセッサー
(12コア/16スレッド、TB時最大4.7GHz)
グラフィックス NVIDIA GeForce RTX 4050 Laptop
ビデオメモリ GDDR6 6GB"
メモリー 16GB(8GB DDR5-5200 S.O.DIMM×2)
ストレージ 512GB M.2 NVMe SSD
ディスプレイ 16型 WQXGA IPS液晶 光沢無し、
2560×1600ドット、16:10、リフレッシュレート165Hz
キーボード テンキー付き84キーJIS配列キーボード、
白色バックライト付き
インターフェース USB 3.2 Gen2 Type-C×1(DP出力、USB PD対応)、
USB 3.2 Gen2 Type-C×1(DP出力対応)、
USB 3.2 Gen2 Type-A×2、
有線LANポート、4-in-1メディアカードリーダー、
HDMI2.1×1、マイク/ヘッドホンコンボジャック
通信規格 10BASE-T/100BASE-TX/1000BASE-T、
Wi-Fi 6E、Bluetooth 5.1
Webカメラ FHD 1080p、電子式プライバシーシャッター
スピーカー/マイク 2x2Wステレオスピーカー /
デジタルアレイマイクロホン
バッテリー容量 80Whr
バッテリー駆動時間 約8.0時間(JEITA2.0)
ACアダプター 最大消費電力170W
サイズ 約359.7(W)×260.3(D)×19.9~21.9(H)mm
本体重量 約2.4kg

CPU-Zの実行結果

■CINEBENCH R23

 まず最初は3DCGのレンダリング速度でCPUのマルチスレッド/シングルスレッド性能を計測する定番の「CINEBENCH R23」による計測結果から。

「CINEBENCH R23」実行結果

 結果はマルチスコアーが13993pts、シングルスコアーが1777ptsとかなり高いスコアーが記録されている。デスクトップ向けCPUと比較した場合でも、同じ第13世代である「Core i5-13400」にかなり近いスコアーで、人気を博した第12世代の「Core i5-12400」(マルチスコアー約11200pts、シングルスコアー約1710pts)を大きく引き離す結果だ。CPU性能はデスクトップPC向けを含めた中でも一線級に位置するもので、申し分ないと言えるだろう。

■PCMark 10

 次は、ゲーム以外の様々なジャンルの負荷をかけてPCのトータル性能を測る「PCMark 10」(Ver.2.1.2600)。

「PCMark 10」実行結果

 総合スコアーは7477。その内訳は、アプリ起動速度、ビデオ会議、Webブラウジングの性能を測る「Essentials」が10983。表計算や文書作成のオフィスソフト性能を測る「Productivity」が10474。写真編集や動画編集、3DCG製作などのクリエイティブ性能を測る「Digital Content Creation(DCC)」が9861という結果に。

 Essentials、Productivity、DCCともにスコアー10000前後という高いスコアーをマークしており、ビジネスやクリエイティブなど様々な用途で活躍できることがスコアーからも見て取れる。

 ただ、このベンチマークではNVIDIA Optimus テクノロジの悪い部分が出ており、自動切り替えのハイブリッドモードでは一部のGPUベンチマークが内蔵GPUで実行されてしまうようだ。外部GPUモードにして再計測したところ、Productivityが10913、DCCが11189とスコアーの上昇を確認している。GPUを多用するクリエイティブ系アプリ使用時はGPU動作モードをチェックしてみる必要があるかもしれない。

■3DMark

 続いて、ゲーミング向けの3Dグラフィックス性能を測るベンチマーク「3DMark」(Ver.2.25.8098)から。

「3DMark」計測結果グラフ

 DirectX 11のテスト「Fire Strike」では、フルHD(1920×1080ドット)のFire Strikeが19508、4K(3840×2160ドット)のFire Strike Ultraが4655。DirectX 12のテスト「Time Spy」では、WQHD(2560×1440ドット)のTime Spyが8947、4KのTime Spy Extremeが4061となった。Direct X Raytracing(DXR)のテスト「Port Royal」は4804。DirectX 12 Ultimateに特化した性能テスト「Speed Way」は1991。

 RTX 4050 Laptopのターゲット通り、フルHDのFire Strikeは高スコアーを記録している。今回の<Legion Slim 5i Gen 8>の場合はWQHDのTime Spyのスコアーが重要となるのだが、こちらも健闘しているようだ。ベンチマーク中の平均フレームレートは48~57fpsであと一歩というところなのだが、DLSSやFSRといったアップスケーリング技術を併用すればWQXGAにドットバイドット表示でスムーズなゲームプレイを期待できそうである。

■Crysrtal Disk Mark

 次はストレージ性能を「Crysrtal Disk Mark 8.0.4」で計測しよう。テスト機に搭載されていたSSDは容量512GBのPCI Express Gen4接続M.2 NVMe SSDだ。

「Crysrtal Disk Mark」実行結果

 結果はシーケンシャルリード7152MB/s、シーケンシャルライト5032MB/s。PCI Express Gen4接続のM.2 NVMe SSDのなかでもハイエンドに位置する性能を叩き出している。現時点で最高峰のストレージ性能であり、Windowsやゲームの起動も快適だ。

 一方で容量に関しては少し心許ないと言わざるを得ない。インストールするゲームはしっかり厳選する必要があるだろう。ただ昨今は高速光インターネットも大分普及してきたので、ちょっと遊びたくなったときにゲームをダウンロードして遊び、しばらく経ったら消す、というプレイスタイルもアリかもしれない。このようなプレイスタイルならば容量512GBでも間に合いそう。また、<Legion Slim 5i Gen 8>は高速なUSB 3.2 Gen2ポートを多く持っているので、外付けSSDで容量不足を補うのもひとつの選択肢だ。

軽~中量級タイトルは高fpsで動作! 
AAAタイトルも設定により高解像度でスムーズな動作を確認

 ここからは、ゲーム系ベンチマークや実際のゲームタイトルを使って<Legion Slim 5i Gen 8>のゲームパフォーマンスを検証していこう。

 今回は最新タイトルのベンチマークとして「STREET FIGHTER 6 ベンチマークツール」、少し重めのグラフィックスを想定したベンチマークとして「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク」、軽~中量級の定番FPSタイトルとして「Apex Legends」、重量級AAAタイトルとして「サイバーパンク 2077」を使用している。

 画面解像度は基本的にディスプレイのドットバイドットとなるWQXGA(2560×1600ドット)か、WQHD(2560×1440ドット)で計測を行うこととした。

 またApex Legendsでは、実際のプレイ中のフレームレートを測るために「CapFrameX」というアプリを使用。平均フレームレートの他にデータ全体を100分割して最小値から1%の数値を「min(1%)」とし、これを最小フレームレートの代わりに記載している。

■STREET FIGHTER 6 ベンチマークツール

 ではまず、2023年6月2日にリリースされたばかりの最新対戦格闘ゲーム『STREET FIGHTER 6』から、ゲームの動作状況を確認できる「STREET FIGHTER 6 ベンチマークツール」を実行。オプションの画質設定はクオリティ「HIGHEST」をベースに解像度は2560×1440ドットとしている。

「STREET FIGHTER 6 ベンチマークツール」実行結果

 スコアーは「100/100」で「快適にプレイできます」との評価。<Legion Slim 5i Gen 8>はSTREET FIGHTER 6を高解像度最高画質でスムーズにプレイできることが確認できた次第だ。ただ、大きなエリアを移動する「WORLD TOUR」ではビデオメモリー不足時によく見られる一瞬の大きなカクツキが幾度か発生したので、実際は少し画質設定を落とした方が良いかもしれない。クオリティを「NORMAL」にした場合は、全編ほぼ完全な60fps動作になったことも確認している。

■FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク

 次に「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク」の計測結果から。画面設定は「高品質」「2560×1440」「フルスクリーン」を選択している。

「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク」実行結果

 スコアーは6043で「快適」の評価となった。FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマークのスコアーは平均フレームレートの約100倍の値が出ると言われているので、ギリギリだが平均60fpsはクリアーできている格好だ。画質設定を「標準品質」にするとスコアーが7815まで伸びたので、安定した60fps以上の動作を求めるならば「標準品質」がオススメ。やはりRTX 4050 LaptopにWQHD以上の解像度は少し苦しいのか、グラフィックスが重めのタイトルでは画質設定を少し落とす方が良さそうだ。

■Apex Legends フレームレート計測

 続いて『Apex Legends』では、グラフィック設定でアンチエイリアスを「TSAA」固定とし、ほかの全オプションを最高とした「最高設定」による計測と、テクスチャストリーミング「高(4GB)」、テクスチャフィルタ「異方性x4」、モデルディテール「高」にして、残りのオプションは全て「低」または「無効」とした「競技設定」による計測の2パターンを用意した。画面解像度は2560×1600ドット。射撃訓練場で特定のルートを移動したのちに「バンガロール」の「スモークランチャー」を射出して煙が無くなるまで待機。という一連の動きに対してのフレームレートを計測している。

『Apex Legends』フレームレート計測結果

 計測結果は最高設定で平均100fps、競技設定で平均130fpsと、それぞれ高いフレームレートをマークした。軽~中量級の人気シューターであれば、WQXGAの高解像度でも<Legion Slim 5i Gen 8>の高リフレッシュレートディスプレイを存分に活かしたスムーズなゲームプレイが可能だと伺える結果が得られた。

■サイバーパンク 2077 フレームレート計測

 最後に、重量級AAAタイトルのベンチマーク的存在とも言える『サイバーパンク2077』から、ゲーム内ベンチマークを用いたパフォーマンス計測を実施した。

 画質設定は現実的なところをチョイスしており、クイックプリセット「中」をベースに解像度スケーリングをDLSS自動にしたものと、クイックプリセット「レイトレーシング:低」(最初からDLSS自動の状態)の2パターンを使用。またサイバーパンク 2077はDLSS 3のフレーム生成(DLSS FG)にも対応しているので、DLSS FGの有無の違いも比較している。画面解像度は2560×1600ドット。

『サイバーパンク2077』フレームレート計測結果

 まず、クオリティプリセット中は平均60fpsを大きく上回っており、概ねスムーズにプレイ可能であることが伺える。画質設定を調整することで、WQXGAの高解像度でも重量級AAAタイトルを十分快適に遊べることが確認できたわけだ。DLSS FGを有効にした場合、平均フレームレートはあまり伸びないものの最小フレームレートは大きく伸びているので、フレームレートの大きな落ち込みを防ぐ効果が期待できそうだ。

 次にレイトレーシング:低の場合、さすがに素の状態でスムーズな動作は厳しいようだが、DLSS FGを有効にすると平均60fps近くまで伸びるようになった。この状態であれば概ねスムーズなプレイを期待できる。RTX 40シリーズの新フィーチャーDLSS FGに対応するタイトルであれば、少々重めの設定でもスムーズにプレイ可能なところまで引き上げてくれる効果があるようだ。

 以上、<Legion Slim 5i Gen 8>のゲーミング性能を見てきた。WQXGAの高解像度がある意味ネックにもなって重量級タイトルを最高画質でバリバリにプレイできるとまではいかないものの、多くのゲームを高画質設定でスムーズにプレイ可能でありカジュアルにPCゲーミングを楽しみたいとい方には申し分ない性能と言える。

 GPUがエントリークラスということで性能を侮っている人もいるかもしれないが、CPU内蔵GPUで動く一般的なノートPCとは格段に違うゲーム体験が得られるという点はまず間違いないと期待して良いだろう。これは昨今の内蔵GPUが強力になってきたCPUと比較しても同様で、外部GPUとはそれだけで大きな性能アドバンテージを持っているのだ。

ワーク&ホビーをシームレスにこなせるオールマイティな1台

 今回テストした<Legion Slim 5i Gen 8>は、ゲーミングらしい派手なデザインではなく、ビジネスやクリエイティブ用途にも相応しいシンプルな筐体に本格ゲーミング性能を詰め込んだ1台だ。ちょっとした仕事や普段使いにはオーバースペックとも言える基本性能に加え、高品質で広い液晶ディスプレイでの作業環境はかなり快適性が高いと太鼓判を押しておこう。

 “ゲーミングノートPCに興味はあるけど、普段使いのノートPCとは別にもう1台所持するのはムリ。どうせなら普段使いと1台にまとめたいけど、あまり派手なデザインのゲーミングノートPCはちょっと……”と考えている人は少なくないはず。そんなワーク&ホビーをシームレスにこなせる1台を探している人にとって<Legion Slim 5i Gen 8>は最適解のひとつになり得るだろう。

 加えて<Legion Slim 5i Gen 8>にはゲーミングに特化した「Legion Ultimate Support (1年間)」という保証が標準添付されている。これはゲーミングを熟知した技術者によるサポートを受けられるもので、PC本体についてだけではなくPCゲーミング全体を通してのサポートを24時間365日対応してもらえるというもの。これからPCゲーミングを始める人には心強い存在になるはずだ。

 また、<Legion Slim 5i Gen 8>のラインアップには「Microsoft Office Home & Business 2021」をバンドルしたモデルも用意されているので、仕事用のPCとして導入を考えている場合はそちらを検討してみるのは如何だろうか。

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