無事抽選には当たったが
現物を見ていないがゆえの事態も
こうしてエクストレイルに後ろ髪を引かれつつも、プリウス PHEVの抽選に参加することにした。この時、ディーラーに割り当てられた台数は78台。県内に56店舗あるこのディーラーでは各店舗で割り振ると平均で2台も当たらないことになる。聞けば2月下旬の契約の時点で約200台ほどの契約があり、筆者と関係がある店舗では計4台が契約されたという。競争率は2倍から3倍。思ったより競争率は高くない。それでもクジ運が弱い自分としては「外れたらエクストレイル」との気持ちで結果を待った。
そして、抽選の結果は“当選”。しかも、納車順位は8番目。予定では5月下旬に生産が始まり、6月には納車できる見通しだという。最長では2024年に入ってからの納車となった人もいたそうで、それに比べたら予想以上の好結果だ。
……が、ここで思わぬ事態も発生した。契約を終えた後の3月3日にカタログが届き、その内容をチェックしているとHEVのZグレードとは異なる部分があちこちで発見されたのだ。
まずヘッドランプ。これはPHEVだけハイビームコントロールが“アダプティブ”となっていた。今どきの新型車なら標準装備であってほしいだけに、これはうれしい誤算となった。しかし、ラゲッジスペースがHEVの410Lよりも小さい342Lとなっていたのにはがっかり(いずれもリアシート使用時)。車高を低くするためにバッテリーをフロアに収められなかったことが影響しているに違いない。一方で、この効果でリアシートをたたんだときはフロアがフラットになることもわかった。
サンルーフの仕様も営業マンからのアドバイスとは違っていた点だ。営業マンからは「ソーラー式サンルーフを選ぶとルーフが黒になるが、この生産の見通しが立っておらず、ウチでは受注を受けないことにした。普通のパノラマサンルーフなら受注できるが、ルーフはガラスの部分だけがブラックになる」と聞いた。そこでガラスの部分だけが黒くなるのも美しくないと思い、オプションから外していたのだ。しかし、カタログをよく見るとパノラマサンルーフでもルーフが黒くなるツートーン仕様となっていたのだ。
これらを営業マンに質すと「我々もそこまでは知らなかった」との回答。やはり実車も確認できないまま契約する行為は、わかってはいたけれどかなり危険であるのは間違いない。今回の事例がそれを物語っている。とはいえ、受注がはっきりしなければ生産計画が立てられないメーカーの事情も理解できる。今回は生産の不確実性を改めて実感したわけだが、せめて受注は実車が確認できる状態ができてから行なうべきではないだろうか。さらに言えば、発売日の意味がほぼなくなっているのもおかしな話だ。
そんな中で抽選で買う権利が当たった5代目プリウス PHEV。下取り車があるのと、交渉の結果、用品での値引きが少し得られたのと、環境性能割も免税となったことで、支払額は320万円ほどに落ち着いた。これは手持ちのC-HRの購入価格に相当する支払額だ。国産車もここへ来て価格が一気に跳ね上がったことを実感する。
とはいえ、ここに補助金が適用になれば55万円が戻ってくる。もちろん、東京都のように自治体からも補助金があればさらにうれしいのだが、残念ながら私が住んでいる千葉県内の自治体ではそれはない。それでも下取り含んで実質270万円弱の負担で済む。下取り車を含んでの計算とは言え、最新のPHEVを手に入れたうえでこの価格はかなりお得だ。
以上のように、契約までいろいろあっただが、納車まで残すところあと1ヵ月足らず。念願の電動車に乗れる6月を今から心待ちにしたいと思う。