厳選したパーツをリッチに使用、デノンならではの技術を投入
もちろん、デノンならではのHi-Fi技術を詰め込んでいる。
内容的にはA110シリーズのSACDプレーヤー「DCD-A110」に近い構成となっている。完全対称のレイアウトでリッチに組んだD/A変換部を持つほか、Ultra AL32 Processingにも対応する。
Ultra AL32 Processingは、PCM信号の再生時に最大約1.5MHz/32bitのオーバーサンプリングとビット拡張が可能となっている。さらにDACチップはESS Technologyの「ESS9018」を4基備えている。DAC回路は左右で独立しているだけでなく、1.536MHzにアップサンプリングした信号を768kHzずつに分割して並列に扱うようになっており、4倍の電流出力を得ることが可能に。理論上約2倍(6dB)のS/N比が得られるという。DACチップはTI製の「PCM1795」から変更になっているが、このあたりの構成はDCD-A110と同じだ。
DACマスタークロックデザインやアナログ回路基板とデジタル回路基板を電気的に絶縁するアイソレーションデザインなどデノンのHi-Fi機器で採用してきた技術も投入。電源トランスもアナログ回路とデジタル回路で別となっている。
音質の調整はほかのHi-Fi製品と同様、サウンドマネージャーの山内慎一氏が担当。既存のディスク(SACD/CD)プレーヤーと再生の違和感をなくすことにも配慮したという。内部には「DCD-SX1 Limited」で使用しているコンデンサーもふんだんに使用。オーディオ回路やオーディオ電源回路にはARMS/MELF抵抗、低ノイズ仕様のトランジスター、銅パーツの積極活用、高音質の削り出しターミナル、太く音質重視のオーディオ基板用電源ケーブルなどコストをかけた内容になっている。なお、オーディオ基板用の電源ケーブルを太くすると組み立て時の作業性が落ちてしまうが、高音質化のため敢えて取り組んだものだという。
これ以外にも銅テープを巻いたFFCケーブル、オーディオ回路用の大容量カスタムコンデンサーを使っている。
シャーシは2層構造で、シャーシの上に載る天板とサイドパネルは分離せずコの字に取り付け、代わりに4本のスリッドで補強して強度を保っている。ここも音質的な配慮を目的としたものだという。パーツがぎっしりと詰まった内部は、コンデンサーを中央に配置したレイアウトにし、重量バランスを保っている。
DNP-2000NEの本体サイズは幅434×奥行き421×高さ107mmで、重量は約9.7kg。本体にはHDMI、USB-A(フロント)、USB-B(リア)、光デジタル×2、同軸デジタルの入力端子、アナログ、光デジタル、同軸デジタル出力端子を装備。3段階のゲイン切り替え機能が付いた本格的なヘッドホンアンプも備える。