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裸眼で実物大の立体物を見せる、ソニーが空間再現ディスプレイの第2世代機「ELF-SR2」を発表

2023年05月12日 13時30分更新

文● ASCII

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ELF-SR2

 ソニーは5月12日、空間再現ディスプレイの新製品「ELF-SR2」を発表した。ディスプレーの上部に高速ビジョンセンサーを装備し、利用者の視差を認識。裸眼で立体視ができる。2020年発表の「ELF-SR1」(15.6インチ)を大画面化(27インチ)した。

ELF-SR2

 大画面となったことで、迫力やリアルさが増した。実物大で確認すればそのまま手に取れそうだ。

 斜め45度に配置したディスプレーを上から覗き込んで使う点は同様だが、画面が大きく(622×419mm)なったことで50㎝程離れた利用位置であれば視野いっぱいに画面が広がるようになった。没入感が格段に上がるのはもちろんだが、3DCGで作成したモデルを同じ大きさに表示するのであれば、より広い範囲を一覧でき、同じ範囲を見るのであればより大きくモデルを表示でできるため、CG制作で発生するエラーやミスなどを見つけやすくなっている。

ELF-SR2

上部のカメラで目線と視差を認識。それに合わせて左右それぞれの目に合った立体画像を生成する。

 部品や工業製品を原寸表示をすることで、より正確な判断ができるほか、人体の臓器やアクセサリー類なども実物と同じサイズで表示できる。サイドパネルとボトムスタンドは取り外し可能となっており、VESAマウント(10×10cm)対応のアームも可能となっている。入力端子はHDMIのほか、DisplayPort、USB Type-Cを装備している。

ELF-SR2
ELF-SR2

スレート型筐体となった。

 4K(3840×2160画素)の解像度を持つパネルを採用する点はELF-SR1と同様だが、ブラビアで培った超解像エンジンを搭載。立体空間画質はさらに進化させた。超解像ゲイン制御として、3D表示する際の副作用を回避するため、エッジや高帯域信号を検出して最適に補正。大画面になっても解像感を損なわず、立体映像を楽しめるようになっている。超解像処理はELF-SR2のハードウェア側で処理している。左右の目(視差)に合わせて角度をずらした立体視用の映像を作るアルゴリズムも、超解像度処理に合わせて改良を加えている。

超解像処理を活用すれば、PC負荷も軽量にできる

 超解像処理を使えば、2Kコンテンツをアップコンバートした場合でも高画質が得られる点もポイント。GPU負荷を抑えての再生が可能。色モアレ補正、新たなクロストーク補正も取り入れている。10bit、Adobe RGBカバー率約100%となっているほか、処理プロセスも見直し、PCアプリでこだわりの色調整も可能となっている。

 また、ディスプレーの上部にある高速ビジョンセンサーも第2世代に進化し、視線認識/トラッキング性能が向上した。100ルクス程度の薄暗い環境でも安定した視線の認識が可能となった。認識できる範囲も広角となり、マスクを着けた状態でも視線や視差を認識。視差を認識してリアルタイムに立体画像を生成する処理は、パソコン側ではなく内蔵ハードを使うようになり、CPU負荷の軽減につながるという。

 結果として、ハイスペックなCPU/GPUを搭載したデスクトップPCだけでなく、dGPU搭載のゲーミングノートパソコンなどを映像の再生に使えるようになり、使用環境や目的に合わせて柔軟にPCを選択できるようになった。

 再生ビューアーなど、空間再現ディスプレイ用のアプリケーションも強化している。開発環境としても、「Unreal Engine 5」「Unity」などの制作ソフトのほか、OpenGL、OpenXR、DirectX向けのAPIを直接叩けるようになったという。SDKも提供している。

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