ブログ「超高層ビル・都市開発研究所」を運営し、9年間ほぼ毎日都市開発ネタを発信するマニア「きりぼうくん」。本連載では、丸の内に広がる地下空間の楽しみ方を、マニアならではの知見とともに解説してもらいます。第2回目は、丸の内の地下通路で迷わない方法について。
迷わないコツは“2つのメインルート”を覚えて丸の内地下の全体像を知ること!
大手町、有楽町、日比谷、八重洲、銀座にまで伸びていて、総延長が約18kmにもなる丸の内の地下世界。地上とは違い目立った建物がなくどこまでも似た風景が続いていたり、スマホの地図を確認しても電波が届かないことがあったりと、自分が今どこにいるのか分からなくなったことはありませんか?
今回は、そんな方々に向けて、迷子にならないコツをお教えします。ポイントは、ずばり“メインルートとなる2つの通りを覚える”こと。
ルートは、下の図にあるような、各方面への分岐ポイントになっている東京駅丸の内地下改札付近のAと、日比谷通り直下にあり南北を一気通貫できる地下通路B。
まずこのメインルートで地下の位置関係を覚えてください。最初は難しいかもしれませんが、自分がどちら(の近く)にいるかをベースに考えられればまずは大丈夫。その上で、各所にある目印を覚えれば自分の現在地が分かるようになるはずです。
ここからは、私が各ルートの一般的なスタート地点から実際に歩き撮影した写真とともに、通路の特徴的な内装や空間、改札などのチェックポイントをお伝えします。ぜひ各場所の特徴を覚えてください!
メインルートA:各方面へのハブとなる丸の内地下改札エリアを中心に広がる超便利ルート!
1本目は、東京駅丸の内地下北口改札前から「KITTE丸の内」前の広大な空間(図A③と⑥の間)に出て、折り返したら「行幸地下通路」方面(⑤)、そのまま真っ直ぐ進むと京葉線改札前の通り(⑦)まで伸びるルートです。この辺りは、大手町方面、有楽町方面、皇居方面、八重洲方面へとつながるハブ的なエリア。把握しているだけで、迷った時に戻ってきて立て直すこともできますし、慣れてくれば脇道を進んでショートカットもできるので、超便利なんです。
では、実際に歩いてみましょう!
スタート地点は、八重洲口からの連絡通路とつながっていて分かりやすい丸の内地下北口改札(①)から。ここから各方面へ伸びる通路には、門型のLEDが煌々と輝くゲートが設置されていてどの方面に向かう通路か一目で分かるサインが設置されています。
①から南側(図Aで右斜め上)へ進むと、丸の内地下中央口改札(②)が現れます。人の往来が一気に増え人口密度が高まります。
さらに進むと駅内の物販・飲食ゾーン「グランスタ丸の内」のショップが並び(③)、そこを抜けると広大な空間に辿り着きます(図Aで③と⑥の間)。この先が「KITTE丸の内」や有楽町方面へアクセスできるメインルートAの分岐点です。
ちなみに、2029年頃にはこの辺りから八重洲地下街方面へつながる「東京駅南部東西自由通路」が開通予定となっています。
ここで少し方向転換して丸ビル方面(図Aで右)へ進むと、今度は寒色系の照明が施された柱が延々と続く近未来的な空間が!(④)
この空間を少し戻るように歩くと到着する「行幸地下通路」(⑤)。入り口は階段・エスカレーターで若干上がる形になっています。幅が広く、多数の展示物が壁面に並ぶ通路をさらに進むと突き当りになり、ここから左右に降りていくと、日比谷通り直下のメインルートBにアクセスできます。
ちなみに、「行幸地下通路」へ行かずに真っ直ぐ北(図Aで下方向)に進み、右への分かれ道を行くと、出発点である丸の内地下北口改札へと戻ることもできますよ。
次に、③で「行幸地下通路」方面に曲がらず、京葉線の改札がある通りへ真っ直ぐ進むルートを見てみます。
突き当たりに到着(⑦)。左に曲がり、真っ直ぐ100メートルほど進むと京葉地下丸の内口の改札があります。京葉線に乗り換えて夢の国に行く方はこちらから!
メインルートB:改札を覚えるのがポイント! 南北を一気通貫できる日比谷通り地下の直線ルート
2本目は、日比谷通りの地下に伸びる全長約1.8Kmのルートをご紹介します!
丸の内地下を南北に移動したいなら、分かりやすい直線ルートであるこちらはぜひ覚えてください! 他にも南北移動できる通路はありますが、ココまで長い距離を移動するにはビル内の地下をクネクネ通ったりと難易度が高くなって少し上級者向けなので、こちらがまず間違いなしです。
迷わないコツは改札の看板を目印にすること。特に下地図の③、⑤、⑨は横の通路に曲がることができるポイントなので覚えると便利です。写真を見ながらご説明していきます!
スタート地点は、北側(図Bで下)に「JAビル」や「経団連会館」、「大手町フィナンシャルシティ」への地下通路が伸びて人通りが多い、東京メトロ千代田線大手町駅の神田橋方面改札(①)。
進行方向は南(B図で上方向)。最初の目印は「Otemachi One」への連絡通路(②)です。その先には半蔵門線・丸ノ内線大手町駅改札への分岐点に差し掛かる地点があります。デジタルサイネージの広告が設置された多数の柱が並ぶ空間になっており、非常に分かりやすいです。
ずんずん進み再びデジタルサイネージが多数目立つ空間に出ると、ここにも千代田線の大手町駅改札(③)があります。東京駅方面に横移動できる最初の接続地点で、第一の重要スポットです。
この接続地点を過ぎると、大理石調の内装から昭和風の内装に変わりリニューアル前後の違いが感じられるエリアに。都営三田線の大手町駅改札(④)を過ぎると、再び延々と直線の空間が始まります。
そのまま通路を進むと途中で「行幸通り方面」と記載された案内板(⑤)があり、ここを曲がり階段を上がる(図Bで左方向)とメインルートAの「行幸地下通路」へアクセスできます!
そしてこの辺りでリニューアルされた内装の空間に変わり、レトロな地下通路に終わりを告げます。
再び綺麗な内装の空間を少し歩いていくと、東京メトロ千代田線二重橋前(丸の内)駅改札(⑥)に到着。そのまま進むと、天井が木目、壁面がエメラルドグリーンのガラス張りの空間が出現します。よく見てみると、ガラス越しにホームへの吹き抜け空間が!
次に見える目印は都営三田線日比谷駅(⑨)です。都営の駅でも先ほどの大手町駅とは違い、内装がリニューアルされています。この辺りから人通りが多くなります。ここが横移動できる最後のスポット。有楽町方面へ行くことができます!
いかがでしょうか? 今回ご紹介した2つのメインルートを覚えることで、丸の内地下を大分把握できると思います。さらに、迷った時はそれぞれの目印まで戻り現在地を再確認すると良いでしょう。こちらを参考に一度地下をブラブラしながら、自分だけの新しい目印を発見するのも面白いと思いますよ。
次回は、今回のA、Bルートに加えて、覚えておくとさらに便利な上級者編ルートをご紹介したいと思います。お楽しみに!
文/きりぼうくん
超高層ビル、タワーマンション、駅ビル、地下街、再開発ネタを発信する「超高層ビル・都市開発研究所」の運営をしているブロガー。デベロッパー、ゼネコンのニュースリリース、さらには内閣府や都道府県など行政機関が出す情報を得て、現地を実際に巡るスタイルで取材。記事は9年間ほぼ毎日更新。Twitterでもアツく情報を投稿し、フォロワーは約3.6万人に及ぶ筋金入りの都市開発マニア。
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