意外に知らないM.2 SSDの規格も解説
Steam DeckにType 2230対応M.2 SSD「Micron 2400」を換装してみた
一般的なノートPCよりも簡単!?
ただし、隠しネジには注意が必要
特殊形状の小型PCは分解がしづらく、SSDの換装は難しくなりがちだ。しかし、Steam Deckの作りはかなり洗練されており、分解しやすい部類となる。
簡単に手順を追いながら、換装方法を紹介していこう。
まずは下準備として、本体の電源をオフにし、microSDカードを外しておくことを忘れずに。電源を入れたまま分解してしまうと故障の原因になってしまうからだ。また、microSDカードを抜き忘れると、ケースにぶつかってうまく外れない、もしくはソケットが故障してしまう危険がある。
下準備が終われば、いよいよ分解だ。本体を裏返し、外周寄りの4本、中央寄り4本の、合計8本のネジを外す。
ネジはなくさないよう、小さなケースに閉まっておくと後で困らない。
続いてケースを開けるのだが、ツメがしっかりと噛み合っていて、隙間がないので慌てないようにしてほしい。グリップの上部、R1/R2ボタンやL1/L2ボタンの横にある端から、ツメを外すように押したりずらしたりすると比較的外しやすい。
ここで注意したいのは、無理にドライバーなどをねじ込まないことだ。中の基板に傷がついてしまう危険があるし、何よりケースにこじった跡が残ってしまう。プラスチック製のピックや指の爪を使い、優しく慎重に開けていこう。
内部を見てもSSDが見当たらないが、それもそのはず。SSDは中央左、銀色の金属シールドの下にあるからだ。つまり、続いてこの金属シールドを外す必要がある。
この金属シールドは左上、左下、中央上の3本のネジで固定されている。写真でも左上と左下のネジは確認できるが、中央上のネジはアルミシールの下に隠れているので見逃さないように。
なお、金属シールドをよく見ると、小さな「△」が刻印されている。この近くにネジがあると覚えておくと見逃さなくて済む。
ネジを外しただけでは金属シールドは外れないが、これは、内側にある熱伝導パッドの粘着によるものだ。金属シールドが曲がって歪んでしまわないよう、ゆっくりと端から浮かして外していく。
金属シールドを外すとSSDが見えるが、まずはバッテリーのケーブルを基板から外すこと。何かのタイミングで電源が入ってしまうと、SSDを引き抜くときに壊れてしまうからだ。ここは安全のため、必ず外しておく。
作業スペースは狭いものの、バッテリーのケーブルは横方向へと引っ張ると抜けるので、そこまで難しくはない。
いよいよSSDの換装に取り掛かろう。といってもやることはType 2280と変わらず、固定してあるネジを外して元のSSDを取り外し、新しいSSDとして「Micron 2400 SSD」を装着するだけだ。
ただし、元のSSDには放熱と静電気防止、電磁波防止のためと思われるシールドが貼られている。なくても動くと思われるが、念のためこれも移植しておく方が安全だ。
今回試したモデルでは、シールドは筒状になっていて簡単に外せたが、場合によっては粘着シールで貼りついている場合もあるようだ。
組み立ては、分解の逆の手順で行なうだけとなる。隠しネジの締め忘れや、ケースのツメを折らないように注意するといった点は同じなので、間違えないよう、ひとつずつ手順を確認しながら組み立てていこう。
忘れやすいのが、バッテリーケーブルの挿し忘れだろう。組み立てた後で気づくと精神的ダメージが大きいだけに、何度もチェックしておきたい。
無事に組みあがったら電源ボタンを押下する。OSが入っていないのでまともに動かないが、起動画面が出れば故障していないことはわかる。
OSは、Steam Deck用のイメージからリカバリーするのもいいが、実はWindows 11もインストールできる。試しにセットアップUSBメモリーを作り、USBハブ経由でインストールしてみたところ、動作起動することが確認できた。