英国財務省は3月15日、2023年春期予算を発表。AIの開発にも使用可能な高性能スーパーコンピューターの開発などに9億ポンド(約1457億円)を投じると明かした。
世界最速クラスのエクサスケールコンピューターを目指す
英国が新たに開発するのは「エクサスケールコンピューター」と呼ばれるタイプのスーパーコンピューター。1秒間に100京回以上の浮動小数点演算が可能で、これまでよりさらに高度なAIの構築にも対応できる。
現在英国内で稼働するスーパーコンピューターは、最も高性能なモデルでも世界ランキング28位。同国ではエクサスケールコンピューターへの投資を進めることで、AI分野での国際競争力を高める狙いだ。
また政府内では新たに、大規模言語モデルなどに関するタスクフォースも設立。英国が技術開発の最前線に立てるよう、閣僚に直接アドバイスを提供するという。
その他、AI分野の重要な進歩を推進する研究者に賞金を授与する制度を設け、今後10年間、毎年100万ポンド(約1億6200万円)を提供予定としている。
3月17日現在、エクサスケールコンピューターは米国オークリッジ国立研究所の「Frontier」のみ。日本の理化学研究所が開発する「富岳」はFrontierに次ぐ世界第2位の演算性能をもつが、エクサスケールには到達していない。