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全国高校eスポーツ選手権のプロデューサーを務める清野 悠介氏にインタビュー

高校生のeスポーツ大会には、ゲーマーたちの青春が詰まっている! その魅力とは?

2023年03月17日 11時00分更新

文● 八尋 編集●ASCII

提供: サードウェーブ

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 日本でも、eスポーツという言葉がだいぶ浸透してきた。プロゲーミングチームの活躍や、ストリーマーの人気も理由の1つではあるが、高校生やその保護者たちに一気にeスポーツという言葉を認知させた大会がある。「全国高校eスポーツ選手権」だ。

 本大会は、毎日新聞と一般社団法人全国高等学校eスポーツ連盟(略称:JHSEF 読み:ジェセフ)が主催、サードウェーブが展開するゲーミングパソコンブランド GALLERIA(読み:ガレリア)が特別協賛する、高校生を対象としたeスポーツ大会。「eスポーツを日本の文化に」という思いから2018年に始まり、2023年には第5回大会を迎た。第1回大会では115校だった出場校も、回を重ねるごとに参加校が増えていき、第5回では278校まで増え、計690チームが参加した。

2022年の11月末から2023年2月にかけて、3部門の決勝大会実施された「第5回全国高校eスポーツ選手権」

 私は普段からさまざまなeスポーツ大会に取材に行っているが、オフラインで開催された第1回、第2回大会を観戦させてもらったとき、通常のeスポーツ大会とは少し違う会場の雰囲気に驚いた。通常の大会で多く見る若い人たちはもちろんのこと、年配の方々や、高校生の保護者世代の方など、普段のeスポーツ大会をあまり見に来ないであろう年齢層の方たちの姿が多くあったからだ。おそらく自身の子供や孫の晴れ舞台を応援しに来ているのであろう。

 ルールはしっかりと把握していないけど、がんばっている姿をスティックバルーンで応援する、大会の様子が映し出されたスクリーンに目を輝かせながら観戦するさまを見て、そして日々強くなってきた練習の成果を全力でぶつけ合う高校生たちを見て、まったく関係のない私がなんだかよくわからないけどグッときた覚えがある。

 そして2023年、第5回大会も終わったこのタイミングでふと気になったことがある。この全国高校eスポーツ選手権だが、いったいどのように産声を上げたのか、第3回からはご時世的に、一同に会するオフラインからオンライン大会に自粛したときの心境はどうだったのか、今後、どういった大会にしていきたいのか。

 そこで今回は、全国高校eスポーツ選手権の大会プロデューサーを務める毎日新聞 スポーツ事業部所属の清野 悠介氏にインタビューを実施。本大会について色々聞いてきた。

「eスポーツを日本の文化に」という思いでスタートした大会
リアルスポーツ大会の知見も活かす

全国高校eスポーツ選手権の大会プロデューサーを務める、毎日新聞 スポーツ事業部所属の清野 悠介氏

 全国高校eスポーツ選手権の第1回は、まだまだeスポーツという言葉がこれから浸透していくといった時期に、115校・153チームが出場、いったい、どのようにして始まったのだろうか。

──よろしくお願いします。本大会の企画は、どのように始まったのでしょうか。当初を思い出していただいて、教えてください。

清野 悠介氏(以下、清野氏):「eスポーツを日本の文化に」という思いから、サードウェーブと毎日新聞で立ち上げた大会です。当社は150年の歴史の中で、さまざまな日本の文化を醸成してきたという自負があり、サードウェーブはゲーミングパソコン「GALLERIA(ガレリア)」をつうじてeスポーツシーンに深い造詣があり、お互いの思いが合致して始まりました。

──そもそも清野さんがeスポーツに興味を持ったのはいつ頃ですか?

清野氏:恐らく6~7年前になると思います。eスポーツが世間で目にするようになったのが2018年頃かと思うのですが、私がeスポーツに興味を持ったのは、そのちょっと前ですね。

──結構前ですね。

清野氏:確かその頃に「クラッシュ・ロワイヤル」の世界大会が幕張メッセで開催されまして、毎日新聞の中にもeスポーツに興味を持っている人はいましたので、そういった人たちと取材に行ったり、記事を書いたりはしていました。

──その中で、主催してみたいという思いも出てきたのでしょうか。

清野氏:その頃は、私も事業本部というイベントに関する部署にいましたので、いずれはeスポーツのイベントみたいな感じでできればいいなとは思っていました。

──なるほど。そこから全国高校eスポーツ選手権に繋がるわけですね。では、始めるにあたって、ベンチマーク的に参考にされたeスポーツ大会はありましたでしょうか。

清野氏:さまざまなeスポーツ大会が開催されていましたので、現地に足を運んで視察することはありました。加えて、私はスポーツ事業部に所属しておりまして、ほかのスポーツの大会にも行っていましたので、eスポーツでもここは高校生仕様にしたほうがいいかなみたいな感じで、知見を活かして反映させられたなと感じるところもあります。

──大会を企画して実行する際にここが苦労した、苦戦したというところがあれば教えてください。

清野氏:先述のとおり、当時は高校生のeスポーツ大会がなかったため、高校生向けだとベンチマークにする大会もなく、どれくらい集まるのか、想像がつかなかった点ですね。

──初めての大会が終わったときに感じたことを教えてください。

清野氏:第1回は、私個人はお手伝いで携わっていたのですが、しっかり高校生のeスポーツという形になったと感じ、大会が終わったときには感動しましたし、多くの高校生が参加してくれたなという思いはありました。しかし、すでにこれから継続していくにはどういう形がベストなんだろうということも考えていました。文化にするには継続することが大事だと思っているので、将来のあるべき形を考えていましたね。

第1回大会のフィナーレを見たときに「これはすごいことになるかもしれない」とグッときたのを覚えている

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