グーグルは2月14日(現地時間)、Android版「プライバシーサンドボックス(Privacy Sandbox)」のベータ版を公開した。Android 13のごく一部の端末から提供を開始し、徐々に拡大していく予定。
サードパーティーのCookieに代わる
ターゲティング広告の新たな仕組み
インターネット上のユーザーの行動を追跡し、効果が高いと思われる広告を表示する「ターゲティング広告」。ユーザーに無料で提供されているコンテンツの多くは、サービスを維持するためにこのターゲティング広告を利用している。
しかし、ユーザーの行動を追跡する際に使われるサードパーティーのCookieはユーザー側ではコントロールが難しく、知らないうちに必要以上の個人情報が収集されてしまうこともあり問題となっていた。
プライバシーサンドボックスは、ユーザーのプライバシーとデジタル広告の収益を両立させるために提案された、サードパーティーのCookieに代わるターゲティング広告の仕組みで、デスクトップ版の「Chrome」ではすでに試験運用されている。
プライバシーサンドボックスをONにすると、ウェブブラウザーがCookieに代わってユーザーのニーズを推測し、プライバシーを保った状態で事業者に引き渡す。ユーザー側は事業者にどんな情報が渡るのかを把握し、不都合であればそれを拒否できる仕組みになっている。
利用可能通知が来たら?
使用端末がベータ版提供の対象になるとその旨Androidの通知が表示され、設定画面に追加された「プライバシーサンドボックス」の画面で使用のON/OFFを決められるようになる。特に理由がない限りは「ON」のままにしておこう。
この画面では、アプリが適切な広告を表示するために使用するトピックを確認・管理することができる。
例えば、「映画」や「アウトドア」などのトピックに興味があるとAndroidが推定していることを確認し、興味に合わないトピックがあればブロックすることができる。
グーグルはプライバシーサンドボックスの目標として、ユーザーのプライバシー強化と同時に、企業がオンラインで成功するためのツールを提供することをあげている。今後は広告サービスプロバイダーと協力し、プライバシーサンドボックスを利用したターゲティング広告のテストをするとしている。
開発者向けの最新情報は随時プライバシーサンドボックスのブログに掲載される。