ウェットコンディションの予選
雨が降り出す予想が外れてしまい……
24日(土)の予選はウェットでの走行になりそうでしたが、降ったり止んだりで非常に読みづらいコンディションです。予選直前には雨が上がっていましたが、雨雲レーダーを見るとまだ雨雲があって、いつまた降り出すかわからない状況でした。チームやドライバーによって判断が分かれたと思いますが、私は予選後半にまた雨が降り出すと予想。程よく路面の水量が少なくなるであろう予選中盤に合わせて内圧を決めました。
このようなウェットコンディションが続く予選では、15分の時間内を目いっぱい使うのがセオリーです。まず走り出すと、路面の水量が内圧と合っていなかったのでグリップ感がなかったですが、それも想定通り。最初は我慢してタイヤを温めながらハマるコンディションになるのを待ちます。
予選中盤で3番手辺りに浮上し予想は的中、と思われましたが一向に雨は降らず……。結局どんどん路面は乾いてきてしまって、このコンディションに合わせた車両はタイムが上がり、水量が多いと予想した車両はタイム更新できません。後者の私も苦しくなっていき、最後は路面にドライパッチが出てくるほど乾いていきました。
最後はグリップ感がなく、結果16位で予選を終えます。残念な状況になりましたが、なかなか予選前に思い切った選択をするのは難しかったですね。狙っていた中盤で上位に来ることができたので、やれることはやった結果だとは思います。しかし、追い抜くことが難しいGR86/BRZ Cupでどこまで上がれるか楽しみでした。
予選とはうって変わって晴れて気温上昇
だが接触で順位を落とした決勝レース
25日(日)の決勝レースは完全なドライで気温は25度まで上がり、この週末で一番暖かく少し暑いと感じるほどでした。スタートはここ2戦ともあまり上手くいっていなかったので、やり方を見直して挑みました。スタートは工夫した甲斐あって上手く決まり、ストレート区間で前の車に並んで1コーナーへ飛び込んでいきました。
しかし、私が一番イン側にいたのにもかかわらず、さらにイン側の芝生の上から完全に止まり切れない車がぶつかってきたのです。この接触で失速し、多くの車に抜かれてしまい、おまけに右側のミラーも破損して見えなくなってしまいました。14周のレースですので、その後は少しずつ順位を上げたもののスタートポジションまで戻れず、最後まで走り切りましたが19位でチェッカーとなりました。
予選から噛み合わなかったり、運がなかったりした週末でしたが、そんな時もあると切り替えていきます! 次戦は私が一番走っている鈴鹿サーキットです。どんなカテゴリーでも鈴鹿を走れることは特別ですし、非常に楽しみです。6戦のシリーズ戦のため、早くも終盤戦に入るので、ここでしっかりと結果を残せるようにより一層気合を入れて頑張りたいと思います。次戦のレポートもお楽しみに!
筆者紹介──石坂瑞基
10歳の頃にF1ドライバーを目指してレーシングカートを開始。全日本カート選手権などを経てフォーミュラへステップアップ。SRS-F(鈴鹿サーキットレーシングスクール・フォーミュラ)でスカラシップを獲得し、ホンダの育成ドライバーとして2015年からFIA-F4に参戦。育成枠を外れた後もFIA-F4やスーパーフォーミュラライツ、PCCJ(ポルシェカレラカップジャパン)、スーパー耐久などに参戦する。
2022シーズンは、GR86/BRZ Cup プロフェッショナルクラスにTbyTwo CABANAレーシングから、そしてスーパー耐久(S耐)のST-2クラスにENDLESS SPORTSからGRヤリスで参戦中。