基調講演ではこのほか、アドビが9月に買収を発表したFigmaのCEO、ディラン・フィールド氏も登壇。ウェブベースのデザインツールを提供する同社だが、「アドビのチームと協力し、その技術を活用することで、より速く新たな機能を追加できると考えている」とさらなる成長への期待が語られた。このほか「コンテンツ認証イニシアチブ」と、ニコンとのパートナーシップも発表。また日本ではUUUMの協力のもと、動画製品のマーケティング活動を強化することも明らかにされている。
Adobe Creative Cloudの主なアップデート
●Adobe Photoshop
Photoshopでは最もよく使用されるツールのひとつ「オブジェクト選択ツール」で、AIによる自動選択の範囲が拡張されている。植物や空、建物、道路など複雑なオブジェクトも選択できるようになり、髪の毛などのディテールもしっかりキープできる。選択したオブジェクトの削除や塗りつぶしもワンクリックでできるようになっている。また古い写真を復元できるニューラルフィルターも追加された。
・オブジェクト選択ツールの向上
・ワンクリックで削除と塗りつぶし
・背景の削除(iPad版)
・「写真を復元」ベータ版
・「レビュー用に共有」ベータ版
●Adobe Lightroom
より画像の特定の部分をより簡単に選択できるようになり、特定の人物の肌を滑らかにする、歯の白さを補正するなど細かい部分の編集がやりやすくなった。またPhotoshopでやるように、邪魔なオブジェクトの削除も簡単にできる。
・マスキング選択の強化
・オブジェクトの選択
・コンテンツに応じた削除
・アダプティブプリセット
・比較中に編集
●Adobe Illustrator&Adobe Indesign
新機能の「クロスと重なり」で、イラストとテキストの重なりや前後の配置を簡単にコントロールできるようになった。テキストをアウトライン化せずに作業できるため、あとから文字やフォントの変更もできる。 またAdobe InDesignとAdobe Illustrator間でのコピー&ペーストが使いやすくなった。
・クロスと重なり&3D機能の強化
・クイックアクションの追加
・3D機能の強化
・グラデーションスナップ、タッチ機能強化、ファイル名変更&保存機能(iPad版)
・IllustratorとIndesignとの連携強化
・「レビュー用に共有」ベータ版
●Adobe Express
リリースから今まで多くのアップデートが実施されているが、最近ではAdobe Creative Cloudと同様にAIを用いた機能が強化されている。おすすめのテンプレートやフォントの提案など、より速く簡単にコンテンツが作成できるようになっている。
・テンプレート&フォントの提案
・背景の削除
・画像の入り抜きの精度向上
●Adobe Fresco
・自由変形&リキッド化
・ベクターアウトラインとエアーブラシ
・無制限のブラシ履歴
・画像からの自動カラーパレット作成
●Adobe Premire Pro
・境界線のアライメントコントロール
・モーショングラフィックス・テンプレートが2倍速く
●Adobe After Effects
・H.264のネイティブエンコード
・トラックマットレイヤーの選択
・コンポジション・プリセットの刷新と50以上のアニメーションプリセットの追加
●Adobe Character Animator
・モーションライブラリー
●Adobe fonts
・日本語フォントの追加
・Adobe Expressとの連携強化
●Adobe Stock
・新素材の追加
・PNG形式でのダウンロード
・クイックアクションの追加