ウイングアーク1stは10月7日、同社のBIダッシュボード「MotionBoard」とGoogle Cloudの「Manufacturing Data Engine」を連携した製造業向けソリューションを提供開始した。
3Dマップなどで仮想的にデジタル複製する「デジタルツイン」はデータの視覚化による予測シミュレーションやコストメリットの観点から製造業にとって重要な経営戦略だが、技術者のスキルセットや老朽化による機器のリプレースなどの課題があるという。
Google CloudのManufacturing Data Engineは、デジタルツインを構成する製造IoTデータ基盤として、生産現場で発生するデータを正規化し階層構造に割り付けて提供する。3Dモデリングやカメラ連携を得意とするMotionBoardが、これらのデータを可視化する。
国内外250種類以上の産業用通信プロトコルでデータ収集を行なうエッジソリューションもあわせて提供し、数項目の設定を行なうだけで各種生産設備からのデータ収集がすぐに開始できる。クラウドを活用してスケーラブルなシステム構築が可能となり、小規模なシステムから導入が始められ、導入効果を確認しながら経済的なシステム投資が可能としている。
IoTデータのほか、ERPや生産管理システムなど企業レベルのシステムからもデータを収集し、様々なデータをGoogle Cloudの分析基盤に集約。生産現場のデータと工場経営のKPIを関連付けて、MotionBoardによって視覚化することで、データをもとに迅速な現場アクションと経営判断の実施を支援する。
本連携の主な利用例として、カーボンフットプリントの視覚化とカーボンニュートラルの実現や工場データの一元管理および分析、AIによる品質検査と不適合要因の分析、工程の異常検知とOEE予測メンテナンスを挙げている。また、エンジニアリングチェーンとサプライチェーンを統合することで、顧客の要望に細かく対応したマスカスタマイゼーションによる製品提供が可能になるという。