シニア向けの携帯電話として圧倒的な人気を誇る「らくらくホン」シリーズ。現在、主流となっているのは「らくらくスマートフォン」で、2022年2月に最新モデル「らくらくスマートフォン F-52B」が発売されました。なお、2020年9月に発売された「らくらくスマートフォン F-42A」も引き続き販売されています。また、いわゆる“ガラケー” を求める人に「らくらくホン F-01M」の販売も続けられています。
「らくらくホン」シリーズのユーザーは、同ブランドの機種を使い続けるリピーターが非常に多いそうです。機種変更の際に「今まで使っていたらくらくホンと同じ機種がいい」と希望する人が多いそうですが、ケータイもスマホも進化を続けて、新しい機種が続々と登場するので、まったく同じ機種というわけにはいきません。今、機種変更する場合は、3つの選択肢がありますが、どのモデルを選ぶのが最適解なのでしょうか? それぞれの特徴を紹介しますので、ご両親や祖父母がスマホ・ケータイを機種変更の際に参考にしてください。
いろいろなアプリを使ってみたいのなら「らくらくスマートフォン F-52B」
初めてスマホを使う場合を含め、「せっかく買い替えるのだから、最も機能が充実した機種がいい」という人には「らくらくスマートフォン F-52B」をオススメします。
F-52Bの最大の利点は5G(第5世代)の通信方式に対応していること。5Gのエリアは急速に広がっており、ドコモ「2024年3月までに全国1741の市区町村に展開し、人口カバー率90%以上を目指す」と発表しています。インターネットの通信速度を重視するなら5G対応モデルを選ぶのが得策です。
F-52Bは、従来のらくらくスマートフォンよりも大きい5型のディスプレーを搭載。地図を見たり、動画を見たり、いろいろなアプリを使いたい人に適しています。画面が大きくなったとはいえ、本体サイズは前モデルのF-42Aと同等で、横幅は70mmに抑えられています。一般的なスマホより持ちやすいことも利点と言えるでしょう。
また、らくらくスマートフォンには、ただ触れるだけでなく、ディスプレーを押したことを感知する「らくらくタッチパネル」が搭載されています。タッチ操作に慣れていない人でも操作しやすく、誤操作を防げることに定評がありますが、F-52Bでは、さらに感度を向上させた次世代方式の「らくらくタッチパネル」が採用されています。
前モデルのF-42Aと比べた優位性として、指紋センサーも挙げられます。ディスプレイの下にあるホームボタンに指を当てるだけで素早くロックを解除可能。暗証番号またはパターンでしかセキュリティーロックを設定できないF-42Aよりもセキュリティーが強化され、「d払い」などのキャッシュレス決済を利用する場合にもより便利です。
カメラは、らくらくスマートフォン初の2眼カメラ(標準+マクロ)を搭載。AIが被写体やシーンを認識して最適な設定が行われる機能や、シャッターを押したタイミングの前後の画像から、AIがおすすめの画像を選んで保存する機能も備えています。
らくらくスマートフォンには、安心して使い続けられる機能が搭載されています。電話帳に登録していない連絡先から着信やメールが届くと事前に教えてくれる「迷惑電話・メール対策機能」があり、あやしいサイトに接続しないように知らせてくれる「フィッシング詐欺警告機能」も備えています。
最近、搭載する機種が少なくなってきた「ワンセグ」も搭載しています。利用には、同梱のテレビアンテナケーブルを接続する必要がありますが、大きな画面でテレビを視聴可能。さらに「radiko+FM」アプリがプリインされていて、ラジオ番組を聴くこともできます。「radiko+FM」はインターネット接続で聴ける「radiko」に加えて、FMの電波を受信して聴くこともできるハイブリッドのアプリ。災害時などに、インターネットに接続できない状況でも、情報収集に役立つこと請け合いです。
防水・防塵に対応していることはもちろん、汚れたときに泡タイプのハンドソープでまる洗いできることも利点。さらに、アルコール除菌もできるので、常に清潔に使うことができます。
5Gにこだわらないなら「らくらくスマートフォン F-42A」
5Gにこだわりがなく、4Gで十分という人は「らくらくスマートフォン F-42A」も選択肢に加えましょう。
F-42Aは5Gには対応しておらず、通信方式は4Gに対応しています。ちなみに、ドコモの3Gサービスは2026年3月31日に終了することが決まっており、現在、3G対応のケータイを使っている人は早めに機種変更をする必要があります。4Gは現在最も使われている通信方式で、新しく始まった5Gとともに当面の間は使い続けられます。なので、日常使いには4Gのスマホで支障はありません。
ほかにF-42AとF-52Bにはどんな違いがあるのか? 主なスペックの違いを押さえておきましょう。
F-42A | F-52B | |
---|---|---|
CPU | Snapdragon 450 | Snapdragon 480 |
メモリ(RAM/ROM) | 3GB/32GB | 4GB/64GB |
ディスプレイ | 約4.7インチ(HD) | 約5.0インチ(フルHD+) |
アウトカメラ | 約1310万画素 | 約1310万画素+約190万画素 |
インカメラ | 約500万画素 | 約810万画素 |
バッテリー容量 | 2110mAh | 3400mAh |
指紋センサー | × | ◯ |
サイズ/重さ | 約143×70×9.3mm /約143g |
約143×70×9.3mm /約153g |
前述の通信方式の違いに加えて、画面サイズ、カメラ、バッテリー容量、メモリ容量、指紋センサーの有無が大きな差分です。ただし、インターネットをさほど使わないのであれば、バッテリーやメモリはF-42Aの容量で十分でしょう。
スペックでは最新のF-52Bに劣るF-42Aですが、あえてF-52BではなくF-42Aを選ぶメリットもあります。
まず、軽くて操作しやすいこと。F-52BとF-42Aの本体サイズはほとんど差はありませんが、F-52Bが約153gであるのに対して、F-42Aは約143gと軽く、長い時間持っていても手が疲れません。ディスプレイの下にあるホームボタンが大きくて押しやすいことも利点です。
次に、ワンセグ用のアンテナが付いていること。本体から引き出して使えるアンテナがあるので、いつでも見たいときにテレビを観ることができます。なお、F-52Bと同じように「radiko+FM」アプリが内蔵されており、インターネット接続なしでFMラジオを聴くこともできます。特に災害時に役に立つので安心です。
そして、最大のメリットは価格。最新のF-52Bは5万1744円ですが、 F-42Aは4万1976円で購入可能(いずれもドコモオンラインショップでの新規・機種変更の価格)。9768円も安く買えるので、5G対応や指紋センサー、2眼カメラなどが必要なければ、F-42Aを選ぶのが得策です。
電話やメールを中心に使うなら「らくらくホン F-01M」
現在、フィーチャーフォンの「らくらくホン」を使っていて、「スマホではなくガラケーを使い続けたい」という人には「らくらくホン F-01M」が最適です。価格は3万8016円(ドコモオンラインショップでの価格)。
F-01Mはらくらくホンの従来機種と同じく、わかりやすいメニューが大きな文字で表示され、よく電話をかける人を登録できる3つのワンタッチボタンも備えています。
電話帳に登録していない番号から着信した場合に、相手に「通話を録音する」というメッセージが流れて、実際に通話が自動で録音される「迷惑電話対策機能」も搭載。さらに、迷惑メールを自動で判定して注意を促す「らくらく迷惑メール判定」といった機能も搭載しています。親が使っているケータイにこれらの機能が付いていない場合は、このF-01Mに機種変更することで、より安全に使えるようになるはずです。
F-01Mは4G(第4世代)に対応しているので、2026年3月31日の3Gサービス終了後も使い続けられます。防水・防塵に対応、ワンセグも搭載しているので、災害時にも役立ちます。
困ったときは「らくらくホンセンター」に相談できる
らくらくホン、らくらくスマートフォンからは簡単に「らくらくホンセンター」に電話をかけることができます。使い方がわからないときに通話料も相談料も無料で教えてもらうことができます。また、操作に迷った場合や便利な使い方を知りたい場合に、自分で調べられる「使い方ガイド」も用意されています。親が遠く離れて住んでいて、「困っている時にヘルプできない」という人にも安心です。
らくらくスマートフォンからは「らくらくコミュニティ」という大人世代向けのSNSにも簡単にアクセスできるようになっており、趣味に役立つ情報を入手したり、他のユーザーとの交流を楽しんだりすることもできます。
自分の親だからこそ、安全に楽しく使えるスマートフォンやケータイをプレゼントしてはいかがでしょうか。