Noctuaづくしの1台、30万円以下でFPSも超快適
空冷で究極の静音を目指したゲーミングPC、Ryzen 9とRTX 3080の高いゲームパフォーマンスにも注目!
2022年09月09日 13時00分更新
パソコンショップSEVENのゲーミングパソコン「ZEFT R37FLUX」(関連記事)は、「Ryzen 9 5900X」と「GeForce RTX 3080」(以下、RTX 3080)を搭載したハイエンドスペックながらも、ケースにAntecの「P10 FLUX」を採用し、NoctuaのケースファンやCPUクーラーを備えることで、高い冷却性能と静音性を実現している。
では、実際のゲームパフォーマンスはどの程度なのだろうか。本稿では、いくつかのテストを実施し、ZEFT R37FLUXのパフォーマンスに迫ってみたい。
ZEFT R37FLUX
https://pc-seven.co.jp/spc/16597.html
価格:29万8980円(標準構成の場合、9月8日現在)
ZEFT R37FLUX(試用機)の主なスペック | |
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CPU | Ryzen 9 5900X(3.7GHz~最大4.8GHz)、12コア/24スレッド |
グラフィックス | GeForce RTX 3080 |
PCケース | Antec P10 Flux |
マザーボード | ASRock B550M Pro4(AMD B550チップセット) |
メモリー | 32GB(16GB×2)DDR4-3200、スロット数4のうち2スロット使用 |
ストレージ | 1TB M.2 SSD(Western Digital WD Blue SN850、PCIe 4.0) |
内蔵ドライブ | DVDスーパーマルチドライブ(内蔵型) |
通信規格 | 有線LAN(1000BASE-T)、無線LAN(IEEE 802.11ax/ac/a/b/g/n)、Bluetooth 5.0 |
電源ユニット | SilverStone ET750-G(定格出力750W、80PLUS GOLD認証) |
OS | Windows 11 Home(64bit) |
「Apex Legends」がほぼ200fpsで遊べる!
高負荷なゲームも快適動作!
まずは、定番のベンチマークツール「3DMark」(Version 2.22.7359)からだが、ZEFT R37FLUXは、「Fire Strike」を見ると、Fire Strike“無印”で3万5000台という高いスコアを発揮。さすがにFire Strike Ultraではスコアを落とすものの、それでも1万をキープしている点は立派だ。
DirectX 12のテストとなる「Time Spy」でも、ZEFT R37FLUXはTime Spy“無印”で1万5000台と十分高いスコアを叩き出しており、RTX 3080がそのポテンシャルを如何なく発揮している。
では、実際のゲームではどうなのか、「バイオハザード ヴィレッジ」の結果を見てみよう。ここでは、グラフィックス自動設定から「限界突破」プリセットを選択して、ゲームをプレイ。その間のフレームレートを「CapFrameX」(Version 1.6.8)で取得した。なお、グラフ中に限り、1パーセンタイルフレームレートを「Minimum(1%)」と表記することをここで断っておく。
さて、その結果だが、ZEFT R37FLUXは3840×2160ドットでも常時80fps以上のフレームレートを発揮。1920×1080ドットにもなると、1パーセンタイルフレームレートは200fps超えと非常に高く、ゲームの快適性は誰の目にも明らかだ。
「Apex Legends」でもZEFT R37FLUXのパフォーマンスは良好だ。ここでは、オプションから描画負荷が最大となるように設定してゲームをプレイし、その間のフレームレートを「Fraps」(Version 3.5.99)で取得している。Apex LegendsのようなFPSやTPSでは、1フレームレートでも多く描画することで、有利に立ち回れる。
ZEFT R37FLUXは、1920×1080ドットで最小フレームレートが190fps弱と非常に高く、そういった需要にも応えることができる性能を備えていることがわかる。また、3840×2160ドットでも常時100fps近いフレームレートを出しており、高解像度でのプレイにも死角はない。
さらに、「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク」の結果も確認しておこう。ここでは、「最高品質」に指定してベンチマークを実行しているが、ZEFT R37FLUXは3840×2160ドットでも1万4000台と高いスコアを発揮。スクウェア・エニックスが示す指標では、スコア1万5000以上で最高評価としているが、ZEFT R37FLUXは3840×2160ドットでそれに迫る勢いを見せている。2560×1440ドットであれば2万3000台と、その指標を大きく上回っており、快適なプレイを実現してくれそうだ。
では、ZEFT R37FLUXのゲーム以外のパフォーマンスもチェックしておこう。まずは、システム全体の性能を推し量れる「PCMark 10」(Version 2.1.2556)かだらが、ZEFT R37FLUXの総合スコアは8200台と高め。
スコアの詳細を確認すると、Digital Content Creationが1万4000強と最も高く、ZEFT R37FLUXが動画編集やフォトレタッチといったコンテンツ制作でも、高いパフォーマンスが期待できる。逆にもっとも低いのはProductivityだが、それでもスコアは1万にあと一歩に迫っており、Officeアプリケーションも問題ない性能を備えている。
続いて「FFmpeg」を用いたトランスコード性能も見てみたい。ここでは、「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ」をプレイした7分弱の動画ファイルを用意。1920×1080ドットでMotionJPEGのこのファイルを、「H.264/AVC」と「H.265/HEVC」のそれぞれへと変換する際に要した時間を計測した。
ZEFT R37FLUXは、H.264/AVCであれば400秒弱と、ファイルの動画時間と同程度で終了している点は評価できよう。負荷が大きなH.265/HEVCでも、ZEFT R37FLUXは17分弱しか時間が掛かっておらず、CPUのRyzen 9 5900Xがその真価を発揮している。
最後に「CrystalDiskMark」(Version 8.0.4)で、ZEFT R37FLUXのストレージ性能も確認しておきたい。ZEFT R37FLUXは、シーケンシャルアクセスは読み出しで最大3600MB/s、書き込みで最大3100MB/sと、比較的高い結果を残している。ランダムアクセスも、読み出しが660MB/s程度、書き込みが500MB/sほどと、十分な性能を発揮しており、実際にゲームをプレイしていても、ゲームの起動やデータのロードでストレスを感じる場面はまったくなかった。
パフォーマンスが高く静音性も良好
静かなパソコンがほしいならこの1台
以上のようにZEFT R37FLUXのゲームパフォーマンスは優秀だ。このあたりは、Ryzen 9 5900X とRTX 3080が、そのポテンシャルを発揮した格好だ。肝心の動作音だが、筆者の主観であることを断ったうえで述べるが、高負荷時でも十分静かと感じた。さすが定評のあるNoctua製クーラーといったところ。
ZEFT R37FLUXの価格は、基本構成で税込み29万8980円と30万円を割っており、それでいてゲームパフォーマンスが高く、静音性も優れている点に食指が動く人も多いのではないだろうか。とくに静かな高性能マシンを探しているのであれば、このZEFT R37FLUXは一考の価値アリだ。