宇宙航空研究開発機構(JAXA)と日立造船の研究グループは、国際宇宙ステーション「きぼう」で全固体リチウムイオン電池の実証実験を実施し、充放電に成功した。
宇宙航空研究開発機構(JAXA)と日立造船の研究グループは、国際宇宙ステーション「きぼう」で全固体リチウムイオン電池の実証実験を実施し、充放電に成功した。 全固体リチウムイオン電池はー40℃~120℃と使用可能な温度域が広く、破裂発火のリスクが極めて小さいため、温度差が激しく、真空で放射線に晒される宇宙環境で利用する設備の小型・軽量化や低消費電力化に役立つ。従来、宇宙環境で使用している有機電解液のリチウムイオン電池では難しかった小型機器への適用や、船外実験装置などでの使用が可能になるという。 今後は、宇宙環境下における電池の特性などを評価するため、基本的充放電特性データと宇宙環境曝露部特有の条件(真空、放射線、微小重力等)による容量劣化推移の評価に必要なデータを取得する予定。将来的には全固体リチウムイオン電池を、月面に設置する観測機器や、小型のローバー、本格的な大型のローバーなどの宇宙機での使用を目指す。(笹田)