空間に仮想スピーカーが浮き上がる! 360 Spatial Sound Mapping対応第2弾
ソニーがサウンドバーの新製品「HT-A5000」「HT-A3000」を発表、軽く音質もチェック
2022年08月23日 10時13分更新
HT-A7000のサブセットだが、機能や音の良さをしっかり継承
短時間ではあるが昨年モデルのブラビア(A80Jの65V型)と組み合わせたデモを体験できた。HT-A3000は単体でアコースティックセンターシンクのみを利用。録画した音楽番組をテレビ内蔵スピーカーと比較しながら聴いたが、音場の広さが増すのは当然として、縦方向にも音が広がる感じがあり、立体的な空間再現が楽しめた。左右に大きく広がった伴奏に対して、ボーカルが中央にしっかり定位して対比がしっかり描けていた。
ソニーの有機ELテレビは画面がそのまま振動板になるため、画面サイズが大きいほうが音も有利になる面がある。HT-A3000の場合、組みあわせる機会が多くなりそうなのは55V型のテレビ。デモの65型との差分はより大きくなるはずだとソニーは説明している。ソニーのテレビはドルビーアトモス再生にも対応しており、普及クラスのサウンドバーだと追加しないほうがいい場合もあるほど、音がいいのだが、ドルビーアトモスで制作された定番の映画「グレイテスト・ショーマン」を聴く限りは、低域の充実感にしても、空間再現についても、リアスピーカーやサブウーファーなどがなくても一聴して分かる程度のグレードアップが得られた。なお、最新機種との組み合わせではスタンドの間にサウンドバーを収められるという。
HT-A5000ではOfficial髭男dismのライブ音源をまず視聴。高域がはっきりと再現でき、音の輪郭がシャープに際立つ。コンテンツの特性もあり、テレビの再生音も悪くないが、低域のすわりの良さなど、音自体の存在感が増す印象だった。また、ポップス系の音源では中心に直接音が集中しがちだが、違和感がなく適度な広がりがある音場で臨場感のある音になった。ただ、アコースティックセンターシンクは利用していたが、声が定位する位置は低く、音が画面より低い位置から鳴っている感じはあった。実使用では環境の相性や置き方、設定などの確認はしておいたほうがいいだろう。
HT-A5000はリアとサブウーファー(RS5とSW3)を追加した状態でのデモもあった。360 Reality Audioのデモコンテンツでは、背後も含めて縦横無尽に音が動いていく様子が楽しい。これまでのサウンドバーはこうしたリアルな空間の再現が苦手だったが、リアスピーカーを追加できる機種が増えたことで、AVアンプとリアルスピーカーのサラウンド再生と比べてもそん色ないクオリティで楽しめる機種が増えている。
360 Spatial Sound Mappingはそれをさらに強化し、自然でリアリティのある再現が可能だ。イネーブルドスピーカーを持つHT-A5000はその恩恵をより強く受けられるので、リアスピーカーの同時購入をぜひ検討したいところだ。なお、HT-A5000/A3000は単体で利用可能だが、360 Spatial Sound Mappingの効果が得られるのはリアスピーカーを追加した場合のみとなる。また、HT-A7000の購入者がサブウーファーやリアスピーカーを導入する割合は高く、サブウーファーは半分、リアスピーカーは2~3割の購入率。これはソニーの事前予測を大きく上回る結果だったそうだ。