モバイルネットワークのセキュリティー問題
5Gで活用の幅が広がるとさらに大きな課題となる
モバイルネットワークが社会インフラとなっていることは、先の通信障害でもあらためて実感したところだが、5Gでは工場などの産業の世界でも使われることが予想されている。自動運転も5Gの重要なアプリケーションだ。これらを考慮すると、支障があったときの影響は計り知れない。
エリクソンでは、モバイルネットワークのセキュリティーで考慮すべき脅威アクターの動機を「監視/スパイ」「金銭的利益」「破壊/妨害行為」と大きく3つに分類し、それぞれの行為として、個人データの取得、盗聴、位置情報追跡(「監視/スパイ」)、個人データ販売、ランサムウェア、マイニング、詐欺(通信の阻害、DDoS攻撃、設備の破壊を通じた「金銭的利益」)などを挙げた。
5Gでは仮想化技術によりテレコムとITの融合が進む。セキュリティーという点では、ITの脆弱性が影響することも考えられる。エリクソンでは運用、展開、ベンダー製品開発、電気通信標準化と4つのプロセスで包括的にセキュリティー対策に取り組むことが重要と提言している。
筆者紹介──末岡洋子
フリーランスライター。アットマーク・アイティの記者を経てフリーに。欧州のICT事情に明るく、モバイルのほかオープンソースやデジタル規制動向などもウォッチしている
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